ネットスーパーの利用ラインを「時給>諸費用」で計算すると…
そこで、株式会社Money&You代表取締役でマネーコンサルタントの頼藤太希さんに、その試算をお願いすることに。
1回の買い物にかかる時間を50分と設定し、その計算式は、以下の通り。
「1日8時間働く雇用形態として、月20営業日だと160時間の労働時間になります。もし、額面30万円の場合だと、手取りは約24万円。時給換算する場合は、手取りで考えるべきなので、時給1500円になります。機会費用の考え方は、買い物に行っている時間の間、最大限稼ぐ場合はいくらかというもの。前述の場合、時給1500(円)×50/60(分)=1250円となるので、諸費用が1250円以下であれば、ネットスーパーを利用検討したほうが良いかもしれませんね」(株式会社Money&You代表取締役・頼藤太希さん、以下同)
主要なネットスーパーの利用料や送料を調べてみると、会員費が0円~400円程度、送料は0円~1600円程度と開きはあるものの、おおよそ月額500~1000円で利用できるみたい。利用するサービスにより費用は異なるため一概には言えないものの、逆算すると、時給700円以上の場合は検討してもよいと言えそうだ。
ただし「ネットスーパーを利用しても実際には収入が増えるわけではなく、送料や利用料など支出が伴うため、家計を圧迫してしまっては意味がない」と頼藤さん。
「なので、ネットスーパーなど代行サービスを活用する際は、費用の上限を決めると良いでしょう。例えば、1日働いた分で稼げる金額を上限にする場合、時給1500円ならば、1日分は1万2000円になります。家事代行を頼んだ場合、その相場は1時間3000円なので、ネットスーパーの方が相場的にかなりリーズナブルということになります」
買い物も含め、家事全般は無賃労働として考えられがち。だけど、働いている人にとっては家事をする時間も働いている時間も、同じ貴重な時間であり、それはママも然り。時間によって生まれる価値を想像することが大切なんですね。
ネットスーパー以外にも代行検討すべき家事は?
買い物以外にも、こういった各種サービスに依頼したほうが自分の時給より安価になる可能性が高い家事もあるのでは…?
せっかくなので、他にもお聞きしてみると、先ほど同様、「自分が稼げる単価を下回るのであれば利用価値ありです。ただし、実質的な支出が伴うので、上限の設定は必要です」と頼藤さん。候補になりそうな代行サービスと、その相場観を応えてくれました。
●宅配クリーニング
「シャツのクリーニングは家庭では洗いあがりの白さやアイロンがけにも限界があり、時間もかかります。宅配クリーニングは店舗型クリーニングよりも費用が安価に設定されており、もしも毎日シャツの洗濯クリーニングに悩まされているならば、利用検討したほうが良い候補のひとつと言えるでしょう」
●育児代行サービス
「育児代行の場合は、子どもを預けている間に仕事ができるため、コストが自分の時給より低ければ経済的メリットも時間メリットもあります」
育児代行やベビーシッターサービスは、費用が高い印象もあるけれど、1~2時間だけなど部分的に利用すれば、経済的なメリットも高まりそう。
その他、ハウスクリーニングや弁当宅配、料理作成代行など、代行サービスは探すと色々。働き始めたら、自分の家事の負担を減らすことも一緒に検討を。ひとりで背負い込まないよう、注意しましょう。
(文・団子坂ゆみ/考務店)