「有機酸代謝異常症」の初期症状をご存じですか? 早期発見のポイントを併せて医師が解説

「有機酸代謝異常症」の初期症状をご存じですか? 早期発見のポイントを併せて医師が解説

有機酸代謝異常症の前兆や初期症状について

有機酸代謝異常症は主に乳幼児期から症状が現れることが多く、重症度によって症状が異なります。
軽症例では、嘔吐や哺乳不良、傾眠、活気不良、下痢、発熱などが見られます。

重症例では出生後の哺乳開始とともに、これらの症状に加えてけいれんや昏睡状態におちいることがあります。
この状態では、早期に適切な治療をおこなわなければ生命の危険が伴うため注意が必要です。

有機酸代謝異常症の検査・診断

有機酸代謝異常症の診断は、血液検査、尿検査など複数の方法を組み合わせておこなわれます。

血液検査では血液ガス分析も利用し、高アンモニア血症や代謝性アシドーシスの有無について確認します。
尿検査では、ケトン体陽性や特異的な有機酸の上昇が認められることが診断の手がかりになります。

これらのほか、遺伝子検査によって、アミノ酸代謝を担う酵素に関わる遺伝子の変異について調べることもあります。

検査結果を総合的に評価し、有機酸代謝異常症の診断をおこないます。

また、気づかれにくい先天性疾患の早期発見のためにおこなわれる「新生児マス・スクリーニング検査」は、この疾患の早期発見にも役立てられています。新生児マス・スクリーニング検査では、日齢4日から6日の新生児から少量の血液が採取され、先天性代謝異常症を中心とした複数の疾患の可能性について簡易的なチェックがおこなわれています。

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