脳に“知的刺激”を与えることの大切さ
修道女678人を対象にした、30年以上にわたる認知症リスクやアルツハイマー病の進行、認知機能の変化を調べた研究があります。
その結果を見ると、脳にアルツハイマー病の病理が認められても、実際には認知機能が保たれている修道女さんが存在していました。
実は、若い頃の言語能力、複雑な文法を理解する能力などがあった人は、晩年、認知症のリスクが非常に低くなるということがわかりました。
幼少期から知的刺激や学習をしていることが、のちの認知機能の保全に影響を与えているのです。
脳を使っていると脳の予備力が高まるので、晩年になってその予備力が使われることで、一定のラインを超えないという状態を作れる。予備力がたくさんある人は認知症にならずに済むと考えられています。
脳が認知症用の変化をしていたとしても、認知機能が生涯健全な状態を保つことができるという研究結果でした。
つまり、読書や新しいスキルを身につけるなどの活動、言語能力を高めるような脳に大きな刺激を与える状況になると、将来の認知症を予防することができると示されました。
“極端な暑さ”は老化を加速させる
もう一つの研究は、極端な暑さと生物学的な老化というものです。
極端な暑さに長期間さらされると、体の生物学的な老化が加速してしまうことが明らかになりました。
年間の高温日数が長い地域に住んでいる高齢者は、実際の年齢よりも生物学的年齢が最大で14ヶ月も進んでいることがわかったのです。
気候変動により、熱波や高温の日数が増えると、私たちの健康に影響を与える可能性があるということになります。
特に、高齢者は体温機能調整が難しく、暑さに対しても脆弱なので、環境要因は年齢を重ねると考えなくてはいけない大事なポイントになるでしょう。
配信: クックパッドニュース