腹筋を鍛えることはメリットがたくさん!
美しく6つに割れた腹筋「シックスパック」は、鍛えられた肉体の象徴であり同性からの羨望の眼差しはもちろん、女性からの評価も得られる。腹筋を割りたい人の多くは、その見た目の美しさのために鍛えようと思っているのではないだろうか。しかし、腹筋を鍛えることは、見た目のかっこよさが手に入る以外にもメリットがある。
姿勢がよくなる
不意に鏡にうつった自分の姿が、猫背でお腹が前につき出ていてギョッとした経験はないだろうか。姿勢の悪さは腹筋が衰えている証拠だ。「腹筋は胴体を支えて脊柱や内臓を適正な位置に保つ役割を担っているので、鍛えることで姿勢がよくなります。」(比嘉さん。以下同)特にビジネスマンは、長時間机に向かっているので姿勢が悪くなりやすい。腹筋を鍛えて姿勢がよくなるだけで、スマートで引き締まって見えるはずだ。
体幹が安定する
体幹とは文字通り体の幹となる部分のことで、つまり胴体部分のこと。腹筋はこの体幹を支える筋肉の一部だ。「腹筋を鍛えることで、体幹が安定します。人が手足を動かす時には、先に体幹の筋肉が動員され、四肢が動くための土台が作られます。なので、体幹が安定していると力が発揮しやすくなります。特にスポーツをする人は、その効果を実感しやすいでしょう。」例えば、読者に身近なゴルフも体幹を使うスポーツだ。腹筋を鍛えることで飛距離も伸びて、スコアアッップもできるかもしれない。
筋肉が増えて代謝がよくなる
「腹筋を鍛えると、筋肉量が増えて代謝が良くなるというメリットもあります。」1日の消費カロリーの約7割は基礎代謝と言われている。基礎代謝がアップすれば、痩せやすい体になることはご存知の通り。この基礎代謝をアップさせるには、筋力をつければ良い。中でも、腹筋は筋肉量が多いので、鍛えることで効率的に基礎代謝量をあげられる。腹筋のトレーニングを続けることで、食べても太りにくい体が手に入るのだ。
腹筋は自宅でも割ることができる
「腹筋を鍛えたくてもジムに通う時間がない」「ジムの方が自宅よりも効果が早く出るに違いない」と考えている人も少なくないのではないだろうか。
しかし、「腹筋は自宅でも割れます」と比嘉さんは断言する。「自重だけで、十分な腹筋のトレーニングはできます。お金を払って頑張っている自分を感じたい人はジムに通った方が良いですが、いつでもできる自宅でのトレーニングのほうが無理なく続けられますよ。」自重とは、自分の体重で負荷をかけて行うトレーニングのこと。筋トレというとジムでのマシーンやダンベルなどの器具を使ったトレーニングをイメージしがちだが、いつでもどこでもできる自重トレーニングは継続しやすく、理想のシックスパックに近づける大変効果的なトレーニングなのだ。
自宅で腹筋を割る4つの部位別トレーニングメニュー
腹筋は大きな筋肉なので、トレーニングは部位ごとに行う必要がある。
腹筋上部・下部・腹斜筋に、脊柱起立筋も加えた4つの部位をバランスよく鍛えることが美しい腹筋を作るためには欠かせない。以下、部位別にトレーニング方法をご紹介しよう。
まずは部位ごとの役割を知る
腹直筋(腹筋上部・下部)
体の前の部分にある筋肉でシックスパックとも呼ばれ、外見に影響を及ぼす筋肉。背中を前方に丸めて上体を前方に曲げる(体幹屈曲)筋。基本的には上部と下部は同時に動員されるが、縦に長い筋肉なので、運動のてこの支点に近い部分という意味で上部と下部に分けられる。
腹斜筋
腹部の側面にある筋肉。主に、体の回旋運動、屈曲、側屈に関与する。ここを鍛えることで、くびれを作ることができる。
脊柱起立筋
頚椎から骨盤にかけて、背骨に沿って走っている非常に細長い筋肉。体の伸展そして側屈や回旋、姿勢の保持に作用する。体の背面から引っ張ってウエストを締めてくれるので腹筋と同時に鍛えることが望ましい。
動画で解説!部位別トレーニング
腹筋上部のトレーニング
<クランチのやり方>
1.仰向けに寝て腕を頭の後ろか胸の前でクロスさせる
2.おへそを覗き込むように体を起こす
3. 20回×3セットを目安に繰り返す
<トレーニングの際の注意点>
・起き上がる際に反動をつけないように、ゆっくりと行うこと
腹筋下部のトレーニング
<ニートゥーチェストのやり方>
1.マットの上に座り手をかだらより後方に置く
2.両足を揃えてひざを軽く曲げる
3.ひざを胸につけるように足を全体に引きつける
4. 15回×3セットを目安に繰り返す
<トレーニングの際の注意点>
・脊柱を丸めた姿勢にすることで、腹筋をより収縮させやすくすること
腹斜筋のトレーニング
<スパイン・ヒップリフト・ツイストのやり方>
1.仰向けに寝てひざを立てて両手を広げておしりを持ち上げる
2.ひざを左右に倒す
3. 20回×3セットを目安に繰り返す
<トレーニングの際の注意点>
・ひざを左右に倒すときに肩が浮かないように注意する
・ひざを倒すときは床につくくらいまでしっかりと倒す
脊柱起立筋のトレーニング
<レッグクロス・ツタンカーメンのやり方>
1.仰向けに寝て片足を上にのせて足を組む
2.腕を胸の前で組む
3.おしりを持ち上げる
4. 左右各90秒×2セットを目安に取り組む
<トレーニングの際の注意点>
・おしりをあげた時に、下の足のかかとと左右の肩甲骨の3点で体を支える
トレーニングの最適な頻度など効率的な腹筋の鍛え方はこちらを参考にしていただきたい。
トレーニングしているのに腹筋が割れないのはなぜ?
トレーニングを続けているのに腹筋が割れる気配がない…という悩みの多くは、腹筋が体脂肪に覆われて隠れてしまっているからなのだ。比嘉さんによると、「男性なら体脂肪率10%前後」にならなければ、シックスパックにはなれないという。「まずは脂肪を減らしてから、腹筋を鍛えて大きくしていくことで初めて美しいシックスパックが手にはいるのです。」体脂肪率10%というのはなかなかシビアな数字だが、簡単に手に入らないからこそ、シックスパックは皆の憧れなのだ。
体脂肪を落とすためにやるべきこと
では、「体脂肪」を落とすためには何をすれば良いのだろうか。効率的に体脂肪を落とす方法を3つご紹介しよう。
食事制限
「体脂肪を落とす方法として一番有効なのは食事制限です。」
まずは大原則としてカロリーの収支を負にすることだ。
家計の収支を正にしない限り、貯金が増えないのと同様に、エネルギー収支を負にしない限り、エネルギー貯蔵庫である脂肪は減っていかない。
糖質だ脂質だタンパク質だはその後の話だ。
それを踏まえたうえで、たんぱく質>糖質>脂質という順番で摂取していくべきなのだ。
ビールもラーメンも断つのは辛いが、シックスパックのために我慢しよう。
運動
脂肪を落とすダイエットといえば、ジョギングやランニングをイメージするが、比嘉さんによると「息があがるようなトレーニングが短時間でできてオススメ」とのこと。「『30秒間全力で走って、2、3分休む』これを8本くらい連続で取り組むと脂肪が燃焼します。」
筋トレ
筋トレ自体の消費カロリーはさほど多くないが、筋肉量を増やすことで基礎代謝があがり、痩せやすい体質になることができる。また、比嘉さんが意外な事実も教えてくれた。「実は筋肉痛の時には、それだけで1日に300kcalくらい多く消費しているんです。」300kcalといえば、ご飯2.5膳分だから、なかなか侮れない。
今すぐ自宅で、腹筋トレーニングを始めよう!
腹筋を割るには、ジムに通う必要はないとはいえ、ダイエットとトレーニングの両方が必要なので強い意志がいる。だが、いつまでもダンディで魅力ある男性でいるためには、だらしないビール腹との決別は必須だ。コツコツ続ければ、1ヶ月でも変化は感じられるという。この夏、夢の「シックスパック」を手にいれるため、本気を出してみてはいかがだろうか。
Text by Saki Ebisu