前歯の噛み合わせが当たるのはなぜ?原因や影響、治療方法を解説

前歯の噛み合わせが当たるのはなぜ?原因や影響、治療方法を解説

前歯の噛み合わせを改善する治療方法


前歯が強く当たる噛み合わせを改善する方法について解説します。

前歯の噛み合わせを整える治療方法にはどのようなものがありますか?
前歯の噛み合わせを整えるためには、歯列矯正が必要となります。

歯の表面にブラケットとワイヤーを固定するワイヤー矯正、透明な樹脂製のマウスピースを装着するマウスピース型矯正で、前歯の傾きや位置の異常を整えて、あたらないよう調整します。

軽度の切端咬合であれば、短期間で動かせる部分矯正で対応できることもあります。骨格的な異常に由来する切端咬合は、顎の骨を切除して、上下顎の位置関係を調整する外科的矯正治療が必要となる場合もあります。

どのような歯並びの場合、矯正治療は有効ですか?
前歯の傾きや生え方の位置が悪いことで切端咬合となっている場合は、矯正治療が有効です。ワイヤー矯正やマウスピース型矯正で、前歯の歯並びを細かく調整します。

噛み合わせを整えるために前歯を削るケースがあれば教えてください
症状が軽くて歯並びにも大きな異常が見られない場合は、上下の前歯を少しずつ削ることで調整ができます。天然の歯質を削ってしまいますが、長期間の矯正治療を避けられるという点で、患者さんにとってメリットとなることもあります。

ただし、歯列矯正で前歯を削るケースがあります。

顎の骨が小さい、前歯が大きいという理由から、スペースがやや不足しているケースが該当します。前歯の側面を0.5mm程度削るディスキングやストリッピングを行います。前歯を削る範囲はエナメル質内にとどまることから、施術後に歯の寿命が縮まることはありません。

前歯の噛み合わせを整えるためのセルフケアと予防策


前歯の噛み合わせを悪くさせない方法を紹介します。

前歯の噛み合わせを悪化させないために気をつけるべき生活習慣は何ですか?
以下の生活習慣や癖には注意しましょう。

口呼吸や猫背

頬杖をつく癖

スマートフォンやパソコンの画面を見る時間が極端に長い方は、そのときの姿勢や下の顎の位置に注意してください。

日常生活で前歯の噛み合わせの負担を減らす方法を教えてください
歯ぎしり・食いしばり、歯牙接触癖は、前歯の噛み合わせや歯周組織、顎関節に負担があるため、できる限り控えるようにしましょう。

歯ぎしり・食いしばりがなかなか治らなければ、歯科医院でスプリント療法を受けるのもひとつの選択肢です。スプリント療法は、ナイトガードというマウスピースを就寝中に装着して、歯や顎関節にかかる負担を軽減する方法です。

歯牙接触癖は、日常生活で不必要に歯を接触させないこと、歯を離すことを意識するだけでも、前歯の噛み合わせの負担を減らすことにつながります。その他、食事のときに奥歯でしっかり噛むことでも前歯の噛み合わせの負担が減少します。

歯科検診を定期的に受けることで噛み合わせ悪化を防げますか?
患者さんの歯並び・噛み合わせの状態によっては、定期検診が予防にもつながります。歯科検診では前歯のすり減りや亀裂などをチェックしてもらえるため、原因の早期発見と対策ができるからです。

噛み合わせを悪くする口呼吸や悪い姿勢、歯ぎしりなどを指摘してもらうことで、噛み合わせの問題が悪化する前に対処できます。軽度の切端咬合であれば、歯を少しだけ削る咬合調整で、噛み合わせの問題が深刻化するのを防げます。