なかには、「冬のほうが、頭が臭くなる気がする」という悩みを抱く人もいるよう。冬に頭が臭くなる理由について、体臭・多汗専門「五味クリニック」の五味常明院長は次のように説明する。
●頭が臭う、その原因は?
「頭のニオイには、『頭皮のニオイ』と『頭髪のニオイ』の2種があります。まず頭皮にはたくさんの皮脂腺が集まっているのですが、洗い過ぎている人が多く、それがニオイの原因になっていることが考えられます」(五味先生 以下同)
髪を「毎日」、「洗浄力の強いシャンプー」などで「強く洗い」、さらに「熱いドライヤーで乾かす」。
実はこれら4つの行為は、すべて頭のニオイを増加させる原因になっているという。
「洗い過ぎによって、皮脂腺が逆に活発になってしまい、過剰な皮脂分泌につながります。また、洗い過ぎで頭皮が乾燥すると、細菌が繁殖しやすい環境になり、ニオイが強まる原因にもなります」
シャンプーはできれば3日に2日程度、できれば塩洗髪にするか、アミノ酸系のシャンプーを利用するのがおすすめだそう。
●痛んだ髪の毛がニオイの元になる!?
新年会なども多い時期。髪についた食べ物や、店内のタバコのニオイなども気になるけど……。
頭のニオイのもうひとつの原因、「頭髪」のニオイを防ぐ対策とは?
「頭髪は本来、表面にある保護層の『キューティクル』で守られているため、ブラッシングするだけでニオイもとれるものです。しかし、キューティクルが傷ついていると、ニオイが吸着しやすく、いったん染み付くとニオイを発酵させて、増やしてしまうのです」
キューティクルがしっかり保護している髪は、ニオイや汚れがついても、ガラスのように表面を滑り落ちるが、傷ついていると、ニオイや汚れが髪のなかに入ってしまう。つまり、「髪が傷んでいればいるほど、ニオイの収集機になってしまう」という。
特に、冬は乾燥しているから、余計に髪が傷つきやすいこともあるとか。では、髪にニオイがつかないようにするにはどうすれば良い?
「ニオイは水分と結びつきやすいので、髪を生乾きにしないこと。また、ドライヤーの熱風が髪を傷つけてしまうことも多いので、ドライヤーをする前にタオルで水気をしっかりとること。あるいは、薄めのタオルを頭にかぶって、その上からドライヤーを当てると良いですよ」
ちなみに、ニオイの原因にもなるのが、頭皮の炎症としてフケなどをともなう「脂漏性(しろうせい)皮膚炎」。この場合は、皮膚科での治療が必要となる。
特に炎症などはなく、「頭が臭くなりやすい」「毎日髪を洗っているのに、臭う」という人は、髪の洗い過ぎの可能性アリ。
洗髪の仕方や頻度などを見直してみると良いかも。
(取材・文:田幸和歌子 編集:ノオト)
書籍紹介:「気になる 口臭・体臭・加齢臭」(旬報社)