男らしい厚い胸板を目指すならダンベルが効果的!
大胸筋のトレーニングといえば、何をイメージするだろうか?ベンチプレス、ダンベルプレス、腕立て伏せ…など大胸筋を鍛えて大きくするためのトレーニング種目はいくつかある。「その中でも、ダンベルを使ったトレーニングが大胸筋を鍛えるにはとても効果的です。なぜなら、ダンベルはバーベルのように左右をつなぐ棒がないので、胸よりも低く下ろすことができます。そうすることで、より強いストレッチがかかり筋肉が大きく動かせるからです。」(寺田さん。以下同)また、ダンベルは動きの制限が少なく、自分で決めた軌跡に沿ってユラユラさせずまっすぐにあげなければいけない。その動きにはたくさんの細かい筋肉の力も必要となり、大胸筋と同時にそれらの細かい筋肉も鍛えることができる。
ジムに行く時間がないと悲観しなくても、ダンベルさえ用意すれば自宅でも十分に効果的な大胸筋のトレーニングに取り組めるということだ。
ダンベルを使った大胸筋の筋トレ3つのポイント
1:まずは「大胸筋」に意識を集中させる
「マインドマッスルコネクション(MMC)といって、鍛える筋肉に意識を集中し、効いている感覚をつかむことで筋トレの質を高めることができるという説があります。」
ダンベルを持ったら、まずは自分の意識を鍛えたい大胸筋に集中させてみよう。そのためにも、大胸筋がどこにあり、どのように走行している筋肉なのかを正確に理解しておくことが必要だ。
2:正しいフォームで、呼吸にも気をつける
胸筋に限らず、ダンベルトレーニングは正しいフォームで行うことが効果を出すためには大切だ。大胸筋を鍛える際は、背中とお尻をベンチにつけて、肩甲骨を内側に寄せ胸を張り、この状態をキープする。
「肩甲骨を寄せた時、肩がすくんだ状態になる人が多いのですが、これは故障の原因となるので注意してください。」と寺田さんは指摘する。
また、効率的に筋肉をつけるためには呼吸法も重要だという。力をいれると、つい無呼吸になってしまうがこれは体にとって危険。「息を止めた方が確かに力が入りやすいのですが、血圧の急上昇などのリスクがあるので、ダンベルを持ち上げる時には吐きながら、下ろす時には吸うようにしましょう。」
3:自分に合った適切な負荷の設定をする
筋肉を大きくするためには、負荷が強すぎても弱すぎてもよくない。では、何キロのダンベルを用意すればよいのだろうか?
自分にとって最適な負荷を知るために、RMという指標がある。RMはレペティション・マキシマムの略で、反復可能最大回数という意味だ。寺田さんによると、「自分が繰り返すことができる限界値がRMです。大胸筋を大きくさせたいなら、RM6〜12回くらいが最適。もし、筋肉がついてきて回数が増やせるようになったら、負荷をあげて常にRM6〜12回になるよう調整すると効率的なトレーニングになります。」
ダンベルを使った部位別大胸筋筋トレ3選
大胸筋とは、胸部の筋肉の中でも非常に大きな筋肉で、上部・下部・内側と部位ごとに鍛え方も変わる。1つの部位だけ集中してトレーニングしてしまうと、アンバランスな胸板になってしまうリスクもある。そこで、以下部位ごとに効果的なダンベルトレーニングの方法をご紹介しよう。
どこから見ても美しい胸板を手に入れるためには、すべての部位をバランスよく鍛えることが必須だ。
大胸筋上部を鍛えるダンベルトレーニング
大きく盛り上がり見栄えのする胸板づくりに欠かせない大胸筋上部。大胸筋上部の働きは、腕を斜め上に押し上げるという動作になるので、フラットなベンチではなく傾斜をつけた状態でトレーニングする必要がある。
インクライングダンベルベンチプレス
<インクラインダンベルベンチプレスの行い方>
1、ベンチの背もたれの角度を約30°に設定し、仰向けになる
2、ダンベルを胸の頂点にくるように持ち上げる
3、肩甲骨を寄せて胸のアーチを作る
4、大胸筋上部の筋の流れを意識して、脇を約60°〜80°に開き、ゆっくりダベンルを下ろす
5、息を吐きながら持ち上げ、吸いながら下ろす。これを繰り返す
<トレーニング時の注意点>
・肩を痛める原因になるので、ダンベルを持ち上げる際は胸のアーチをキープしたままが鉄則
・肘が中に入ったり、外に開いたりするのも禁物。拳と肘を垂直にした状態でダンベルを持ち上げる
大胸筋下部を鍛えるダンベルトレーニング
横から見た時の胸の厚みに大きく影響する大胸筋下部。大胸筋下部の働きは、腕を斜め下方向に押し下げるという使い方で活躍する。つまり、大胸筋上部とは逆に、頭が下になっている状態で傾斜をつけたトレーニングが必要となる。
デクラインダンベルベンチプレス
<デクラインダンベルベンチプレスの行い方>
1、フラットベンチに横になり、両膝を立てた状態からお尻を上げる
2、ダンベルを上げる
3、肩甲骨を寄せ、肩を下げて胸のアーチを作る
4、この状態から、息を吸いながらゆっくりダンベルを下ろす
5、吐きながら上げる
6、一定のリズムで3〜5を繰り返し行う
<トレーニング時の注意点>
・1の際、お尻を上げ過ぎて腰が反らないように注意。膝から肩が一直線になるような姿勢で行う
・ダンベルを挙げた際に胸のアーチが潰れ、肩が浮くのは誤った姿勢。肩の怪我の原因となるので注意
・肘を下ろした際の肘の向きが、中に入ったり、逆に開いたりするのも肩や肘の故障の原因となる。拳と肘は垂直になるようにダンベルを下げるのがポイント
大胸筋内側を鍛えるダンベルトレーニング
胸のハリや盛り上がりを作り、均整のとれた胸板を作るために必要な大胸筋内側。
大胸筋内側の働きは、腕を横から前に出したり、上腕を内側にひねったりする動作に作用する。この「ひねる」動作をダンベルトレーニングに取り入れることで内側を狙って鍛えることができる。
ダンベルベンチプレス 応用編:
<ダンベルベンチプレス 応用編の行い方>
1、ダンベルを持ったままベンチに仰向けになる
2、ダンベルを胸の頂点にくるように持ち上げる
3、ひじをゆっくりと曲げてダベンルを下ろす
4、腕をまわしながら胸をしぼるようにダンベルを上げる。これを繰り返す
<トレーニング時の注意点>
・ダンベルを下ろす際は、大胸筋がストレッチするよう胸より低い位置まで意識して下ろす
・肩を痛める原因になるので、肩の位置をさげて肩のすくみが出ないフォームで行う
今から始めれば夏の間に分厚い胸板が手に入る!
ダンベルトレーニングは真剣に取り組めば、1ヶ月程度でもその効果を実感できるそうだ。今からすぐに始めればこの夏の間に分厚く盛り上がった胸板を手にいれることも夢ではない。ダンベルトレーニングは自宅でスキマ時間に取り組めるので、無理なく生活に取り入れやすい。ぜひ今すぐ始めて、男らしい胸板でTシャツの季節を楽しもう。
Text by Saki Ebisu