たんぱく質と鉄分で代謝を上げ、むくみ知らず
痩せやすい体を作るために必要なのは、どんな栄養素なのでしょうか?
「まず、キレイに痩せるために必要な栄養素は、たんぱく質です。筋肉や血液、骨、肌など、体のさまざまな部位を作る成分で、不足すると筋肉量が落ちてしまいます。その結果、体が冷えて代謝が落ちたり、筋肉によって体が支えられずにたるんだりして、太りやすくなるのです。
このたんぱく質と一緒に血液を作る成分が、鉄分です。鉄分が不足すると、血液の巡りが悪くなるので冷えやすくなり、さらに代謝が落ちます。貧血のほか、むくみやすかったり、寝覚めが悪かったり、痩せにくかったりする場合、鉄分不足の可能性があります」(梅原さん、以下同)
美しい体を作るためには、たんぱく質と合わせて鉄分摂取が基本だそうです!
吸収率のよい鉄分の摂り方とは?
たんぱく質が多く含まれるのは肉や魚、卵などというのはわかっても、鉄分を多く含む食材にはどのようなものがあるのでしょうか?
「鉄には『ヘム鉄』と「非ヘム鉄』の2種類があり、ヘム鉄のほうが体への吸収率が高いです。ヘム鉄を多く含むのは、豚や鶏のレバー、牛肉、しじみやあさりなど貝類、かつおなどです。いっぽう、非ヘム鉄は、ほうれん草や小松菜、菜の花など緑の野菜、大豆、卵などに多く含まれます。
でも、非ヘム鉄の食品群を、吸収率が低いからと避ける必要はありません。とくにダイエットを心がける人にとって、肉だけでなく、緑の野菜や豆類からもたんぱく質やビタミン、ミネラルを摂取することは、カロリーや栄養不足を防ぐ意味でも必要です」
非ヘム鉄の吸収率を上げるためのコツがあるそう!
「ビタミンCを一緒に摂ると、鉄分の吸収率が上がります。ヘム鉄にせよ、非ヘム鉄にせよ、鉄分の多い食品を食べるときは、ビタミンCを多く含んだ食材を合わせましょう」
コラーゲンの材料となるビタミンCの摂取量
梅原さんによると、女性はたっぷりとビタミンCを摂取したほうがよいそうです。具体的に、ビタミンCを多く含む食材を教えてください。
「ビタミンCといえば柑橘類が有名ですが、野菜ではパプリカやブロッコリーにも多く含まれています。どちらも肉や魚料理の付け合わせに使いやすいですし、単体でもおかずとして調理しやすい食材です。
一般的に、成人女性が目指したい1日の摂取量は100mgと言われていますが、私が多くの女性を見てきた実感から、それではまったく足りないと思います。鉄分の吸収率を上げるのはもちろん、たんぱく質や鉄とセットで摂るとコラーゲンの材料になり、肌のハリを上げるためにビタミンCは必須です。私は1日2000mgの摂取をすすめています」
ビタミンCは水溶性なので、一度にたくさん摂っても体内に溜まらず、出ていってしまうため、こまめな摂取がベターだそうです。
「ビタミンCのサプリメントを毎食後に摂る癖をつけるといいですよ」と梅原さん。たんぱく質と鉄分とビタミンC、この3つをセットにすることで、代謝を上げて太りにくい体を作るほか、肌のハリやツヤのアップにつながるとは! いつまでもキレイを目指すために、食事の栄養素を意識してみましょう。
(取材・文:富永明子)