要注意!妻が「ストレス」を感じた時に気をつけるべきこと

要注意!妻が「ストレス」を感じた時に気をつけるべきこと

第15回 注目の「妻のお悩み」をまとめてチェック!
出産を機に、良好だった夫婦仲が急に悪化してしまう「産後クライシス」に陥っていませんか? カップルがうまくいくかは、「コミュニケーション」「摩擦管理」「自己」「情緒的傾向」「イデオロギー」「期待」が大きく関係します。この6つの領域についての対話を断絶せず、大切にしていきましょう。本日は「自己」と「情緒傾向」について心理カウンセラー、キャリアコンサルタントの筆者が解説します。

お互いの「自己」欲求のバランスを知ろう!

男女ともに個人の誰もが「自己」の中に2つの要素を持っています。一つは、自分が自分であるために独立していたいという自律欲求、一方で、誰かとつながっていたいという親和欲求です。この自律と親和の2つの要素を自己の中でどんなバランスをとっているのか、行動の背景にどんな気持ちがあるのか、自問してみましょう。

夫に話をきいてもらいたい気持ちが抑えられず、依存的になっていませんか?もしくは、子どもへの親和が高まり没頭しすぎて、夫に愛情や注意をむけていないなんてことはありませんか?

独立を愛する男性にとって運動やスポーツ、趣味、友人との情報交換などの時間はかけがえのないもの。しかし、家族の幸福のためには、その時間が短くなることをちゃんと受け入れられていますか?

「家事」「仕事」「育児」「介護」といった肉体的、時間的、物理的な仕事を公平に分担するのは大事なことです。

さらに、もう一つ大事なことは、お互いの「自己」欲求のバランスについて知り語り、お互いが譲歩し、カップルとしてどんな風にバランスをとって満たしていくのかが大切です。

個がワンチームとして発展していけるのか、満足度が高い関係の良いカップルになっていけるのか、「自己」欲求のバランスが夫婦でうまく満たされるように工夫しているかがキーポイントとなるでしょう。

物事とらえかたでストレスの大きさが変わる!?

「情緒傾向」とは、同じ出来事でもプラスの側面に目がいくか、マイナスの側面に目がいくかの傾向です。

物事には必ず、良い側面と悪い側面がありますね。これまでの体験や物事の考え方のくせ、体調、セロトニンなどの神経伝達物質のバランスなどが関係すると言われています。

マイナスの側面に注目しやすい人は、相手の欠点や物事の不満に目がいきやすく、生きづらさは増します。ストレスは増加し、結婚や夫婦関係を傷つける方法をとりやすいでしょう。

しかし「情緒傾向」は単なる素質であり宿命ではありません。少々落ち込みがあっても、自分の考え方やストレス対処法を使って、落ち込みのスパイラルから抜け出し、健康的で幸せなスパイラルに戻ってこられることが重要なのです。

妻がストレスを感じやすい時は、「体形や容姿の変化に関するみじめな思い」「母親の役割が抜け漏れなく果たせているか?という不安」「疲労」「睡眠不足」などです。一方、夫は「口出しの多い親戚」「睡眠不足」「自由時間の喪失」「子育てに関する新たな雑用」などです。

ネガティブな考え方や気持ちをもっていると無意識のうちに、ネガティブな物事への注意や意識が働きやすくなります。これを「気分一致効果」と呼び、昔から知られています。また、ネガティブな気持ちの時は、ネガティブな過去の体験や記憶を思い出しやすく「気分状態依存効果」と呼ばれています。

このように人は誰しもネガティブな感情や認知のサイクルに陥り、神経サイクルが過剰反応しやすくなります。心配、敵意、不安こんな気持ちが湧いていると思ったら、このサイクルに陥っているサインでしょう。

そんなときは「起こった出来事」「頭に浮かぶ考えやイメージ」「気持ちや感情」「行動や動作」「身体反応」について、少し書き出してみましょう。自分自身の気持ちや感情に取り込まれてしまう前に、客観的にもう一人の自分が自分を眺めることで少しずつ整理されてきますよ。

深呼吸をしたり、ストレッチをしたり、マインドフルネスを実践してみたり、ストレス対処の方法は世の中にたくさんあります。参考にしてみてもいいでしょう。

次回は、6つの残りの領域「イデオロギー」「期待」についてみていきます。

要注意!妻が「ストレス」を感じた時に気をつけるべきこと

■この記事は編集部&ライターの経験や知識に基づいた情報です。個人によりその効果は異なります。ご自身の責任においてご利用・ご判断ください。

この記事を執筆・監修した人

石橋 麻衣子(筆名:やまもとこも)
<公認心理師・臨床心理士・キャリアコンサルタント> 10代の子の母。一般企業で20年勤務後キャリアチェンジし、現在は公的機関での教育相談、スクールカウンセラー、精神科クリニックで心理検査やカウンセリングに従事しています。自身の心身の状態が子どもや家族の成長にとても大事だと強く実感しています。自分も他人も大事にするコミュニケーションでよりよい関係や笑顔が生まれますように。
<公認心理師・臨床心理士・キャリアコンサルタント> 10代の子の母。一般企業で20年勤務後キャリアチェンジし、現在は公的機関での教育相談、スクールカウンセラー、精神科クリニックで心理検査やカウンセリングに従事しています。自身の心身の状態が子どもや家族の成長にとても大事だと強く実感しています。自分も他人も大事にするコミュニケーションでよりよい関係や笑顔が生まれますように。