考案者は、『自分で考える子になる「こども手帳術」』の著者の星野けいこさん。二児の母でもある星野さんは、専用の手帳を作ってあげることで、子どものやる気と自主性が引き出されることを発見したという。 では、具体的にどんなふうに「こども手帳」をつくればいいのだろう? 字がスムーズに読めない未就学児でも使える「こども手帳」の作り方について話を聞いた。
●「こども手帳」は自立心を養うための道具
「まずは、こども手帳を作る目的をしっかり理解しておきましょう。こども手帳は、子どもが自分で考えて動けるようになるための道具です。年齢によってできることやペースは違ってくるので、のんびり楽しみながら、少しずつ作っていきましょう」(星野さん 以下同)
用意するのは1冊のノートと大きめのフセンだけ。穴をあけて紙が挟めるバインダー形式がおすすめだが、予定や時間の管理だけなら普通のノート式手帳でもOK。まずはここに子ども自身に好きなものをノートに貼るのがステップ1だ。このとき、親は口出しせず、子どもの自由にさせてあげよう。
「次に、手帳を前にして親子で話し合いながら予定の確認をしていきましょう。幼児ならまずは『朝起きてからすることは?』という基本的なところから、小学生なら『明日の予定を確認し、自分がやることを計画する』までを子ども自身に考えさせてください」
やるべきことが浮かび上がったら、それらをひとつずつフセンに書き、手帳を開いて左側のページに貼り、やり終えたら右側のページに貼りかえる。このフセンを繰り返し動かすことで、TO DOリストのように「やること」が明確に確認できるのだ。
「子どもが一日一日を把握できるようになったら、今週を把握する、1カ月を把握する…というように少しずつ長いスパンを把握できるようなものを入れていきましょう。年齢や性格に応じて、フセンの内容を変えることで、その子に合った手帳を作り、活用していくことができます」
●フセンを使うことのメリット
直接、手帳に書き込むのではなく、フセンを使う理由は2つある。
「ひとつは、フセンをペタペタと移動させることで、"やること"と"終わったこと"が一目で見えるから。もうひとつはその時々の予定に合わせて、"やること"の順番を変更できるようになることです」
手帳の置き場所はダイニングテーブルの上やリビングボード、こども部屋の机の上などがおすすめ。子どもが必要なときにすぐに開ける場所に置いておこう。
「引き出しのなかや本棚など、"出してから開く"の2アクションになる場所は、開かなくなるのでNG。タブレットも同じ理由でおすすめしません。いつでもどこでも欲しい情報にすぐアクセスできるのはアナログならではの利点ですから」
ただし、子どもがひとりで毎日これらの作業を続けることはやはり難しい。親子で一緒にやるのも習慣化の大きなポイントだ。まずは1日5分から、親子で「手帳」の時間を作って、明日やることを確認することから始めよう。
(取材・文:阿部花恵 編集:ノオト)