トイレが汚れる原因を知って、掃除の手間を減らそう
まず、トイレ掃除の手間を減らすにはどうしたらいい?
「便器の汚れで一番厄介なのが、尿や水に含まれるカルシウムが固まって石のようになった尿石です。掃除のスパンが空き、飛び散った尿や水汚れが尿石の状態になってしまうと、落としにくく労力がかかります」(尾崎さん 以下同)
ということは、毎日こまめに掃除するのがベスト?
「そうです。毎日するといっても、便器は洗剤を吹きかけてブラシでこするだけでOK。トイレの床もこまめに使い捨てのおそうじクロスで拭き掃除するだけで大丈夫ですよ」
またトイレ内に物を置くとほこりが付いたり、飛び散った尿が付着したりして掃除する範囲が広がるため、そもそも物を置かないか戸棚にしまう方がいいそう。
尿石が付着した便器をキレイにするコツ
毎日の掃除が手間を減らすとわかっていても、忙しいと手が回らない場合も…。尿石が付いてしまった便器掃除のコツを教えて!
「尿石をこすって落とすのは大変ですが、酸性の洗剤で溶かすことができます。水100mlに対してクエン酸の粉を小さじ半分~1杯分ほど溶かしたクエン酸水を用意し、便器の汚れが強い所にトイレットペーパーを当ててその上からたっぷりかけて貼り付け、10分ほど放置します。そうすると、酸の力で尿石が溶けて柔らかくなります。そのあとトイレブラシやスポンジでこすれば簡単に取れます」
固いスポンジはNG! 手間が増える間違った掃除法
では家庭で見られる、かえって手間を増やしているような間違ったトイレ掃除ってどんなことがある?
「便器に付着して固くなった尿石や黒い輪じみを落とすために、紙やすりや研磨剤の入った固いスポンジで強くこする方がいますが、これでは便器に傷ができて、そこに汚れが入りやすい状態になってしまいます。また水回りの水垢を落とすときなどに便利なメラミンスポンジですが、便座のプラスチック部分に使うと同じく傷ができて汚れやすくなる上、艶がなくなってしまうのでNGです」
ちなみに、最近ではそもそも汚れにくいトイレが登場しているのだとか。
「例えば、ふちの部分に折り返しがない形状の便器があります。便器のふち裏は尿の飛び散りが付着しやすく黒ずみができやすい場所ですが、ブラシが届きにくく掃除のしにくい場所でもあります。このタイプの便器を選ぶと、掃除は楽になりますね。また使用後に除菌水を流し便器が自ら洗浄するタイプも、トイレ掃除の手間を減らしてくれますよ」
掃除するスパンが空いてしまうと、汚れが落ちにくくなるトイレ。こまめにしていればわざわざ掃除の時間を設けずに済みそうだ。自分がトイレを使ったときにサッと掃除して終わらせてしまおう!
(取材・文:石水典子 編集:南澤悠佳/ノオト)