共働き家庭は日々、どんなところに、どんな無駄使いをする傾向があるの? 女性ファイナンシャルプランナーによる女性のためのお金の総合クリニック「エフピーウーマン」の高山一恵さんに聞いた。
「例えば、コーヒーを飲むとき、専業主婦家庭はマクドナルドの100円コーヒー、共働き家庭はスタバやタリーズを選ぶ傾向があります。服も前者はユニクロで、後者はユナイテッドアローズなど、一つひとつの費用がちょっとずつ上がりがち。それが結果として、全体の支出を押し上げてしまうのです」(高山さん、以下同)
専業主婦家庭に比べ、共働き家庭は様々なところで少しずつ生活レベルが高くなっていることが、貯金のできないひとつの要因となっているのだ。
さらに共働き家庭の場合は、互いに一人暮らしのときの生活レベルをそのまま続けてしまうことも。そのため、お金をそれぞれで管理しているケースが多いそう。
「専業主婦家庭は財布が1つで収支が見えやすいのに比べて、共働き家庭は財布が2つあるため、全体の収支が見えにくいのです。そのため、使途不明金が出やすい傾向にあります」
高山さんによれば、結婚で生活レベルをいったんリセットし、二人でマネープランを立てるのが理想とのこと。そして特に気を付けたいのが、世帯年収が700~800万円のゾーンにいる夫婦だという。
「実は、そのくらいの年収になると『自分たちは他人とちょっと違う』という意識が芽生えやすいといわれています。例えば、『家は都内で』『車も買おう』『旅行も行こう』『子どもは私立で』…と全部実現させても、かつては給料が上がっていったので、支出増をカバーできました。でも、今の時代、給料は横ばいか微増が当たり前。子どもの成長にともなって年々お金がかかってくるのに、次第に追いつかなくなるんです」
これが、「800万円の罠」といわれる落とし穴だそう。700万円~800万円のゾーンは、「夫500万円、妻300万円」など、共働き夫婦に多いパターン。お互いの財布をきちんと確認し合うところから、まずは見直しを始めてみては?
(田幸和歌子+ノオト)