カラコンの誤使用で感染症に? 身近に潜む目の病気
この記事は「アリシー」から提供を受けて掲載しています

カラコンの誤使用で感染症に? 身近に潜む目の病気

第9回 知っておきたい病気・健康のはなし
最悪の場合、失明する可能性も?
手軽にオシャレを楽しめる、カラーコンタクトレンズ。しかし、衛生管理を怠ったり使用法を守らないと感染症になる危険性があり、症状が悪化すると失明する場合もあるのだとか。カラコンが引き起こす感染症について、あまきクリニック院長の味木幸先生にお話を伺いました。

コンタクトを使う人なら、誰でも感染症になる可能性あり

──カラコンの使用法を間違えると、どのような病気になる可能性がありますか?

「角膜潰瘍や角膜浸潤という病気になる可能性があります。角膜は一番上の上皮、真ん中の実質、そして内皮の三層に分かれているのですが、上皮から実質まで細菌感染などを起こしている状態が角膜潰瘍です。治っても目に傷跡が残るので、ものを見る質が落ちてしまいます。

角膜浸潤は、コンタクトを着けている人なら誰にでも起こる可能性がある病気です。目の酸欠状態や体調が悪い、コンタクトをつけている時間が長いなどの条件が揃った時に、細菌が原因で目に炎症を起こしてしまいます。さらに、重症化すると角膜潰瘍になる場合もありますね」

──角膜潰瘍になると、まずどんな症状が表れますか?

「充血したり、目やにが増えたりします。また、コンタクトを着けていることがツラい、目が乾いた感じがするなどの症状が表れます。その状態のまま我慢してコンタクトを着けていると、最終段階として目の痛みが出てきます。

そして行き着く先が、角膜潰瘍です。早めに眼科を受診すれば角膜潰瘍を未然に防ぐことができるので、充血や目やにの症状が出てきた段階で病院で受診しましょう」

■角膜潰瘍が悪化すると、失明する可能性も!?

──角膜潰瘍で目に傷跡が残ると、どういう影響があるのですか?

「場所と大きさによりますが、潰瘍が大きいと乱視になってしまうことがあります。また、目の中心が角膜潰瘍になると、失明してしまう可能性もあります。最悪の場合は眼球に穴が空いてしまい、本当の失明になる可能性もありますから非常に危険です」

──本当の失明とはなんでしょうか?

「失明には社会的失明と、本当の失明の2種類があります。本当の失明というのは、光を認識できず、外観的にも目に違和感が見られたり、義眼を入れなくてはいけなくなったりするような状態です。

社会的失明というのは、光の認識はできており、視力も0.01以上はあるけれど、社会的には役に立たない目になる状態を指します。潰瘍による社会的失明は、角膜移植手術をするしか治す方法はありません」

■コンタクトの長時間使用は危険。細菌による病気を防ぐには?

──角膜潰瘍や角膜浸潤はなぜ起こってしまうのでしょうか?

「菌によって引き起こされます。体には自分が絶えず持っている菌があり、目の表面にも菌は存在しています。コンタクトを使わない人は菌がいても眠っている状態で、パソコンに例えるといわゆるスリープ状態です。それに比べてコンタクトをしている人の細菌はスタンバイ状態になっていると言われていて、条件が揃うと菌が病気を引き起こしてしまいます」

──病気を引き起こす条件というのはなんでしょうか?

「目の酸欠状態やコンタクトを着けている時間が長い、体調が悪いなどが挙げられます。

コンタクトの着用時間は、ソフトレンズで10時間、ハードレンズで12時間と書かれています。しかし実際にはその時間をオーバーしても着けている人がほとんどです。目のコンディションが悪い時であれば、3〜4時間でコンタクトを外しましょう」

■細菌を繁殖させないために、ケースを清潔に保つことが大切

──菌による病気を防ぐためにはどうすればいいのでしょうか?

「2ウィーク以上のつけ置き洗浄タイプのコンタクトを使用していると、ケースの中に菌やアメーバが繁殖していることが多いのでケースの管理が重要です。

3ヶ月に1回ケースを買い換えるか、ケースの洗浄をしてください。ケースを洗浄する場合は乾かす作業が必要なので、ケースをあらかじめ2つ持ち、交互に使うといいでしょう」

──洗浄とは、水で洗い流す程度でいいのでしょうか?

「コンタクトの洗浄液とスポンジを使いましょう。細かい部分は歯ブラシを使って隅々まで洗って乾かしてください。ケースをきちんと洗浄して使用すれば、病気になる確率は低くなります」

──他に予防法はありますか?

「コンタクトをしていると乾き目になるので、目薬を使いましょう。点眼することで菌が逃げていくので、菌対策になります。市販の抗菌目薬や保湿目薬でもいいので、目の潤いを保つことが大切です」

■コンタクトは病院で処方してもらうのがおすすめ

──カラコンが欲しい場合、市販のものを購入するのは危険でしょうか?

「厚労省が認可していない雑貨としてのカラコンを購入するのは危険です。厚労省が認可しているコンタクトを病院で購入しましょう。カラコンや瞳孔領に沿ってデザインが印刷されているサークルレンズと言われるものも医者を通じて購入できます。

量販店で販売しているコンタクトに関してはどんな液に浸かっているのか分からず、トラブルが多発しているので危険なものも多いでしょう。後者に関してはきちんと眼科医が処方すれば問題ないということになっています」

──どのようにコンタクトを選ぶといいでしょうか?

「医師を経由して購入をしましょう。コンタクトの種類によってカーブや材質が違うので、自分に合わないものを使用していると、頭痛や病気を引き起こす可能性もあります。

そのため病院を受診し、自分に合ったものを選んでください。コンタクトによって見え方も違うので、病院で様々な種類やデザインのものの中から選ぶのがおすすめです」
市販でも簡単に手に入るカラコンですが、誤った使い方は危険です。病院で自分に合ったレンズを処方してもらい、安全にオシャレを楽しみましょう。ケースを清潔に保つ、目薬をさすなどして感染症を未然に防ぐことも大切です。

(辻野祐馬+アリシー編集部)
アリシー 編集部
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アリシー編集部は、30代を目前に漠然とした不安を抱くも、なかなか一歩前に踏み出せない女性(=いもむし女子)に向けて、いつもの日常がちょっと豊かになるようなコンテンツを提案しています。きっと自分らしい生き方を見つけるきっかけになるかも。
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女性向けに情報を発信するWebメディア「アリシー」は、2019年6月13日をもってサービスを終了しました。グルメやファッション、マンガ・エッセイなどアリシーの一部コンテンツは、姉妹サイト「ママテナ」に移管しております。引き続きお楽しみください。
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