誤ったスキンケアで「乾燥性皮膚炎」に!? 冬こそ正しい保湿対策を
この記事は「アリシー」から提供を受けて掲載しています

誤ったスキンケアで「乾燥性皮膚炎」に!? 冬こそ正しい保湿対策を

\ゴシゴシ洗い&長風呂は要注意/
冬になると、お肌の乾燥が気になる人も多いはず。乾燥は美肌の大敵なので、この時期は特にスキンケアを念入りに行いたいですよね。

しかし、よかれと思って丁寧にやっているスキンケアが、もしもお肌に余計な負担をかけているとしたら……。

実は、間違ったスキンケアを続けるとかえって肌荒れが進行し、「乾燥性皮膚炎」になってしまう可能性もあるのだとか。何が原因で発症するのか、またどんなケアがNGなのか、「美肌菌」の命名者でもある皮膚科医の出来尾格先生に伺いました。

正しい保湿対策や肌にやさしい化粧水選びのポイントなども教わってきましたので、乾燥肌でお悩みの方は要チェックですよ!

■乾燥性皮膚炎は、普通の人でもなる

──まず、「乾燥性皮膚炎」とはどのような疾患でしょうか?

「空気の乾燥によって乾燥肌が進行し、皮膚が炎症を起こしてしまうと、乾燥性皮膚炎になります。肌が炎症を起こして、赤くなったりかゆくなってしまう状態ですね。特に、油分が少なく乾燥しやすい腕やスネなどに出やすいです」

──アトピーとはの違いは何ですか?

「アトピーは、『乾燥+アレルギー』で発症します。アレルギーの原因は、食べ物やダニ・埃など。通常これらのアレルギーを持っている人がアトピーになります。一方、乾燥性皮膚炎の原因はただの乾燥です。だからアトピーと違って、きちんと保湿ケアをすればすぐに治ります」

──逆に言えば、乾燥性皮膚炎は普通の人でもなる、ということですか?

「はい。乾燥性皮膚炎は誰でもなる可能性があります。特に今は空気の乾燥がどんどん進んでいる時期ですし、乾燥した空気を暖めるとさらに乾燥するので注意が必要です」
──となると、やはり患者さんが増えるのは冬ですか?

「11月〜2月ぐらいまでが多いですね。早い人は10月中旬ぐらいから『体がかゆい』と言って皮膚科を受診されます。

まあ、普通にお肌を大事にしていれば、20〜30代で乾燥性皮膚炎になることはまずないんですけどね」

■角質を傷つけると、バリア機能が低下する

──では、どういう人が乾燥性皮膚炎になるのでしょう?

「たとえば、お風呂で体をこすりすぎてしまう人。実は、お肌の表面にある角質にはラップと同じくらいの保湿力があるんですが、50分の1ミリしかない非常に薄い膜なので、こすると垢としてすぐ取れてしまうんです。角質が削り取られるとバリア機能が低下するので、お肌の水分が蒸発して乾燥性皮膚炎になってしまうことは十分にあり得ます。

また、毛を剃る時や脱毛クリームを使う時にも角質を剥がしてしまうことがあるので、そうした原因も考えられますね」

──逆に、どうすればお肌の乾燥を防げますか?

「お風呂で体を洗う時はナイロンタオルを使わないでください。本当は、綿のタオルで洗うのもオススメできません。手や顔を洗うように、体も手でやさしく洗ってあげましょう」

■長風呂はお肌にNG。さっとシャワーが◎

──お風呂ではきちんと湯船に浸かるほうが、保湿効果は高まりますか?

「そんなことはありません。長風呂すると角質がふやけてしまうので、かえって湯上がりにお肌から水分が逃げやすくなります。また、保湿成分の1つであるセラミドには水に溶ける性質があり、長風呂するとセラミドが肌から出て行ってしまうので、非常にもったいないです」

──知りませんでした……。

「湯船に浸かると血行が良くなる、リラックスしてストレスが減る、といった効果もあるので、一概にダメとは言いませんが。お肌を最優先にするなら、『手に泡石鹸をつけて、シャワーでさっと流して終了』が一番です」

■化粧水は「エタノール」と「尿素」に注意

──顔の乾燥対策はどうしたらいいですか?

「基本的にお顔は油分が多い場所なので、乾燥性皮膚炎にはなりません。お顔の乾燥が気になる時は、間違ったスキンケアをしていることがほとんどなので、化粧水や洗顔方法を見直してみましょう」

──化粧水を選ぶポイントはありますか?

「『顔から粉がふいて困る』という人は、エタノールが入っていない化粧水を選ぶといいですよ。エタノールが入っていると、肌の表面に水分を浸透させる際に、角質の膜に微細な傷ができてしまいます。お肌の丈夫な人なら『しっとりする〜』で終わりますが、お肌の弱い人だと逆にカサカサの要因になるんです。

また、似たような理由で、尿素も避けたいところ。尿素は肌の表面をちょっぴり溶かしてしっとりさせるので、塗った時にチクチクする人は使わないほうがいいでしょう」

■「美肌菌」を味方につけよう

──他にも、すぐに実践できるスキンケアがあれば教えてください。

「お肌にはもともと、内側から保湿物質を分泌してくれる『美肌菌』という雑菌が住んでいます。美肌菌は角質の細胞と細胞のスキマに入ってお肌に潤いをもたらすとってもいいヤツなんですが、洗顔をしすぎるとこの美肌菌が洗い流されてしまうので、洗顔料を使うのは1日1回にしましょう。

ちなみに、ヨーグルトのホエイ(上ずみ液)には美肌菌を増やす成分が入っているので、ホエイでパックをするのはすごくオススメです。乳酸菌の分泌物でケミカルピーリング作用が少しあるので、毎日やると肌が傷んでしまいますが、週に1〜2回やるとかなりお顔の美肌菌が増えますよ」
秋冬にかかりやすい乾燥性皮膚炎ですが、実は正しいケアでしっかり保湿をしておけばそこまで怖くない、ということがわかりました。

これからの季節、ますます空気の乾燥が進みますが、正しいスキンケアを実践して、乾燥知らずのお肌でこの冬を乗り越えましょう!

(谷村あすか+アリシー編集部)
谷村あすか
谷村あすか
東京と埼玉のはざまに住んでいる、フリーのライター・編集者。 趣味はTwitterで息子(5歳)や夫との日常を綴ること。最近ややツイ廃気味。 月1で少女漫画(別マ)を読むのをいちばんの楽しみにしている。
東京と埼玉のはざまに住んでいる、フリーのライター・編集者。 趣味はTwitterで息子(5歳)や夫との日常を綴ること。最近ややツイ廃気味。 月1で少女漫画(別マ)を読むのをいちばんの楽しみにしている。
女性向けに情報を発信するWebメディア「アリシー」は、2019年6月13日をもってサービスを終了しました。グルメやファッション、マンガ・エッセイなどアリシーの一部コンテンツは、姉妹サイト「ママテナ」に移管しております。引き続きお楽しみください。
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