学資保険ってどんなもの?
学資保険は、保険料を積み立てていき、進学祝金や満期金を、小中高大などの進学時や満期時に受け取ることができる商品です。どこが「保険」かというと、もし保険料を払っている親が支払中に死亡するなどした場合に、死亡以後の保険料を払わなくてよくなるところ。しかも死亡後すぐに死亡保険金を受け取るわけではなく、もともと予定されている進学時や満期時までは受け取らないところが一般的な死亡保険にはない学資保険だけの特徴です。
死亡保険金を一括で受け取ってしまった場合、教育費以外にかかる色々なお金(葬式代・生活費・生活の立て直し費・引っ越し代など)で使ってしまいます。もし万が一死亡しても大学入学時など教育費がかかる時期までは受け取れないため、着実に教育費としてお金を準備できるのが大きなメリットなんです。
また、保険料は口座から自動引き落としなので、なかなか自分では貯金ができない人でも、確実に貯めていけるのもメリットですね。
少し前は、支払った保険料合計額よりも受け取る進学祝金や満期金の合計金額が上回る(戻り率100%以上)商品が多かったのですが、最近の低金利環境では、ほぼトントンだったり下回る商品も多くなっており、貯蓄商品としての魅力はかなり減ってきています。しかし、上で挙げた2つのメリットに魅力を感じられる「なかなか自分では貯められない人」「保険金がおりたら使ってしまいそうな人」には学資保険はおすすめと言えるでしょう。
小学生からでも入れるおもな学資保険
小学生になってからでも入れる学資保険は、意外と多いです。以下、会社名のみ列挙しますね。
<6歳(小1の誕生日前)なら入れる学資保険>
日本生命・明治安田生命
<7歳まで入れる学資保険>
フコク生命・アフラック
<12歳まで入れる学資保険>
かんぽ生命・太陽生命
(平成29年12月時点)
ちなみに学資保険では、子どもの年齢制限のみならず契約者である親にも上限年齢が設定されています。パパもママも一律65歳まで加入可能な会社もありますが、多くの場合で40歳前後から引っかかる可能性が出てきますので、検討する際は気をつけましょう。たとえばアフラックは、子どもの年齢が7歳だと10歳払済は選べなくなり、18歳払済とした場合の加入上限年齢はパパ39歳、ママ45歳です。フコク生命は、子どもが7歳で17歳払済・月払を選びたい場合、パパ42歳、ママ49歳が加入上限年齢で、子どもの年齢、払済年齢・払込方法によって異なります。一般的にパパよりもママの方が加入可能な上限年齢は高く、同じ年齢の場合は保険料が安くなる傾向にあります。
小学生になってから検討する場合は、子ども・親の年齢に応じて入れる会社のウェブサイトにて、シミュレーションをして、戻り率をチェックしてくださいね。
戻り率をあげるポイント
保険といっても、学資保険で重視したいのはやはり「払った保険料に対してどのくらい戻ってくるか」という戻り率。会社によって異なりますが、同じ会社の商品でも戻り率をあげるためのポイントがいくつかあります。
<ポイント1:払済年齢を早くする>
保険料を払い済む年齢を早くする、要するに払込期間を短くすれば、戻り率はあがります。最近は10歳払済や11歳払済など短く支払い終えるプランを選べる会社も多いため、戻り率アップのために検討するのも良いでしょう。しかし、1回の保険料が上がることと、保険機能(死亡以後の保険料支払いが不要になる)がすぐ消滅するという2点のデメリットがあります。
<ポイント2:年払いにする>
保険料の払込方法を毎月ではなく、年1回払う年払いにすれば戻り率がアップします。年に1回きちんと資金を準備できる方向きです。
<ポイント3:もらい終わるまでの期間を長くする>
18歳単発でもらうものよりも、18歳から22歳まで断続的にもらうものや、18歳と22歳でもらうものの方が戻り率は高くなります。ただし、22歳で受け取ったお金は教育費としてというよりは、親自身の老後資金など別の目的に使う可能性もありますね。
小学生になってから入る場合のデメリット
小学生になってから入る場合のデメリットも、ここでもう一度まとめておきます。
・入れる会社や加入方法の選択肢が少ない
・小さい頃よりも戻り率が悪くなる
・1回の保険料が高くなる
冒頭で書いたように、昨今の学資保険はもともと戻り率が下がってきていますので、小学生になってからの加入では大きくお金が増えることはあまり期待できないと言えます。ですが、簡単に着実に教育費を準備できるという意味では、学資保険は最強です。学資保険と合わせて、次回ご紹介する教育費を貯めるためのその他の手段も知ったうえで、検討されることをおすすめします。
(文:鈴木さや子 編集:ディライトフル)
※この情報は2017年12月時点のものです