4歳で軽度知的障害を伴う自閉スペクトラム症と診断された長男。かんしゃくやパニックに何度も限界を感じて【体験談】

4歳で軽度知的障害を伴う自閉スペクトラム症と診断された長男。かんしゃくやパニックに何度も限界を感じて【体験談】

2025年4月から特別支援学校の小学4年生になるもっくんは、自閉スペクトラム症と軽度知的障害と診断されています。診断されたのは4歳になってからです。
YouTube「もっくん&かりんとう」で、もっくんと妹のかりんちゃんの日常を配信しているもっくんママに、自閉スペクトラム症と診断されたときのことや就学先選び、習い事について話を聞きました。
全2回インタビューの後編です。

妹が生まれても関心を示さない

もっくんに妹が生まれたのは、もっくんが2歳のときです。そのころもっくんママは、もっくんの様子に違和感を覚えながらも、「なんだろう?」と思っていました。妹のかりんちゃんが産院から退院してきたときも、もっくんママは、もっくんの様子にいくつかの気になることがあったそうです。

「赤ちゃんが生まれると、お世話をしたがったり、抱っこしたがったりする上の子は多いと思うのですが、もっくんは妹にまったく関心を示しませんでした。ベビーベッドにかりんが寝ていても、のぞき込んだり、触ったりしないんです。

また3歳ごろから、道の歩き方にこだわるようになり、まっすぐ歩道を歩けばいいのに、いつも同じところで反対側に行ったり、また戻ったりするんです。『もっくん、まっすぐ歩こうよ』と言うと、怒ってかんしゃくを起こして大変なので、しかたなくもっくんの言うとおりに不思議なルートで歩いていました」(もっくんママ)

他者への関心の弱さや、過度なこだわりの強さも自閉スペクトラム症の特性です。

医師から、妹ともっくんの行動の違いを説明され、もっくんの特性に気づいた

もっくんが自閉スペクトラム症と診断されたのは、4歳3カ月ごろです。

「もっくんは言葉の発達がゆっくりで、3歳ごろは『ジュース、飲む』など2語文で、自分のしたいことだけを伝えてきました。言葉の発達を促すために療育に通っていたのですが、療育で知り合ったママたちと療育手帳の話になり、『もっくんも、言葉が遅いからもらえるのかな? 手帳をもっていたほうが療育がスムーズかな?』と思い、大学病院で診てもらうことにしました。

診察を受ける前に、病院から同じ問診票を2枚渡されて『夫婦でそれぞれ書いてもらいたいのですが、話し合ったりしないで記入してください』と言われました。問診表は、子どもの気になる様子などをチェックしたり、記入したりするものでした。
病院には、2歳になった妹のかりんも連れて行ったのですが、医師はもっくんの様子などをしばらく見て『もっくんは自閉スペクトラム症である』と言ったんです。

医師からは『妹さんは、いろんなおもちゃで遊ぶでしょ? でも、もっくんは同じおもちゃでずっと遊んでいるよね? これも自閉スペクトラム症の特徴です』と説明されました。

確かに診察室に入ってからのかりんともっくんの行動はまったく違いました。
かりんは、私から離れません。しばらくすると『大丈夫』とわかったようで私から離れて、診察室に置いているおもちゃを見て『ママ、これで遊んでいい?』と聞いて、私が『いいよ』と言ってから遊び始めました。慣れてくると、いろいろなおもちゃに手を伸ばしました。

しかしもっくんは診察室に入るなり、警戒心を抱くこともなく、私や医師に許可をとることもなく、興味のあるおもちゃにまっしぐら。同じおもちゃでずっと遊んでいました。

医師の説明を聞いて『そういえば家庭でも、もっくんはいつも同じおもちゃでばかり遊んでいる。なんで私、もっと早く気づいてあげられなかったんだろう・・・』と思いました」(もっくんママ)

もっくんは自閉スペクトラム症と軽度の知的障害と診断されて、療育手帳が交付されることになりました。療育手帳とは、知的障害がある人に交付される障害者手帳です。

「診断されたあと、夫にすぐに電話をしました。夫は『そうなんだ・・・』と言って、言葉に詰まっていました。夫婦で別々に書くようにと言われた問診票の夫の分を、診察室でちらっと見たら、もっくんの興味があるものの記述が、私とほぼ同じで『夫も、しっかり見ていたんだ・・・』と思いました」(もっくんママ)

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