「0歳児のときは、ママも赤ちゃんのことが第一で、予防接種を最優先に考えていることが多いです。ところが、1歳からの予防接種は意外と忘れがち。1歳の誕生日がきたら、予防接種のリスタートと考え、できるだけ同時接種ですすめていきましょう」
こう話すのは、NPO法人「VPDを知って、子どもを守ろうの会」の理事長で、すがやこどもクリニック院長の菅谷明則先生。
●1歳の誕生日がきたら、予防接種をリスタートしよう
1歳で受けられるのは、ヒブ、小児用肺炎球菌、四種混合、MR、水痘、おたふくかぜワクチンの6種。これらをすべて同時に接種するのが理想的です。もし6本の同時接種が難しい場合は、3種ずつ2回に分けるなど、早めに6種類のワクチンを完了することで、予防効果も早く得られるという。
「特に注意してほしいのは、ヒブ、小児用肺炎球菌、四種混合の4回目を忘れないこと。3回接種していても4回目の接種前には免疫が低下し、VPD(ワクチンで防げる病気)にかかってしまう可能性があります。このため、1歳過ぎの4回目の追加接種は非常に重要です」(菅谷先生 以下同)
また、水痘のワクチンも注意が必要だ。1回目はあくまで重症化予防で、2回目に感染予防と考えて、2回目を必ず忘れずに接種したい。
ちなみに、今は定期接種になっているワクチンでも、かつては任意接種だったものもある。
「水痘が定期接種になったのは2014年で、以前は任意でした。年長児のほうが重症化しやすくなります。上のきょうだいがいる場合には、2回の水痘ワクチンを接種しているか確認しましょう」
●1歳の予防接種をおさらい!
1歳から接種する予防接種は、任意のおたふくかぜを含めて計7回だ。
■1歳
ヒブ(4回目)、小児用肺炎球菌(4回目)、四種混合(4回目)、MR(麻しん風しん)、水痘(水ぼうそう)、おたふくかぜ(任意)
■1歳3カ月~
水痘(2回目/1回目から3カ月以上の間隔をあけて、忘れずに接種)
また、水痘やおたふくかぜなどは、ママやパパでも免疫がないケースがある。親の予防接種歴も確認し、子どもをVPDから守ることも重要だ。
(取材・文:田幸和歌子 編集:ノオト)