ステップ1:「最低でもいくら準備したいか」を使う時期別に考える
教育費は、結局いくらかかるのかが判明するのは、子どもが独立した時。今小学1年生の子どもが大学を卒業するまでの16年間、どんな人生を子どもが歩んでいくかは、誰にもわからないのです。ものすごくお金持ちでない限り、子どもがやりたいことをすべて叶えてあげるというのは難しいこと。まずは親として子どもに「最低でもこのくらいは準備しておこう」という具体的な目標設定をたてましょう。
たとえば、「小中は公立、高校は私立、大学は私立理系に進んでも出してあげられるプラン」とか、「中高大通して、国公立分は出してあげられるプラン」といった具合です。これはあくまで準備金額の最低ラインなので、この金額にプラスして、教育費として読めない「想定外のお金」もできたら準備をします。夫婦で話し合い、どこまで出してあげたいかを考え、使う時期別に、最低でも準備したい金額を考えましょう。一例を紹介します。
<教育費プランの例:高校は私立、大学は私立理系に進むと想定>
ステップ2:学資保険以外の教育費を貯める方法を知る
現時点で大金を預けて増やすなどができない場合は、少額をコツコツ積み立てるしか方法はありません。終身保険やつみたてNISAを利用した資産運用など、学資保険以外にも教育費を貯めるのに適した方法はあります。いくつかの方法とメリット・デメリットを紹介しますね。
<積み立て方式で教育費を貯められる方法>
ステップ3:時期別に手段を組み合わせる
ステップ1で算出した時期別に最低でも準備したい金額を、どの手段で準備するかを考えてみましょう。例えば以下の通りです。
・18歳(17歳も可)以降に使う大学資金
着実に貯められる学資保険・終身保険・大きく増やせる可能性があるつみたてNISA
・高校で使うお金
自動定額入金サービスを活用した普通預金積立・自動積立定期預金
高校で使うお金には、原資の一部に必ず児童手当を入れたいですね。これまで児童手当は生活費として使ってしまっていた人も、小1から中3まで手をつけずにいれば、なんと総額108万円にも(所得制限がない場合)。高校時期の教育費として準備できればかなり心強いのではないでしょうか。
それではいくつかの方法を組み合わせて、ステップ1の対策をしてみましょう。
まず、私立高校に進学した場合の毎月の学費は最低でも3年間で144万円。それを小学校1年から中学3年までの9年間で貯めるとなると、毎月14000円ほどを貯めていくことになります。そのためには、児童手当1万円を含めて14000円を自動積立定期預金で貯めていきます。
次に大学入学の初年度に必要な300万円は、学資保険で貯めていきますが、小1から入ると想定し月々の保険料は2万4000円(※保険会社によって異なります)と仮定します。また、2年目以降の学費のために、つみたてNISAで月に1万円ずつ積み立てていきます。その場合、年換算利回りが1%なら約140万円に、5%なら約176万円にもなります。
それ以外の留学や浪人など、想定外の費用のためのお金を130万円とし、月に1万円ずつ積み立てていきます。これは、プラスαのお金なので、流動性が少し劣る定期預金にはせず、自動定額入金サービスで給与の振込とは別の普通預金口座に貯めていけばいいでしょう。
結局のところ、この例では児童手当以外にも月4.8万円をコツコツ積み立てていくことになりますので、今の家計から捻出できるかどうかを考えて、難しい場合は目標金額を下げたり、家計を見直したりすることになります。
不安ばかりが先行しがちな教育費ですが、このように使う時期と貯める目標を設定、対策を考えるとだいぶ不安は軽くなるかと思います。今後の教育プランをじっくり夫婦で話し合ったら、どのくらいまでは出せるか、ぜひお子さまに伝えてください。教育費の話はオープンにすることで、子どもに余計な心配をかけたり、使いたい放題になることを防げますよ。
(文:鈴木さや子 編集:ディライトフル)
※この情報は2017年12月時点のものです