秋冬になると、なぜか急にやる気がなくなる。寝ても寝ても眠くて、起きられない。食欲が止まらなくて、甘いものを食べ続けてしまう……。そんなことはありませんか?
そうした症状が続くようなら、もしかすると「冬季うつ」かもしれません。冬季うつとは一体どんな病気なのか、普通のうつ病とどう違うのか……などなど、気になることを心療内科医の山田洋太先生に聞いてきました。
そうした症状が続くようなら、もしかすると「冬季うつ」かもしれません。冬季うつとは一体どんな病気なのか、普通のうつ病とどう違うのか……などなど、気になることを心療内科医の山田洋太先生に聞いてきました。
■冬季うつの主な症状は「過食」「過眠」
──そもそも「冬季うつ」とは、どんな病気でしょうか?
「冬季うつとは、『季節性うつ病』の1つです。秋から冬にかけての間だけうつ病の症状が出て、春に入ると症状が良くなります」
──症状は一般的なうつ病と同じですか?
「普通はうつ病と聞くと、食欲低下や不眠などの症状を思い浮かべる人が多いかと思いますが、冬季うつの場合は逆に、食欲増強や過眠といった症状が出ます」
──「眠れない」「食べられない」ではなく、「寝すぎ」「食べすぎ」になるのが冬季うつなんですね……。
「なかでも過食では、特に『甘いものを無性に食べたくなる』という症状が見られるのが大きな特徴です。
常識を超えるほど大量にチョコレートなどの甘いものを食べ続け、さらに過眠で1日10時間寝てもまだ起きられない……といった生活になり、肥満してしまう人もいますね」
「冬季うつとは、『季節性うつ病』の1つです。秋から冬にかけての間だけうつ病の症状が出て、春に入ると症状が良くなります」
──症状は一般的なうつ病と同じですか?
「普通はうつ病と聞くと、食欲低下や不眠などの症状を思い浮かべる人が多いかと思いますが、冬季うつの場合は逆に、食欲増強や過眠といった症状が出ます」
──「眠れない」「食べられない」ではなく、「寝すぎ」「食べすぎ」になるのが冬季うつなんですね……。
「なかでも過食では、特に『甘いものを無性に食べたくなる』という症状が見られるのが大きな特徴です。
常識を超えるほど大量にチョコレートなどの甘いものを食べ続け、さらに過眠で1日10時間寝てもまだ起きられない……といった生活になり、肥満してしまう人もいますね」
■冬季うつは、日照時間と関係がある
──なぜ秋冬の間だけそうした症状が出て、春になると終わるのでしょうか?
「冬季うつは、日が当たる時間、日照時間と関係すると言われています。
日中に日光を浴びると、夕方にかけてメラトニンというホルモンが分泌され、睡眠を促してくれます。従って、日照時間が短くなってくる秋から冬にかけては睡眠のリズムが崩れ、うつ病の症状が発生しやすくなるのです」
──陽の光を浴びれば、予防できますか?
「そうですね。意識して日光を浴びる方法として、朝起きたらまずカーテンを開ける、というのは有効だと言われています。晴れの日はもちろん、曇りの日でも良いですよ」
──電車やカフェの席などで窓際に座る、というのはどうでしょうか?
「それらについて特にエビデンスはありません。ただ、ご本人がそれで元気になれると感じたのなら、続けてみるといいかもしれません。『こうすると元気が出る』というスイッチは人それぞれですから」
「冬季うつは、日が当たる時間、日照時間と関係すると言われています。
日中に日光を浴びると、夕方にかけてメラトニンというホルモンが分泌され、睡眠を促してくれます。従って、日照時間が短くなってくる秋から冬にかけては睡眠のリズムが崩れ、うつ病の症状が発生しやすくなるのです」
──陽の光を浴びれば、予防できますか?
「そうですね。意識して日光を浴びる方法として、朝起きたらまずカーテンを開ける、というのは有効だと言われています。晴れの日はもちろん、曇りの日でも良いですよ」
──電車やカフェの席などで窓際に座る、というのはどうでしょうか?
「それらについて特にエビデンスはありません。ただ、ご本人がそれで元気になれると感じたのなら、続けてみるといいかもしれません。『こうすると元気が出る』というスイッチは人それぞれですから」
■自己判断は難しい
──冬季うつになったかどうか、自分で判断する方法はありますか?
「冬は1年に1回しか来ないので、冬季うつかどうかは、数年経たないとわかりません。毎年、仕事でもプライベートでも大きな環境変化がないのに、いつも秋から冬にかけて意欲が下がる、寝たりない、炭水化物や甘いものを摂りすぎて体重が増えてしまう……といった特徴があれば、冬季うつの可能性があります」
──恋人がおらず、クリスマス前に決まって気分が落ち込むという場合は……。
「その場合は、ご本人が憂鬱になる原因をある程度は認識しているはずなので、大丈夫だと思います(笑)。
ただ、女性の場合は月経前症候群や甲状腺ホルモン異常、鉄欠乏性貧血といった他の病気がうつ病の症状に似ていることもあるので、やっぱり自己判断は難しいですね」
──受診するか否か迷った場合の、ボーダーラインがあれば教えてください。
「たとえば、通勤できないとか、会議に出たら周囲から見られている気がして居ても立ってもいられないとか、社会人生活に支障が出てきたら病院に行くのが大原則です。
目安として、早退・遅刻・欠勤などが月に3日以上あった場合は、一度病院に行ってコンディションの評価をしてもらうと良いでしょう。症状によっては、光照射療法や抗うつ薬による治療が行われるかもしれません」
「冬は1年に1回しか来ないので、冬季うつかどうかは、数年経たないとわかりません。毎年、仕事でもプライベートでも大きな環境変化がないのに、いつも秋から冬にかけて意欲が下がる、寝たりない、炭水化物や甘いものを摂りすぎて体重が増えてしまう……といった特徴があれば、冬季うつの可能性があります」
──恋人がおらず、クリスマス前に決まって気分が落ち込むという場合は……。
「その場合は、ご本人が憂鬱になる原因をある程度は認識しているはずなので、大丈夫だと思います(笑)。
ただ、女性の場合は月経前症候群や甲状腺ホルモン異常、鉄欠乏性貧血といった他の病気がうつ病の症状に似ていることもあるので、やっぱり自己判断は難しいですね」
──受診するか否か迷った場合の、ボーダーラインがあれば教えてください。
「たとえば、通勤できないとか、会議に出たら周囲から見られている気がして居ても立ってもいられないとか、社会人生活に支障が出てきたら病院に行くのが大原則です。
目安として、早退・遅刻・欠勤などが月に3日以上あった場合は、一度病院に行ってコンディションの評価をしてもらうと良いでしょう。症状によっては、光照射療法や抗うつ薬による治療が行われるかもしれません」
■大切なのは、自分で不調に気づくこと
──軽い症状の場合、病院へ行かずとも自分でなんとかできますか?
「睡眠時間を多くしたり、予定を詰め込みすぎずにゆったりできる時間をつくったり、といった工夫で悪化を防ぐことはできます。
ただ、何よりも大切なのは、まず自分自身で『冬は不調になりやすい』と気づくことです。なんとなく『私は冬が苦手だわ』ということだけでも分かっていれば、症状が出る前から心構えができ、自分でコンディションを調整できるようにもなるでしょう」
──最後に、アリシー読者のアラサー女子へメッセージをお願いします。
「女性は30歳前後で仕事のキャリアや結婚、出産、親の病気など様々なことに悩みます。ぜひ、自分のことについて相談できる人を見つけて、定期的にセルフコンディショニングをしてください。第三者と話すことで課題が整理されたり、モヤモヤが晴れたりしますから。
相談相手が近すぎる友人ですと、逆に話しづらかったり、相手と比べて『自分ももっと頑張らなきゃ』と思ってしまったりするかもしれません。そういう場合は、対面や電話のカウンセリングもぜひ有効活用してくださいね」
「睡眠時間を多くしたり、予定を詰め込みすぎずにゆったりできる時間をつくったり、といった工夫で悪化を防ぐことはできます。
ただ、何よりも大切なのは、まず自分自身で『冬は不調になりやすい』と気づくことです。なんとなく『私は冬が苦手だわ』ということだけでも分かっていれば、症状が出る前から心構えができ、自分でコンディションを調整できるようにもなるでしょう」
──最後に、アリシー読者のアラサー女子へメッセージをお願いします。
「女性は30歳前後で仕事のキャリアや結婚、出産、親の病気など様々なことに悩みます。ぜひ、自分のことについて相談できる人を見つけて、定期的にセルフコンディショニングをしてください。第三者と話すことで課題が整理されたり、モヤモヤが晴れたりしますから。
相談相手が近すぎる友人ですと、逆に話しづらかったり、相手と比べて『自分ももっと頑張らなきゃ』と思ってしまったりするかもしれません。そういう場合は、対面や電話のカウンセリングもぜひ有効活用してくださいね」
冬季うつは20〜30代女性に多いそうですが、その理由はまだ分かっていないそうです。
「冬は苦手」「寒いのが苦手」という自覚がある方は、特に要注意。家族でも友人でもパートナーでも、ぜひ自分の話を聞いてもらえる相手を見つけて、定期的に頭の中を整理しておきましょう。
また、もしもボーダーラインを越えてしまった場合は、すみやかに心療内科を受診してくださいね。
(谷村あすか+アリシー編集部)
「冬は苦手」「寒いのが苦手」という自覚がある方は、特に要注意。家族でも友人でもパートナーでも、ぜひ自分の話を聞いてもらえる相手を見つけて、定期的に頭の中を整理しておきましょう。
また、もしもボーダーラインを越えてしまった場合は、すみやかに心療内科を受診してくださいね。
(谷村あすか+アリシー編集部)
谷村あすか
東京と埼玉のはざまに住んでいる、フリーのライター・編集者。
趣味はTwitterで息子(5歳)や夫との日常を綴ること。最近ややツイ廃気味。
月1で少女漫画(別マ)を読むのをいちばんの楽しみにしている。
東京と埼玉のはざまに住んでいる、フリーのライター・編集者。
趣味はTwitterで息子(5歳)や夫との日常を綴ること。最近ややツイ廃気味。
月1で少女漫画(別マ)を読むのをいちばんの楽しみにしている。
女性向けに情報を発信するWebメディア「アリシー」は、2019年6月13日をもってサービスを終了しました。グルメやファッション、マンガ・エッセイなどアリシーの一部コンテンツは、姉妹サイト「ママテナ」に移管しております。引き続きお楽しみください。
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離島医療を経験後、慶応ビジネススクール修了。在学中にiCARE創業、卒業後潰れた病院の経営企画室長として単月黒字化に成功。その後、多くのIT企業の産業医として、iCAREのCEOとして働くひとと組織の健康創りを邁進。厚生労働省「柔軟な働き方検討会、VDT検診見直し検討会」にも委員として参加。テレビ出演もするなど、働くひとの健康創りのプロとして活躍中。