老人性腟炎の前兆や初期症状について
最初の症状は、多くの場合、膣やその周辺の乾燥感や不快感として現れます。乾燥感は特に排尿後や入浴後に感じやすく、日常生活に支障をきたすことがあります。症状が進むと、腟やその周辺のヒリヒリ感や、かゆみなどの不快な症状が出てきます。また、おしっこに関する様々な症状も現れます。たとえば、おしっこがしづらい、頻繁にトイレに行きたくなる、突然強い尿意を感じる、膀胱炎を繰り返すなどの症状が見られます。パートナーがいる方の場合は、腟の潤いの減少により性行為の際の痛みを感じたり、その後に出血が起こったりすることがあります。これらの症状は一つだけ現れることもありますし、複数の症状が同時に現れることもありますが、いずれの場合も我慢せずに医療機関を受診することが大切です。
老人性腟炎の検査・診断
診断は主に症状についての詳しい問診と診察によって行われます。まず、症状がいつ頃から始まったのか、どのような不快感があるのかなど、医師が詳しくお話を伺います。診察では、外陰部や腟の入り口周辺の状態を確認します。健康な状態では、この部分は適度な潤いがあり、粘膜は薄すぎず厚すぎずちょうど良い状態です。しかし萎縮性腟炎では、この部分が乾燥し、赤みを帯びていたり、粘膜が薄くなっていたりします。
医師は特に尿道の入り口の形の変化に注目して診察を行います。また、腟の内部も診察し、膣壁の状態や弾力性、乾燥の程度、赤みなどを確認します。健康な状態では、腟の中は適度な潤いがあり、壁にはヒダがありますが、萎縮性腟炎ではこれらが減少または消失します。
必要に応じて、腟からの分泌物の検査が行われることもあります。また、類似の症状を示す他の病気との区別も重要です。特に、皮膚が白く硬くなる病気(硬化性萎縮性苔癬)との区別が必要で、この場合は皮膚科での専門的な診察が必要となることもあります。
配信: Medical DOC