女性の身体の悩みとして挙げられることが多い便秘。症状は人それぞれで、お腹の張りや痛みに悩む人もいれば、数日出ていないけど何ともない人もいますよね。すぐ出したいとは思うけど、便秘薬に頼って良いの? なんて疑問に思ったことはありませんか。
今回は、松島ランドマーククリニック院長の松村奈緒美先生にお話を聞いてみました。
今回は、松島ランドマーククリニック院長の松村奈緒美先生にお話を聞いてみました。
■女性特有の骨格やホルモンバランスも影響
──便秘とはどのような症状でしょうか?
「実は正式な定義はありませんが、一般的には排便が週3回未満、便を出すのに苦労している、残便感やお腹の張りなどの症状がある場合を指します。しかし、どれも必要十分条件は満たしていません。例えば、排便の回数が少なくても、食欲があり、楽にスルッと出て、普段お腹の張りなどの症状がなければ必ずしも便秘とは言えないと考えられています。
便の回数が少ないことが問題であれば、便(になるもの)の量が少ない、腸の動きが弱い・正しく動いてないということですし、出しにくいということなら出始めの便が硬い、肛門が狭い、直腸が拡がっている、筋肉の動きが正しくない、何かが便の出を邪魔している、などの原因が考えられます」
──男性より女性が便秘になりやすいのはなぜでしょうか?
「女性の方が便秘になりやすいかどうかはともかく、女性に便秘が多いということは言えます。考えられる原因、要因は以下の通りです」
・ダイエットなどでそもそもの食事量が少ない
・朝食を食べない、運動量が少ない、不規則な生活、ストレスなどから腸の動きが悪い
・生理前のホルモンバランスの変化
・妊娠出産による骨盤底筋の機能の変化
・痩せるためなどの理由で刺激性下剤を安易に常用した結果、下剤を飲まなければ出ない
・直腸の前の壁(膣と直腸の間の壁)が薄いため、硬い便だとその壁を直腸側から膣の方へ便が押されてしまうことがある(この場合、膣の壁を指で直腸の方へ押して支えてやると排便しやすくなる)
・男性よりも骨盤が大きく、直腸が拡がるスペースがあるため、そこに便がつまってくると肛門の開く大きさよりも更に大きな便ができてしまう。便が軟らかければ良いが、それが固いと肛門にひっかかって出にくくなる など
「実は正式な定義はありませんが、一般的には排便が週3回未満、便を出すのに苦労している、残便感やお腹の張りなどの症状がある場合を指します。しかし、どれも必要十分条件は満たしていません。例えば、排便の回数が少なくても、食欲があり、楽にスルッと出て、普段お腹の張りなどの症状がなければ必ずしも便秘とは言えないと考えられています。
便の回数が少ないことが問題であれば、便(になるもの)の量が少ない、腸の動きが弱い・正しく動いてないということですし、出しにくいということなら出始めの便が硬い、肛門が狭い、直腸が拡がっている、筋肉の動きが正しくない、何かが便の出を邪魔している、などの原因が考えられます」
──男性より女性が便秘になりやすいのはなぜでしょうか?
「女性の方が便秘になりやすいかどうかはともかく、女性に便秘が多いということは言えます。考えられる原因、要因は以下の通りです」
・ダイエットなどでそもそもの食事量が少ない
・朝食を食べない、運動量が少ない、不規則な生活、ストレスなどから腸の動きが悪い
・生理前のホルモンバランスの変化
・妊娠出産による骨盤底筋の機能の変化
・痩せるためなどの理由で刺激性下剤を安易に常用した結果、下剤を飲まなければ出ない
・直腸の前の壁(膣と直腸の間の壁)が薄いため、硬い便だとその壁を直腸側から膣の方へ便が押されてしまうことがある(この場合、膣の壁を指で直腸の方へ押して支えてやると排便しやすくなる)
・男性よりも骨盤が大きく、直腸が拡がるスペースがあるため、そこに便がつまってくると肛門の開く大きさよりも更に大きな便ができてしまう。便が軟らかければ良いが、それが固いと肛門にひっかかって出にくくなる など
■その便秘、病気かも?
──便秘を放っておくと、どうなってしまいますか?
「トイレに座っている時間や力む時間が長いといぼ痔に、便が硬ければ切れ痔になりやすいです。何日も便が出ないのを放っておくと、硬くなり出せなくなって緊急に手術などの対応が必要になることがあります。
しかしそれより怖いのは、ただの便秘だと思っていたら、実は腸閉塞や大腸がんが原因だったというケース。便秘を放っておいたからガンになるのではなく、便秘の原因がガンかもしれない、ということです」
──便秘薬を使い過ぎると効かなくなると聞きますが、本当ですか?
「アロエやセンナ、大黄などのアントラキノン系と言われる植物由来の便秘薬や、ビサコジルという成分の便秘薬は、『刺激性下剤』と呼ばれています。これらは、腸を強く刺激して動かすことで便を出す仕組みです。しかし、腸がその刺激に慣れると、どんどん強い刺激にしないと効かなくなっていきます。これらの下剤はそうやってどんどん量が増えていく傾向がありますので、よほどでない限りオススメはできません。
まず、自分はなぜ便秘薬を使いたいのかをはっきりさせます。緊急でどうしても出さなくてはいけないなら下剤や浣腸になりますが、女性の便秘は、便の出始めが硬いために出しにくい、ということがほとんどです。このような場合、『腸を動かす薬=刺激性下剤』ではなく、『便を軟らかくする薬』が必要です。市販薬ではマグネシウムを含んだ薬が水分をつかまえて逃がさないようにしてくれて、便が軟らかくなります。
便秘になってからまとめて飲むより、毎日少しずつ飲んでおくと、何日か便が出なくても硬くならないために楽に排便できますよ。また刺激も少ないため腹痛が起こりにくいのが利点です。ただし、どの薬にも言えることですが、一日の用量は必ず守りましょう」
「トイレに座っている時間や力む時間が長いといぼ痔に、便が硬ければ切れ痔になりやすいです。何日も便が出ないのを放っておくと、硬くなり出せなくなって緊急に手術などの対応が必要になることがあります。
しかしそれより怖いのは、ただの便秘だと思っていたら、実は腸閉塞や大腸がんが原因だったというケース。便秘を放っておいたからガンになるのではなく、便秘の原因がガンかもしれない、ということです」
──便秘薬を使い過ぎると効かなくなると聞きますが、本当ですか?
「アロエやセンナ、大黄などのアントラキノン系と言われる植物由来の便秘薬や、ビサコジルという成分の便秘薬は、『刺激性下剤』と呼ばれています。これらは、腸を強く刺激して動かすことで便を出す仕組みです。しかし、腸がその刺激に慣れると、どんどん強い刺激にしないと効かなくなっていきます。これらの下剤はそうやってどんどん量が増えていく傾向がありますので、よほどでない限りオススメはできません。
まず、自分はなぜ便秘薬を使いたいのかをはっきりさせます。緊急でどうしても出さなくてはいけないなら下剤や浣腸になりますが、女性の便秘は、便の出始めが硬いために出しにくい、ということがほとんどです。このような場合、『腸を動かす薬=刺激性下剤』ではなく、『便を軟らかくする薬』が必要です。市販薬ではマグネシウムを含んだ薬が水分をつかまえて逃がさないようにしてくれて、便が軟らかくなります。
便秘になってからまとめて飲むより、毎日少しずつ飲んでおくと、何日か便が出なくても硬くならないために楽に排便できますよ。また刺激も少ないため腹痛が起こりにくいのが利点です。ただし、どの薬にも言えることですが、一日の用量は必ず守りましょう」
■辛い便秘、解消したい!
──便秘解消のために、日常生活でどんなことに気を付けたら良いでしょうか?
「まず、毎日便を出さなくてはいけないとか、便を出すと痩せるという思い込みは捨ててほしいと思います。
毎日便を出したいならそれに見合った食事が必要です。消化の良いものばかりを食べていては便は出ません。消化が良い食べ物とは、消化された後に血液に入り、糖や脂肪はエネルギーに、タンパク質は身体を作る役割に回るため、便にならないのです。消化されない食べ物をたくさん食べれば、便の量や回数は増えます。その代表が食物繊維ですね。
朝食は腸を動かすスイッチなので、水分だけなどで済ませず、きちんとした食事を取りましょう。また、便を軟らかくするには水分量が決め手。まとめて一気に飲むのではなく、こまめに一時間にコップ一杯くらいずつとるのが理想的です。
そして、身体をまめに動かしましょう。連日ジムに行くとかではなく、身体を動かす癖が重要です。お腹に直接響くような、ひねる、縮める、伸ばす、深呼吸をする、軽くジャンプする、うつ伏せでお腹をやさしく圧迫するなどの動きが効果的と言われています。
おへその周りにのの字を書くように、強い力は使わず、繰り返しやさしくマッサージしてみてください」
──ALICEY読者にアドバイスがありましたら、お聞かせください。
「自然の原料だから安心などの理由で、植物由来の下剤を毎日飲んでいる女性は多いです。しかしこれらは安易に飲み続けることで癖になりやすい下剤であることを知っておいてほしい。便秘薬を飲んではいけないとは言いませんが、何のために便秘薬を飲むのか、その目的をはっきりさせておきましょう。便を出せば痩せると思い込んでいる女性もいますが、体重は減っても脂肪は減りません。
便秘対策は正しい食事と生活習慣が基本です。それでも改善しないなら、専門医を受診してくださいね」
食事、運動、生活習慣のバランスを見直して、薬に頼らないリズムを手に入れたいものですね! いつものことだからとあきらめずに、気になることは相談しましょう。
(やまかわきよえ+ノオト)
「まず、毎日便を出さなくてはいけないとか、便を出すと痩せるという思い込みは捨ててほしいと思います。
毎日便を出したいならそれに見合った食事が必要です。消化の良いものばかりを食べていては便は出ません。消化が良い食べ物とは、消化された後に血液に入り、糖や脂肪はエネルギーに、タンパク質は身体を作る役割に回るため、便にならないのです。消化されない食べ物をたくさん食べれば、便の量や回数は増えます。その代表が食物繊維ですね。
朝食は腸を動かすスイッチなので、水分だけなどで済ませず、きちんとした食事を取りましょう。また、便を軟らかくするには水分量が決め手。まとめて一気に飲むのではなく、こまめに一時間にコップ一杯くらいずつとるのが理想的です。
そして、身体をまめに動かしましょう。連日ジムに行くとかではなく、身体を動かす癖が重要です。お腹に直接響くような、ひねる、縮める、伸ばす、深呼吸をする、軽くジャンプする、うつ伏せでお腹をやさしく圧迫するなどの動きが効果的と言われています。
おへその周りにのの字を書くように、強い力は使わず、繰り返しやさしくマッサージしてみてください」
──ALICEY読者にアドバイスがありましたら、お聞かせください。
「自然の原料だから安心などの理由で、植物由来の下剤を毎日飲んでいる女性は多いです。しかしこれらは安易に飲み続けることで癖になりやすい下剤であることを知っておいてほしい。便秘薬を飲んではいけないとは言いませんが、何のために便秘薬を飲むのか、その目的をはっきりさせておきましょう。便を出せば痩せると思い込んでいる女性もいますが、体重は減っても脂肪は減りません。
便秘対策は正しい食事と生活習慣が基本です。それでも改善しないなら、専門医を受診してくださいね」
食事、運動、生活習慣のバランスを見直して、薬に頼らないリズムを手に入れたいものですね! いつものことだからとあきらめずに、気になることは相談しましょう。
(やまかわきよえ+ノオト)
やまかわきよえ
1982年生まれ、静岡県出身の元プログラマー。現在3児の子を持つ、新米ライター。人見知りをほとんどせず、新しい世界へ飛び込んで行くことが大好き。迷い込みたい新しい世界へも飛び込んで行きたい!
1982年生まれ、静岡県出身の元プログラマー。現在3児の子を持つ、新米ライター。人見知りをほとんどせず、新しい世界へ飛び込んで行くことが大好き。迷い込みたい新しい世界へも飛び込んで行きたい!
女性向けに情報を発信するWebメディア「アリシー」は、2019年6月13日をもってサービスを終了しました。グルメやファッション、マンガ・エッセイなどアリシーの一部コンテンツは、姉妹サイト「ママテナ」に移管しております。引き続きお楽しみください。
女性向けに情報を発信するWebメディア「アリシー」は、2019年6月13日をもってサービスを終了しました。グルメやファッション、マンガ・エッセイなどアリシーの一部コンテンツは、姉妹サイト「ママテナ」に移管しております。引き続きお楽しみください。