眠れない夜を過ごす全ての人へ 「セキララマンガ」藍にいなさん独占インタビュー
この記事は「アリシー」から提供を受けて掲載しています

眠れない夜を過ごす全ての人へ 「セキララマンガ」藍にいなさん独占インタビュー

第13回 クリエイターインタビュー
新刊出版記念!
漫画家・藍にいなさんの新刊『セキララマンガ 眠れぬ夜に届け』(祥伝社刊/880円+税)が5月8日に発売! アリシーでの漫画連載当初から、20代女性の悩める心を繊細なタッチで描いてきた藍にいなさんに独占インタビューを行いました。
写真:高比良美樹

■初めての出版に対する想い

──出版おめでとうございます。初めての書籍出版ですが、率直なお気持ちを伺いたいです。

「私の脳内をそのまま描いたような『セキララマンガ』が、書籍化されて不思議な気持ちですね。もともとTwitterに投稿を始めた時も、こんなに多くの人に読んでいただけるようになるとは思っていなかったので、本当にありがたい気持ちです」

──今回、Twitterにアップしていた漫画の他に、描き下ろしが100ページもあるということですが、Twitter向けの漫画と書籍向けの漫画では、テーマの設定やメッセージなどに変わった点はありましたか? 

「Twitterではわかりやすい直接的な言葉を使った方が読まれるので、共感されやすそうなテーマや表現にすることが多いです。書籍化にあたっては私がもともと扱いたかった、現代人の生き方という大きなテーマや、自由という概念の話など複雑で抽象的なことを描きました。読んだ方が一回飲み込んで、解釈していくようなことを意識していました」
──書籍化でこだわったポイントはありますか?

「少しずつ繋がっているストーリー漫画を5編入れました。こういうオムニバス構成が作れるのは書籍ならではだと思います。ストーリーに乗せると、感情が伴ってメッセージが届きやすくなるので、ストーリーを大事にしていきたいんです。あとは先ほどのテーマ設定の部分ですね、複雑だったり抽象的だったりするものを、難しい言葉にならないように、読んでもらえるようにしたところです。そのバランスを取るのが難しかったけれど、Twitterと違うところだと思います」
──藍さんのマンガの中のセリフは、心にグサリと刺さるような、直接的な言葉が印象的なのですが、発信することは怖くなかったんでしょうか?

「怖さはないです。読んだ人がたとえ違う意見を持っていたとしても、それについて考えるきっかけになったらいいなと思っています」
(C)祥伝社「セキララマンガ」
──自信のない方の心に寄り添うような作品が印象的です。藍さんご自身も読者からの相談に乗る機会があると思いますが、その寄り添う力はどのように育まれたのでしょうか?

「うーん、特別なことはしていないので、もともとの性格によるものなんでしょうね。自分が提供できるものはやろうと思っている感じです。友人から相談されればアドバイスしますし、自分的に気になることがあれば言っちゃうんです。受験の話がありますが、自分が受験を経て得た教訓が、今の受験生の糧になったら良いなとか。お節介なところがあるのかもしれないですね。

もともと考えるのが好きなんです。『贅沢な悩み』という話がありますが、その概念がおもしろいと思っていて。他人と比べたり、ひがんでしまったりしているから出てくる、とても人間らしい心の動きだなと。そんなことを日々考えています」

──書籍の後書きにセキララマンガを描くようになった理由について「本音を隠していくうちに『このままじゃ自分の中に溜まった本音に押しつぶされてしまう』と思ったから」とありますが、漫画を描くことでご自身が救われているような面もあるんですね?

「消化しきれなかった感情をはき出しているような気持ちはあります。『セキララマンガ』を描くようになってから性格が変わったかもしれません。他人は他人と割り切れるようになりました。そのおかげで人それぞれの視点や意見を受け入れることが出来るようになりましたね」
(C)祥伝社「セキララマンガ」
──以前のアリシーのインタビューでは「友だちや家族から聞いた話、テレビで見たこと、実際に体験したことなど自分の人生の中で感じたことがそのままネタになっている」とお答えいただきましたが、およそ1年経って変化はありますか?

「最近ではTwitterのフォロワーさんから相談されたことの中から描くこともあります。『救われました』と言ってくださる方もいて、絵を描くモチベーションになっています」

■これからやってみたいこと

──昨年10月に展示会に参加されたり、今回の書籍の出版だったりと、クリエイターとして大きなイベントをクリアされましたが、これから挑戦してみたいことはありますか?

「もちろんもっとマンガを描いていきたいという気持ちもあります。ただ、1年近くこの本に費やしてきて、言葉を扱ってきたので、言葉によらない表現をしてみたいです。たとえば、音楽やイラストレーションは、言葉より直接的に感情に入っていけると思っているんです。今一番挑戦したいのは、言葉によらず、感情を動かす表現をすることです」

──新たな表現に挑む藍さんの今後の活躍が楽しみです。最後に読者へメッセージをお願いします。

「自信がない、何をしたいのかわからない、そんな風にネガティブな感情にとらわれて眠れない夜を過ごしている方に、少しでも寄り添える本になったら良いなと思っています」
(C)祥伝社「セキララマンガ」
書籍のサブタイトルは「眠れぬ夜に届け」。不安にかられて悶々とした夜を過ごしている人は、ぜひ「セキララマンガ」を手にとってみて。自分の思いを大切にし、自由に生きるための力になっていくのかもしれません。

<画像提供>祥伝社

(田中いつき+ノオト)
田中 いつき
田中 いつき
三十路のライター。年を取って、自分を好きになってきたかも。焼きマシュマロが好物。 あとは、コーヒーとチョコとアイスとパンがあれば生きていける。 趣味は散歩と昼寝。悩みは足が大きいこと。 料理、コスメ、雑貨、生き物の話題が好き。
三十路のライター。年を取って、自分を好きになってきたかも。焼きマシュマロが好物。 あとは、コーヒーとチョコとアイスとパンがあれば生きていける。 趣味は散歩と昼寝。悩みは足が大きいこと。 料理、コスメ、雑貨、生き物の話題が好き。
女性向けに情報を発信するWebメディア「アリシー」は、2019年6月13日をもってサービスを終了しました。グルメやファッション、マンガ・エッセイなどアリシーの一部コンテンツは、姉妹サイト「ママテナ」に移管しております。引き続きお楽しみください。
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