スーパー青果部歴10年の野菜のプロ・青髪のテツさんに、おいしい野菜の選び方やおすすめの食べ方を教わるフーディストノート公式連載。今回ご紹介いただくのはおうちに常備してあることも多い「玉ねぎ」です。おすすめの選び方や保存方法、豆知識なども教えていただきました♪
こんにちは。
スーパーの青果部歴10年の青髪のテツです。
今回は「玉ねぎ」についてご紹介していきます。
玉ねぎは炒め物、煮物、サラダ、スープ、揚げ物など、どんな料理にも合う万能野菜ですよね。野菜の中では長期保存もしやすいので、冷蔵庫に常備しているという方も多いのではないでしょうか。
それでは、まずは鮮度がよくおいしい玉ねぎの選び方からご紹介していきます。
おいしい玉ねぎの選び方
鮮度のよい玉ねぎの見分けるときは、以下のポイントをチェックしてくださいね。
・頭がかたく締まっている
・ずっしり重い
・芽や根が伸びていない
それぞれ詳しくご紹介していきます。
頭がかたく締まっている
みずみずしくおいしい玉ねぎを選ぶなら、最初に頭の状態をチェックしましょう。
玉ねぎの頭というのは、とんがっている部分のことです。ちびまる子ちゃんの永沢くんも頭頂部がとんがっていますが、あの部分です。
玉ねぎは傷んでくると、頭の部分がやわらかくなります。さらに傷みが進んで中が腐敗してくると、頭の部分から汁が出てくるんです。
玉ねぎは中から傷むことが多いので、なかなか目利きが難しいのですが、頭の部分がかたく締まっているものを選べば、鮮度の悪いものに当たる確率を大幅に減らすことができます。
ずっしり重い
次に玉ねぎの重量感をチェックしましょう。
収穫から時間がたった玉ねぎは中が徐々に乾燥して軽くなっていくため、水分が多くみずみずしいおいしい玉ねぎは、ずっしりとした重さがあります。
やさしく持ってみて、重さのあるものを選んでみてくださいね。
芽や根が伸びていない
また、根や芽が伸びてきているものも、「避けて」と言うほどではないのですが、鮮度がよいとはいえません。
玉ねぎは収穫後も生きているので、環境によっては芽や根の成長を続けてしまいます。
そうしたものは成長のために栄養を使ってしまっているので、鮮度が落ちやすかったり、やわらかくなってしまうんです。
そのため、なるべく芽や根が伸びていないものを選ぶとよいでしょう。
これらのポイントをおさえて、上手に玉ねぎを選んでくださいね。
玉ねぎの保存方法
ここからは玉ねぎの保存方法についてご紹介していきます。
基本的に玉ねぎは冷蔵庫に入れずに風通しのよい冷暗所で、ネットなどに入れて吊るして保存するもの。
ただ、常温で置いておくと害虫がよってきやすいというのも事実。常温で保存したくないという方も多いでしょう。
また、真夏など室温が高い場合は冷蔵庫のほうが長持ちすることもあるので、玉ねぎを冷蔵・冷凍で保存する際の手順をご紹介します。
冷蔵保存の場合
1. 1個ずつ新聞紙かキッチンペーパーに包む。
2. 保存袋に入れる。
3. 野菜室に入れる。
玉ねぎにとって冷蔵室は寒すぎるので、間違っても冷蔵室には入れないようにしましょう。
常温でも冷蔵でも玉ねぎの保存期間は1か月以上。ただし、保存期間はあくまで目安です。
保存前の玉ねぎの状態によって保存期間は変わってきますので、油断せず早めに使い切ってくださいね。
冷凍保存の場合
玉ねぎは冷凍保存も可能です。
ただし、玉ねぎはそもそもそのままでも冷凍するのと同じくらい長期保存できる野菜なので、冷凍する意味はあまりありません。
しかし、玉ねぎを冷凍保存するメリットもあります。それは、料理するときに火が通りやすくなって時短ができること。
そこで、冷凍保存の方法も書いておきますね。
1. 玉ねぎの皮をむいて軽く水洗いする。
2. 薄切りにカットする。
3. 冷凍保存袋に入れて、冷凍庫に入れる。
冷凍した玉ねぎの保存期間はおよそ1か月です。
料理に使う場合は、自然解凍してしまうと食感が大きく変わってしまい食味が悪くなってしまうため、必ず凍ったまま加熱調理してください。
加熱調理の場合でも、食感がやわらかめになったり風味が変わってしまうので、スープやしょうが焼きなどにするのがおすすめです。
よかったら試してみてください。
玉ねぎの豆知識
玉ねぎの豆知識をご紹介します。
玉ねぎを飴色になるまで炒めると甘味が増しておいしくなりますよね。
なぜ飴色になるまで炒めた玉ねぎがおいしくなるのかというと、玉ねぎをじっくり炒めると、糖分とアミノ酸が反応する「メイラード反応」が起こるためです。
この反応は、食材に独特の香ばしさやコク、深みのある味わいを与えます。
飴色の色合いもこの反応の結果で、香り成分が生成され、食欲をそそる風味が生まれるというわけです。
またメイラード反応以外にも、玉ねぎの水分が蒸発して味が凝縮したり、辛味成分が分解されたり、玉ねぎに含まれる糖分がカラメル化することでまろやかな甘味が現れるので、とってもおいしくなるのです。
ただ、おいしさと引き換えにデメリットもあります。
飴色になるまで加熱することでアリシンやビタミン類のほとんどを失ってしまい、栄養的には大損なんです。
もちろん絶対に飴色にして欲しくないというわけではなく、おいしく食べることが目的ならOKなので、おいしさをとるか栄養をとるか考えて選択するとよいと思います。
配信: フーディストノート