法律や条例で決まっている?飼育可能な上限数

猫を何匹まで飼えるのかを考えるとき、まず確認したいのが法律や自治体のルールです。日本では、動物の愛護及び管理に関する法律(動愛法)によって、主に繁殖業者やペットショップの飼育上限が定められています。
また、地方自治体ごとに多頭飼育に関する条例があるため、住んでいる地域のルールを把握することも大切です。
法律による規制
2022年6月の動愛法改正により、業者が飼育できる猫の数に上限が設けられました。これは、猫が適正な環境で暮らせるようにするための措置です。
繁殖業者の場合:1人当たり25匹まで
販売業者(ペットショップなど)の場合:30匹まで
この規制は、過剰な繁殖や劣悪な環境での飼育を防ぐ目的で導入されました。ただし、一般の家庭での飼育数については、動愛法では明確な上限は定められていません。
地方自治体による条例
各自治体でも、多頭飼育に関する独自のルールを設けている場合があります。例えば大阪府では、犬と猫を合わせて10頭以上飼う場合、自治体への届出が必要です。
条例に違反すると、指導が入ったり、場合によっては罰則が科されることもあります。そのため、猫を複数飼いたい場合は、住んでいる地域の条例を事前に確認することが重要です。
適正頭数を決める重要ポイント5つ

猫を何匹まで飼えるかは、法律や条例だけでなく、飼い主の生活環境や猫の性格にも大きく左右されます。無理なく世話ができ、猫が快適に暮らせる「適正頭数」を決めるために、いくつかの重要なポイントを考えてみましょう。
1.住環境の広さ
猫は縄張り意識が強いため、1匹ずつ自分の居場所を確保できるスペースが必要です。一般的に、1匹あたり最低でも2畳ほどのパーソナルスペースが確保できると理想的ですが、それに加えて上下運動ができる環境も整えてあげることが大切です。
キャットタワーや壁付けのステップを設置すれば、限られた空間でも猫同士が快適に過ごせるようになります。
また、猫が増えるほどトイレや食事スペースの確保も重要です。トイレの数は「猫の数+1」が理想とされており、例えば3匹ならトイレは4つ用意するとよいでしょう。
2.経済的負担
猫の数が増えると、食費やトイレの砂代だけでなく、医療費の負担も大きくなります。特に、多頭飼育では感染症のリスクが高まるため、ワクチンや定期健診の受診が重要です。
万が一の病気やケガに備え、1匹ずつ適切な医療を受けさせられるだけの経済的余裕があるかを考えておきましょう。
3.世話の手間
猫は比較的手がかからない動物ですが、それでも多頭飼育になると掃除やご飯の準備などの手間が増えます。特に、猫同士の相性が悪い場合は、それぞれの猫がストレスを感じないように別々に世話をする必要があるでしょう。
また、換毛期には抜け毛の量が増えるため、掃除の頻度を上げる必要があります。多頭飼育を考える際は、日々の世話にどれくらい時間をかけられるかを見極めることが重要です。
4.猫同士の相性
猫は個体ごとに性格が異なるため、必ずしも新しい猫を受け入れてくれるとは限りません。特に、先住猫が単独生活に慣れている場合、新しく迎えた猫と馴染むまでに時間がかかることがあります。多頭飼育を考える際は、猫同士の相性を慎重に見極めることが大切です。
また、初対面の猫同士を急に同じ空間に入れると、強いストレスを感じてしまう場合があります。新たに猫を迎える際は、最初は別々の部屋で過ごさせ、少しずつお互いの存在に慣れさせる工夫が必要です。
5.衛生管理
猫が増えると、トイレや食器の清潔を保つのがより重要です。トイレが汚れていると、猫が別の場所で排泄してしまうこともあり、衛生環境の悪化につながります。また、複数の猫が同じ食器を使うことで感染症が広がるリスクもあるため、清潔な環境を維持しましょう。
トイレ掃除の頻度を増やしたり、定期的に食器を洗ったりすることで、猫が健康的に暮らせる環境を整えることが重要です。
配信: ねこちゃんホンポ