お互いにやってほしいこと、助けてほしいことをそのつど伝えていく
夫婦ともにメンタルヘルスの不調を経験したことで、メンタルヘルスをいい状態に保つために必要なことについて、2人で話し合ったそうです。
「先々の不安を考えると精神的に追い詰められてしまうので、そのときどきで必要なことを柔軟にやろうと話し合いました。私たちは2人とも分担をきっちり決めてやることが得意ではないから、長女のフォローは私が担当する、ということだけは決めていますが、それ以外はそのつど、やってほしいこと、助けてほしいことなどを伝え、夫婦でやり方を決めていこうと話し合いました」(大樹さん)
「私は産前にはメンタルヘルスを改善できて、夫は職場復帰後に双極性感情障害がもともとあったことがわかったので、いわゆる産後うつとは違うのかもしれません。でも、早めに先生に相談したことで、2人ともそれほど深刻な状態にはならずに済みました。
メンタルヘルスの不調を感じたとき、両親にも話したのですが、動揺せず受け入れてくれたことがありがたかったです。
産後うつはだれもがなりうることなので、不調や不安を感じたときはがまんしないで周囲に相談するとともに、専門家のアドバイスを受けることがとても大切だと実感しています。助産師さん、産婦人科の先生、保健師さんも親身になって話を聞いてくれました。力になってくれる専門家が身近にいると知ってるだけでも、とても安心できると思います」(茉帆さん)
【村上先生より】周産期の母親だけでなく、父親のメンタルヘルスのケアも重要
父親の産前産後のメンタルヘルス不調は、まだまだ世間に十分認識をされていないのが実情です。父親は妊娠・出産をするわけではありません。しかし育児によって負荷がかかった際に、今まで抱えていらっしゃった精神科的な問題が、表に現れてくる場合があります。夫婦の中で、1人が産後うつとなった場合は、もう1人が産後うつになるリスクが増加します。妊産婦さんだけではなく、その夫のサポートも重要です。
お話・写真提供/中村茉帆さん・大樹さん 監修/村上寛先生 取材・文/東裕美、たまひよONLINE編集部
専門家に相談することで、メンタルヘルスを改善した茉帆さん・大樹さん夫婦。産後うつを予防するには、「出産前からメンタルヘルスをケアすることがとても大切」と感じているそうです。
「たまひよ 家族を考える」では、すべての赤ちゃんや家族にとって、よりよい社会・環境となることを目指してさまざまな課題を取材し、発信していきます。
配信: たまひよONLINE