“バズ”と“ブランディング”を最大限に生かして、食への理解を広めていきたい〜リュウジさん×つくりおき食堂まりえさん対談・後編〜
この記事は「アリシー」から提供を受けて掲載しています

“バズ”と“ブランディング”を最大限に生かして、食への理解を広めていきたい〜リュウジさん×つくりおき食堂まりえさん対談・後編〜

\ 料理ができるとモテる!? /
リュウジさんとつくりおき食堂まりえさんのグルメインフルエンサー対談・後編!
アリシーでレシピを公開中の人気料理研究家、リュウジさんとつくりおき食堂まりえさん。対談後編では、“バズ”を生むために二人が心がけていることから、料理がちょっぴり苦手なアリシー女子へのアドバイスまで、たっぷりお話いただきます。

■理解者を増やしてくれるのが“アンチ”の存在

——10万人以上のフォロワーがいるお二人にとって、Twitterという場が主戦場になっているように思いますがいかがでしょう。

まりえ:今はもっぱらレシピを発信する場になっていますが、もともとは普通の育児アカウントだったんです。夫に対する軽い愚痴や、子どもの成長についてつぶやくような。同じように育児をしている方々と交流しながら、楽しんで使っていました。それが、ブログを発信してある程度フォロワーが増え始めてから、タイムラインの様子が変わり出して……。

リュウジ:クソリプですか……?

まりえ:そうなんです。ある日何気なく夫への愚痴をつぶやいたら、予想もしなかった角度から批判をされて、ちょっと凹んで。フォロワーが5000人を超えたあたりからは、発信した言葉が意図していない方向へ伝わることが増えてしまい……。“アンチ”が湧いてきていると感じたので、それ以降プライベートについてはつぶやかないようになりました。

リュウジ:僕もアンチからのバッシングはものすごいですよ。「味覚障害の料理研究家」って言われたりしますからね(苦笑)。でも僕、アンチはいた方がいいと思っているんですよ。

まりえ:え、なんでですか?

リュウジ:アンチがいた方が、周りの人が関心を持ってくれるからです。「なんかこの人叩かれているみたいけどどうしてだろう?」って。だからアンチは理解者を増やすための大事な要素なんです。「僕は世界初の味覚障害の料理研究家です!」って切り返したら、すごい数のいいね! がつきましたからね。

■バズを生む料理研究家はコピーライターもこなす

まりえ:なるほど、そう考えると前向きになれるかも……。そうだ、私ずっとりゅうじさんに聞きたいことがあったんです。Twitterでバズるレシピの傾向って、何かありますか?

リュウジ:正直、レシピだけでバズるということはほとんどなくて、面白い文章と組み合わせることで初めてバズが生まれると思います。「すごく美味しいので作ってみてください」では、なかなか拡散されない。感覚として僕は、料理研究家とコピーライターを兼ねているような感じです。

——具体的には、どんなコピーがバズったのですか?

リュウジ:最近バズったカレーのレシピに書いたのは、「我が家のカレーがこれになってしまったと多方面からクレームをいただいた」というコピーですね。レシピ自体はもっと前に発表していたものなんですが、作った方から実際に言われたこのコピーを添えたことで、再度バズったパターンです。他には、最近ワールドカップで大流行した「●●半端ないって」というワーディングでレシピを解説した「高槻名物うどん餃子」ですね。「高槻名物うどん餃子半端ないって」っていうフレーズでバズりました。

まりえ:すごい、時事ネタまで取り入れているんですね。私の場合は正攻法で、「これまで鍋やフライパンで作っていたメニューが、レンジでこんなに簡単にできますよ」という意外性を打ち出すことで話題になることが多いです。

リュウジ:確かにまりえさんのレンジ調理法は、主婦層にはすごく届きやすいですよね。

まりえ:そうですね。レシピを紹介する時は、テレビの情報番組の中のお得情報コーナーをイメージしています。バズったレシピ「レンジで90秒! 子供がよろこぶ超簡単フレンチトースト」は、材料を混ぜてレンジに入れて待つだけなんです。忙しいけれど料理がしたいという人が目にしたとき、純粋に「簡単そうだし洗い物も減るしいいな」って思ってもらうことを大事にしていますね。

■セルフブランディングで強みを生かす

——いいレシピを紹介するだけでなく、アプローチの手段にまで気を使われているんですね。そんな努力が実って、お二人のレシピは書籍化もされました。

リュウジ:僕は自分の本を出すのが夢だったので、一作目の「お手軽食材で失敗知らず! やみつきバズレシピ」(扶桑社)が出た時は、もうこれで力尽きても構わないと思いました。でもTwitterでフォロワーさんたちとやり取りしているうちに、食に対するおかしな誤解や偏見がはびこっているな、ということに気付き始めて。段々怒りがこみ上げてきたんです。

まりえ:確かに料理の世界、そういう側面もありますよね……。

リュウジ:それで、こんな理不尽に立ち向かうためには、書籍の出版も含め、やれるだけのことを全部やっていきたいと思ったんです。“料理研究家”としていつか本格派の料理に挑戦したいという気持ちもあるんですが、それより今は“インフルエンサー”としてもっと大きくなりたい。

まりえ:確かにセルフブランディングってすごく大事ですよね。私は『忙しい人専用 「つくりおき食堂」の超簡単レシピ 』(扶桑社) を出版する前から、ブログで「つくりおき食堂」というタイトルを使っているんですけど、タイトルには本当にこだわりました。

リュウジ:とても親しみやすいタイトルですよね。

まりえ:「つくりおき」っていうワードを入れたいけど、絶対に他の人とは被らないようにしたくて……。寝る直前に「つくりおき食堂」っていうワードがパッと降りてきて、飛び起きてググったところ一件もヒットしなかったので「よし、もらった!」と思って。その時は本当に嬉しかったです。

リュウジ:料理を作って発信しているだけなら、誰にでもできますからね。たとえレシピが底を突くことがあっても、自分をブランド化することができていれば、ずっと生き延びていけますから。

■料理ができる人はやっぱり「モテる」

——ここまでお二人の仕事観を聞かせていただき、ますますファンになりました! 最後になりますが、アリシー読者に向けて「料理ができると、こんないいことがある!」という励ましのメッセージをいただけますか?

リュウジ:何か新しいことを始めたい人にとっては、料理って一番敷居が低いコンテンツだと思います。何といっても技術がいらない。レシピ通りに作れば誰にでもできちゃうので。しかも僕やまりえさんのレシピなら、コンビニの食材だけで作れるものも結構あるし……。まずはとりあえず一品作れるようになると、「料理のできる人」になれるので自信がつくと思いますよ。友達が遊びに来た時に、僕のアボカドのカルボナーラを振る舞えば「すごくない?」って絶対に驚かれますから。

まりえ:私からのメッセージは「料理ができるとやっぱりモテます!」ですね。いきなりキャラが変わったぞ!? と思われるかもしれませんが(笑)。得意な料理が一品でもあれば自信がつきますし、料理を軸にした交友関係が広がります。そこからいい出会につながるかもしれません。実体験に基づきますが、一度胃袋を掴んでしまえば強いです。本当に料理ができて損することって何もないので、ぜひ強みにして欲しいなと思います。
(編集後記)
対談の後、ちょっぴりずぼらなアリシー読者を代表して「冷蔵庫にほとんど食材がない時にさっと作れる簡単レシピ」をお聞きしたところ、もやしを使ったとっておきメニューを教えてくださいました!

■リュウジさんオススメ「ホットもやし」

◆材料
もやし……200g
一味唐辛子……小さじ1/2
ごま油……20cc
白だし……20cc
塩……小さじ1/3
味の素……3振り
おろしにんにく……少々
炒りごま……少々

<作り方>

1.もやしをザルにあけ、熱湯をかけて水気を絞っておく。
2.ボウルに移し、一味唐辛子小さじ、ごま油、白だし、塩、味の素、おろしにんにく、炒りごまを加え混ぜればできあがり。

ラーメンやご飯にのせるといくらでもいけちゃいます!(リュウジさん)

■まりえさんオススメ「もやしのマヨポン・おかか和え」

◆材料(3人分)
もやし……1袋
しそ……4枚
かつお節……1/2パック
ポン酢……大さじ1
マヨネーズ……小さじ1
塩……ひとつまみ

<作り方>

1.もやしは耐熱ビニール袋に入れ、塩を入れてざっくり混ぜ、袋の口を開けたまま600Wのレンジで2分加熱する。
2.袋の上から手で絞り、出てきた水分を捨てる。(熱いのでふきんなどを使う)
3.器にもやしと細切りにしたしそ、かつお節、ポン酢、マヨネーズを入れてよく混ぜてできあがり。

人気のつくりおき常備レシピ。あっさりしていて食べやすいお惣菜です。(まりえさん)
それぞれの個性が光る絶品もやしレシピ、ぜひ挑戦してみてくださいね。
(波多野友子+アリシー編集部)
アリシー 編集部
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アリシー編集部は、30代を目前に漠然とした不安を抱くも、なかなか一歩前に踏み出せない女性(=いもむし女子)に向けて、いつもの日常がちょっと豊かになるようなコンテンツを提案しています。きっと自分らしい生き方を見つけるきっかけになるかも。
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女性向けに情報を発信するWebメディア「アリシー」は、2019年6月13日をもってサービスを終了しました。グルメやファッション、マンガ・エッセイなどアリシーの一部コンテンツは、姉妹サイト「ママテナ」に移管しております。引き続きお楽しみください。
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