この結論は2018年度中に出るということだが、もし、口座維持手数料がかかるようになれば、「メガバンクに預け入れする意味って…?」と疑問に思う人もいるだろう。
では、今後、メインバンクを乗り換えるとしたら、どんな基準で選べば良い? ファイナンシャルプランナーの馬場聡子さんは次のように説明する。
「今後はメガバンクに限らず、口座を持つことで手数料が発生する可能性は十分にあります。費用面でも、財産を自分で管理・把握するという面でも、クレジットカードと同様に、たくさん持ちすぎないこと。必要な口座数に絞り込む必要があると思います」
面倒なようでも、不必要な口座があるなら、解約の手続きをしたほうが良いそう。特に忘れがちな独身時代の口座などは、実家に帰省した際の平日に解約手続きを行うのがおすすめだ。
●銀行口座の最適な口座数って?
では、どのくらいの数、どんなところに絞れば良いのだろうか。
「口座でどんな取引をしているかによって、選択の基準は異なります。例えば、住宅ローンを支払っている口座があれば、削れないですし、手数料などの優遇がある可能性も高いはず」
財産をどれだけ持っているかにもよるが、できれば「普段使い」「一時置き(普段は使わず、年に数回程度利用の予備金)」「将来のため」の3つくらいに絞るのがおすすめだとか。
また、手数料には「振込」「両替」「振替」「ATM利用料」などがあるが、日々使う部分、特にATM手数料の見直しが重要だそう。
「ATMや提携コンビニでの無駄遣いは、実は意外と多いもの。かつては夜9時まで無料だったところが、夜6時まで無料に時間変更されているといった具合に、制度が細かく変わっていても、現場に行くまで気づかないのです」
●銀行選びのポイントは費用と「よく行く場所」
馬場さんが勧める「銀行選び」のポイントは、以下の通り。
1、 費用面
ATM手数料などが無料、あるいは安いところを選ぼう。
2、 大型ショッピングモールなど、よく行く場所にATM機があること
自宅の最寄りの銀行を選びがちだが、銀行では駐車場に車が停められないこともある。子どもを抱っこしながらATMの操作をするのは、結構大変。屋根のある立体駐車場があるなど、子ども連れで行きやすい場所なら、最寄りの銀行よりも便利。
3、 ネット銀行
家計簿のアプリを使っている人なら、ネット銀行は便利。また、ネット通販をよく利用する人なら、利用が多ければポイントがたまるメリットも。ただし、子育て中は親に相談(物件購入など)する機会が多く、親世代はネット銀行に躊躇するケースがあるので、注意が必要。
「メガバンクのリストラのニュースで衝撃が走ったように、銀行はここ数年でどんどん変わっていっています。マイナス金利も続いています。大切なのは、自分で『変化』を知る、信頼できる情報を入手できる環境を整えておくこと。自分の目を肥やしていくことです」
今はもう「銀行に預けておけば安心」ではなく、「知らないと損をすることもある」時代。手数料などの小さな積み重ねが、大きな差になることもあるだけに、自分でアンテナをはっておくことも大切だ。
(取材・文:田幸和歌子 編集:ノオト)