大胸筋を鍛えるメリットとは?
筋トレの中でも、人気の大胸筋のトレーニング。厚い胸板が手に入りそうだから…となんとなく取り組んでいるかもしれないが、それ以外にもメリットがあるという。
「胸板を厚くして男らしい体つきを作ることはもちろん、非常に大きな筋肉なので鍛えることで基礎代謝もあがります。また、効果が出やすい部位なので筋トレを続けるモチベーションにもなるのではないでしょうか。」(寺田さん。以下同)筋肉をつけて男らしくなりたい人も、ダイエットをしたい人にも大胸筋の筋トレは効果的ということだ。
「大胸筋は、普段の動作ではあまり使いません。だからこそ、トレーニングでしっかり鍛えてあげる必要があります。」
大胸筋の4つの部位と役割
大胸筋とは胸板を形成する扇状の強力な筋で、腕を横から前方に振る動きと、上腕を内側にひねる動きの主働筋だ。「大胸筋は非常に大きな筋肉です。そのため、上部、下部、内側、外側といった部位ごとに、役割も効果的なトレーニング方法も異なります。」
トレーニングではターゲットの部位を意識することが必要なので、それぞれの役割をしっかり理解しておこう。
大胸筋上部の役割
大胸筋上部は、脇に下ろした腕をまっすぐ前方に上げる「屈曲」と呼ばれる動作に使われる。ソフトボールでのピッチングや背泳ぎ、体操、ランニングの腕振りなどがこの動きにあたる。形の良い胸板を作るためにはこの部分を鍛えることは必須だ。
大胸筋下部の役割
体の横に挙げた腕を下げる動きや、脇に下ろした腕を体全面の内側に振る動きに働く筋肉。ゴルフやバッティングのスイングの動きに代表される。分厚い胸板を作りたい人は是非鍛えたい箇所だ。
大胸筋内側の役割
大胸筋の主な働きである、腕を横から前に出したり、上腕を内側にひねったりする動作に作用する。また、脇に下ろした腕をまっすぐに前に上げる動作で使う筋肉。
大胸筋の内側が鍛えられていると、胸のハリや盛り上がりが増し、逞しく均整のとれた胸板に近づく。
大胸筋外側の役割
腕を横から前に出したり、上腕を内側にひねったりする動作で働く筋肉。この部位は特にターゲットとして定めなくても、大胸筋を鍛えるトレーニングであれば効果が期待できる。
大胸筋を効果的に鍛える部位別筋トレ
大胸筋の各部位に効果的なトレーニング方法を動画で詳しく解説してもらう。主に、自宅で取り組めるものを中心にご紹介するので、うまく生活の中に取り入れてバランスよく大胸筋を鍛えよう。
大胸筋全体のトレーニング
ダンベルプレス
<ダンベルプレスの行い方>
1.ダンベルを両手に持ち、両方の膝にダンベルを乗せる
2.ベンチにゆっくりと寝転ぶ
3.まっすぐダンベルを持ち上げ、ダンベルを横に向ける
4.肩甲骨を逆立ちさせるようなイメージで、しっかりと胸を張る
5.ゆっくりとダンベルを下ろしていく
6.胸のストレッチをしっかりと感じる
7.ゆっくりダンベルを上げていく
8.10〜15回ダンベルの上げ下げを繰り返す
9.両方の膝でダンベルを迎えにきてゆっくりと起き上がる
<トレーニング時の注意点>
・3の時、肩と耳の距離が近づきすぎないように注意する
・ダンベルを下ろした時に、肘の真上に手首がくるようにすること
大胸筋上部のトレーニング
インクラインダンベルベンチプレス
<インクラインダンベルベンチプレスの行い方>
1、ベンチの背もたれの角度を約30°に設定し、仰向けになる
2、ダンベルを胸の頂点にくるように持ち上げる
3、肩甲骨を寄せて胸のアーチを作る
4、大胸筋上部の筋の流れを意識して、脇を約60°〜80°に開き、ゆっくりダベンルを下ろす
5、息を吐きながら持ち上げ、吸いながら下ろす。これを繰り返す
<トレーニング時の注意点>
・肩を痛める原因になるので、ダンベルを持ち上げる際は胸のアーチをキープしたままが鉄則
・肘が中に入ったり、外に開いたりするのも禁物。拳と肘を垂直にした状態でダンベルを持ち上げる
インクラインダンベルフライ
<インクラインダンベルフライの行い方>
1.インクラインベンチに寝る。両腕に持ったダンベルを上げる
2.大胸筋上部の筋肉の走行に沿うイメージで腕を開いてダンベルを下ろしていく
3.ダンベルを上げる
4.2・3を繰り返す
<トレーニング時の注意点>
・1の姿勢の時、肩をすくませない。肩を落としてお尻に近付けるイメージで、しっかりと胸を張る
大胸筋上部を鍛えるプッシュアップ
<大胸筋上部を鍛える腕立て伏せ(プッシュアップ)の行い方>
1、両手を開いて床につける
2、基本の腕立て伏せ時より、お尻を高くつきあげる
3、脇を締めながら斜め下に向かって体をゆっくりと沈める
4、お尻の方向に上体を上げる
5、1−4を繰り返す
<トレーニング時の注意点>
・大胸筋上部の筋肉の走行を理解し、意識する。筋肉の走行に沿って体を上げ下ろしする
・頭からお尻までの状態は一直線をキープする
大胸筋下部のトレーニング
デクラインダンベルベンチプレス
<デクラインダンベルベンチプレスの行い方>
1、フラットベンチに横になり、両膝を立てた状態からお尻を上げる
2、ダンベルを上げる
3、肩甲骨を寄せ、肩を下げて胸のアーチを作る
4、この状態から、息を吸いながらゆっくりダンベルを下ろす
5、吐きながら上げる
6、一定のリズムで3〜5を繰り返し行う
<トレーニング時の注意点>
・1の際、お尻を上げ過ぎて腰が反らないように注意。膝から肩が一直線になるような姿勢で行う
・ダンベルを挙げた際に胸のアーチが潰れ、肩が浮くのは誤った姿勢。肩の怪我の原因となるので注意
・肘を下ろした際の肘の向きが、中に入ったり、逆に開いたりするのも肩や肘の故障の原因となる。拳と肘は垂直になるようにダンベルを下げるのがポイント
ディップス
<ディップスの行い方>
1、ディップスバー(平行な棒)を両手でしっかりと握る
2、体を浮かす。やや前傾姿勢で行うと大胸筋下部により効果的
3、肘を90°に曲げて体を沈め、両肘を伸ばして体を持ち上げる
4、3を繰り返す
デクラインダンベルフライ
<デクラインダンベルフライの行い方>
1、デクラインベンチに横になる。
フラットベンチしかない場合は膝を立て、お尻を上げる。この時、腰を反らないように注意。肩から膝が一直線になるようなイメージに姿勢を設定できたら、ダンベルを持ち上げる。
2、ゆっくり息を吸いながらダンベルを下ろす
3、息を吐きながらダンベルを上げる
4、2・3を繰り返す
大胸筋内側のトレーニング
ダンベルフライ
<ダンベルフライの行い方>
1、仰向けでベンチに横たわる。背中を意識し、肩甲骨を寄せるイメージで、胸をしっかりアーチにする。
2、肩の上の位置で、両手にダンベルを持つところからスタート。両腕を開きながら、胸の真横までゆっくり下ろす。
3、肩甲骨が寄った状態で、胸はしっかりと張り、両腕を閉じるイメージで肩の上に上げる。息を吐きながら上げるのがポイント。
4、2・3を繰り返す
<トレーニング時の注意点>
・2の時、胸の筋肉がしっかりと伸びていることを意識する
・2の時、胸のトップ、肘、拳が一直線上になることを心がける。拳が肘の直線上から逸脱して左右や上下に倒れてしまうのは間違ったフォーム
・3の時、大胸筋の真ん中=内側を意識する
・3の時、胸のアーチが潰れていると、大胸筋の収縮が少なくなり、トレーニング効果が低下するので注意
プレートプレス
<プレートプレスの行い方>
1、両手でプレートの中心部を握り、ベンチに仰向けになる。肩甲骨を寄せて胸を張る
2、両肩をベンチにつけた状態で、プレートを上方に上げる
3、プレートを下ろす
4、2・3を一定のリズムで繰り返す
<トレーニング時の注意点>
・プレートを下ろしてから再び上げる際、両肩がベンチから浮いていると、大胸筋の内側に負荷がかからず効果が低下するので注意
ダンベルベンチプレス応用編
<ダンベルベンチプレス応用編の行い方>
1、ベンチに寝る。ダンベルを持ち上げる
2、ゆっくり息を吸いながらダンベルを下ろす
3、ダンベルを持ち上げる。この時、両手のダンベルが縦向きになるよう手首を回しながらダンベルを近付けて上げ、大胸筋の内側を絞る
4、2・3を繰り返す
男らしい胸板でスーツをカッコよく着こなそう
大胸筋は体の見栄えに直結する筋肉なので、鍛えることで異性からも同性からも羨望の眼差しを向けられる。これから暖かくなりコートを脱いだ時に、鍛え上げられた胸板でスーツを着こなしている姿は、ビジネスシーンでも注目されるはずだ。まずは自宅でできるメニューで日々トレーニングに励み、春までにたくましい胸板を手に入れよう。
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Text by Saki Ebisu