
子どもは親を選べない。“自分の親がよその親と違う”と気が付くのはいつごろだろうか?朝起きたら、母親はいない――。保育園がいっしょの子の家に行って、朝ごはんを食べる。そんな「放置子」のような子ども時代を過ごしてきた漫画家・魚田コットン(@33kossan33)さんの「家族やめてもいいですか?」を紹介するとともに本書に込めた想いを聞く。
■「うちの親が毒親か?と言われると今でも毒親なのかな…?」





もともとブログで描いていた「母の再婚相手が色々とアウトだった話」を現在の担当者が見つけ、声をかけてもらったのが本作を描くきっかけ。
「本作は別の出版社さんで雑誌連載をしていたため書籍化が難しかったのですが、その後にブログで連載した『うちの家族ってもしかしてオカシイですか?』というタイトルの漫画にも興味を持っていただき、その話をメインに書籍化を目指すことになりました」(コットンさん)
いわゆる毒親に育てられた環境について、毒親だと気づいたのはいつだったのか。コットンさんは「うちの親が毒親か?と言われると今でも<毒親なのかな…?>と微妙な気持ちになります」と述懐。続けて、「毒だと思わずとも、少し母と距離を取ろうと思えるようになったのは、結婚して自分の家族ができて、しばらくしたくらい」だったと話してくれた。
自身の心と向き合う作業。制作前とあとで気持ちの変化があったのかを聞くと、「描くにあたって、自分の半生をさらに振り返ることになった」と話すコットンさん。「私ってけっこう酷い生活してたんだな」と、気づくことができたとも。
「ブログで描いている段階でも、継父との話はまだしも、家庭環境はそこまで酷いとは思っていなかったので、改めて気づけたのはよかったかと思います。冷静に自分のことを俯瞰して見ることができたおかげか、人に対しても少し寛容になれた気がします。以前の自分は、もっと自分にも他人にも厳しかったので――」(コットンさん)
コットンさんが小学生のときに両親は離婚。その後、母親は再婚。コットンさんは新しい父に性的虐待を受け男性不信となる。本漫画は何度も家族を辞めたいと思ったコットンさんの渾身の一冊である。
取材協力:魚田コットン(@33kossan33)
配信: Walkerplus
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