10年連れ添った彼と離婚した20代の私が直面した、新婚レス問題。
この記事は「アリシー」から提供を受けて掲載しています

10年連れ添った彼と離婚した20代の私が直面した、新婚レス問題。

第3回 20代の離婚白書
【20代の離婚白書vol.3】
30歳が来る。同年代の女の子たちの多くは、彼氏の有無にかかわらず、いそいそと結婚に向けて動き出している。一方私は、独身、バツイチ。恋愛期間を含め10年一緒にいたパートナーと昨年6月に離婚したばかりの29歳。結婚の予定もあてもなく、もうすぐ30歳を迎える。

この連載は、私の結婚・離婚の経験を糧にするための備忘録です。まだ結婚の予定がないけど、いつか結婚したいと思っている同世代の女性にも読んでもらえたら、と思い筆をとっています。

私は昔、某有名女性サイトで、性的な記事を書いていたことがあります。単価が良かったし、何より多くの人が興味を持っているのに、表立って聞くことができない内容を捉えて書けているという自負がありました。

女性だって性的なことで悩んでいる。だから私はそれなりのプライドを持って性に関する記事を書き続けました。というのは大義名分で、本当は“自己救済”のため。私は26歳・新婚にして身体的ふれあいのない、言わばセックスレスで悩んでいたからです。

3回目となる今回は、幸せな結婚を考えた時、「愛があればレスでも問題ない」のか「セックスは必要不可欠」なのか、について私なりの経験をもとに考察したいと思います。

■セックスは毒にも薬にもなる、正しい用法用量を。

たいていの場合、どこの夫婦も、結婚し、子を育てあげ、50、60、70……と歳を重ねれば、同じパートナーとのセックスは消滅に向かっていくものだと思っています。私は子どもがいないので、子を持った後の、セックスに対する女性の心境の変化みたいなものはわからないのですが、多分“家族”になっていけば、セックスに頼らない部分での太い繋がりが生まれ、それがきっと“フツウ”ってやつで、恐らくみんなそうやってレス状態に適応していくのだと思います。では、子どもが(まだ)いない夫婦の場合は? 新婚の場合は? どうやってレスに適応し、どのようなコミュニケーションで愛をはかれば良いのでしょうか。

私の場合、元旦那さんは愛の言葉を口にするのが苦手な日本男児らしい人で、体を使ったコミュニケーションも無骨。甘い囁きも皆無で、そこから愛を汲み取るのは至難の技でした。「好きな人の腕の中にいるのに、なんだかさみしい」「でも私、まだ女性としての価値がある!」。不安と安心がない交ぜになった状態、セックスが毒として作用している瞬間です。

私はセックスを愛情確認の作業だと思っているので、行為そのものだけでは性的欲求の解消をされているだけだと感じてしまうこともあります。きちんと気持ちを伝え合いたいし、思い合ったふれあいをしたい。

とはいえ、それ以外のシーンでは、私のことを慮るような行動はたくさん取ってくれる男気あふれる人だったので、甘い言葉ばかり囁いて行動に移してくれない人よりはいい。そう思っていました。色っぽい雰囲気にはなかなかならないけど、ふざけあって笑い合えているから、それがきっと幸せ。そう思っていました。
だけど、日に日に求められることが減り、セックスのコミュニケーションもない、もともと言葉での愛情表現もない、ダブルパンチ状態。どんなに仲が良くても、愛されている自信が持てなくなるばかりか、女性としての自信や自己肯定感さえ失っていきました。

自宅での仕事が多かった私は、身なりを整えてめかし込んだよそゆきの私を彼に見せることが減り、彼の意欲をそそるような状態になかったのがレスの原因かもしれません。ありのままを愛してもらおうなんて、親以外ではありえないのに。

外での仕事が多くなった時は、帰りが深夜1時とかで、私がいない生活に慣れてしまった=私が必要で無くなってしまったというのもあるかもしれません。何はともあれ、口紅を引こうが、下着を新調しようが、もう時すでに遅しでした。

求められることがなくなり、自分に自信が持てなくなると、当然相手からも愛してもらえなくなります。セックスのコミュニケーションを拒絶している人に「もっと強くなれよ」と言われるのが、とてもつらかった。

私も私で、2人の間で揉め事があったり、うまくいかなくなったりしている時に、それを回避する手段としてセックスに持ち込むのは、話し合いを頓挫させて問題解決を曖昧にするから、良くないことと思ってしなかった。今思えば、ふれあうことで瞬間的にわかりあえること、気持ちが落ち着くことなんていくらでもありました。でも、「抱き合って幸せだから、ま、いっか」みたいにうやむやになることが怖くて、セックスを有効活用しなかったんです。ま、いっかで終われるなら、それでいい問題だってあるのに。ふれあってホッとできるなら、そうするべきだったのに。

そうこうして愛情が枯渇していくと、自分の魅力を失っていきます。当時の私を知る友人からは、「あの時のあなたはとてもブスだった」と言われることが多く、それくらいに、セックスは私にとって自分に自信を持ち輝き続けるための大事な作業の1つだったんだと思います。

だからセックスで愛情を感じられたり、言葉できちんと伝えてくれたりする人とお付き合いしていると、「なんだかキレイになったね」と言われることが多い。その人とはセックスで安心できるし、していない時だって安心できる。活動的にもなるし、毎日のモチベーションも上がる。セックス、ないし愛情表現は、私のマインドを高く持って行ってくれる薬なのかもしれません。だから、セックスは幸せな結婚生活には絶対必要。そして、ただすればいいってもんじゃない。正しい用法用量を守って。

■セックスレスを防ぐには?

私が思うに、セックスレスになってしまった要因は以下の3つが挙げられます。

(1)お付き合い期間を含めて10年も連れ添っていたから飽きられてしまった
(2)相手が好きでいてくれることを当たり前と思って自分磨きを怠っていた
(3)相手と一緒に過ごす時間を作ろうとしなかった

(1)に関しては、これは長く一緒にいればいるほど当たり前として起きる問題ですが、たとえレスになっても変わらず愛情表現があればやっていけると思います。そして愛の言葉を言われたかったら、まずは自分から言う。伝える努力は怠ってはいけない。

(2)は、相手が自分のことを好きだということにあぐらをかいて、すっぴんを晒しすぎたり、ぶくぶく太ったり、礼儀にかけていたりしても許してくれると思わないこと。「この人ならわかってくれる」「ありのままの私を好きでいてくれるはず」という期待を持つことが、愛情から遠のいていきます。本来なら好きな人にはいい自分を見せたいと思うはずですが、付き合いが長くなるにつれ、家族になると、「旦那さんの前ならすっぴんでいいや。今日人と会うから化粧しなきゃ」と、気合の入れどころが逆転してしまうのです。誰のためにキレイでいたいのか、誰にかわいいねと言ってもらいたいのか。自分磨きはパートナーのためだけでなく、自分のためにもなりますので、ぜひ磨き続ける努力を。

(3)は、仕事が不規則で深夜に帰宅していた私が、「忙しいならご飯作っておかなくてもいいから」「仕事で頑張っているんだから遅くなるのは仕方ないけど、気をつけて帰れよ」という元旦那さんの言葉を額面通りに受け取った結果です。それは彼の本心でもありましたが、その言葉の裏にある「一緒にご飯を食べたい」「本当はさみしい」という気持ちを汲み取らなかった。優しい言葉に甘えすぎてはいけないと思いました。

上記を踏まえても、レスになる時はなるし、きっと上記以外の問題もはらんでいるとは思います。だけど、立派な離婚事由のひとつとしてセックスレス問題が挙がる昨今、どうかずっと先のこと・他人事だと思わずに、若い人も含めて向き合うきっかけになればうれしいです。

私も好きな人と、精神的にずっとつながっていられるような身体的つながりを大事にしたい。そのためにできる努力を、忘れずにしていくつもりです。

(藤田佳奈美)
藤田佳奈美
藤田佳奈美
ALICEY副編 ●フリーの編集ライター、イラストレーター●オカメインコ溺愛 #今日のペッパー●だいたいマガジンハウスにいる●だいたい隅田川で飲んでる●発言は個人の見解@yakou_chuu_
藤田佳奈美@yakou_chuu_
藤田佳奈美
藤田佳奈美
創作ダンスや女子ひとり飲み、七号食ダイエットなど、興味はあるけど苦手なことに果敢に立ち向かうスタンスで頑張るのがモットー。 ジャンル問わない雑食系編集ライターでもあるが、最近は若者の離婚や恋愛離れなどの男女問題や、オカメインコ愛について語らせると暑苦しくなる。 だいたいマガジンハウスにいる。だいたい隅田川沿いで飲んでる。
創作ダンスや女子ひとり飲み、七号食ダイエットなど、興味はあるけど苦手なことに果敢に立ち向かうスタンスで頑張るのがモットー。 ジャンル問わない雑食系編集ライターでもあるが、最近は若者の離婚や恋愛離れなどの男女問題や、オカメインコ愛について語らせると暑苦しくなる。 だいたいマガジンハウスにいる。だいたい隅田川沿いで飲んでる。
女性向けに情報を発信するWebメディア「アリシー」は、2019年6月13日をもってサービスを終了しました。グルメやファッション、マンガ・エッセイなどアリシーの一部コンテンツは、姉妹サイト「ママテナ」に移管しております。引き続きお楽しみください。
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