「高い歯ブラシほどいい」とは限らない 磨き方が重要
値段や好みで選んでしまいがちな歯ブラシ。プロの目で見たら、何か歯ブラシ選びのポイントはあるもの? そこで、大手町デンタルクリニックの歯科衛生士・須藤夕鶴さんにお話をうかがいました。
まず気になるのは、「値段」。素人にしてみれば、やっぱり値段が高ければ高いほど、効果や効能が大きいように感じてしまうけど、値段によって歯ブラシの機能って変わるのでしょうか?
「結論から言うと、値段は関係ありません。高い歯ブラシでも、安い歯ブラシでも、どちらでも大丈夫です。大切なのは、歯磨きの仕方。みなさん、虫歯や歯周病を予防するために、歯磨きをしていますよね。しかし、磨き方次第では、まったく意味がない場合もあります」(須藤さん、以下同)
値段による大きな違いはないんですね…。いつも特売品や一番安い歯ブラシを購入していたので、なんだか安心しました。では、値段よりも大切な「歯磨きの仕方」とはどういうことでしょう?
「基本的に、虫歯も歯周病も菌(プラーク)による感染症です。虫歯や歯周病を防ぐためには、菌を落とさなければいけませんよね。排水溝のぬめりをイメージしていただくとわかりやすいと思いますが、一定期間汚れを落とさないでいると、膜を作ることがあります。それは、口の中も一緒で、歯の表面や歯茎のポケットに入り込んで、バリアのようになります。しかもこれは、マウスウォッシュや歯磨き粉では落ちません。菌を落とすためには、『機械的除去』、つまり、触れて擦る動作があればよいので、極論、歯磨き粉は使わなくていいし、歯ブラシの値段も関係ありません」
一度歯医者さんにアドバイスしてもらうのが◎
須藤さんの話を聞く限り、「菌を落としやすい歯ブラシを選ぶ」のがポイントのよう。では、そういった歯ブラシは何を基準に選べば…?
「まず、『かため』の歯ブラシは、どんな人でも適していないので、避けたほうがよいでしょう。というのも、歯茎ポケットに擦る際、固いブラシだと入っていきづらく、結局菌を落とせないのです。また、歯茎が腫れ気味の人は、刺激しないように細くてやわらかいものがよいと思います」
さらに、かたさ以外にもポイントがあるそう。
「歯ブラシはかたさだけでなく、大きさも重要です。人それぞれ歯の大きさは異なるので、自分の歯に合ったものを選んでください」
とはいえ、素人では自分の歯の大きさに合った歯ブラシって判断できませんよね。そんな時は、歯医者さんに行った時に聞くのが一番だと須藤さん。
たとえば、電動歯ブラシを使っていると、なんだかきちんと磨けた気になってしまいますが、電動歯ブラシを使っても、ブラシ部分の大きさやかたさ、当て方が間違っていれば汚れは全然落ちません。
これからは“何となく”ではなく、今日うかがったポイントを参考に歯ブラシを購入すれば、より効果が期待できそうです。
(文・明日陽樹/考務店)