自重で鍛える筋トレメニューを徹底解説-自宅で理想なボディを作る-
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自重で鍛える筋トレメニューを徹底解説-自宅で理想なボディを作る-

第31回 【筋トレまとめ】効果を最大化するおすすめのやり方
自分の体重を使って負荷をかける自重トレーニング。トレーニングマシンなどを使わなくてもできる手軽さが人気の秘密だが、大きな負荷を掛けることが出来ないため、コツを抑えてトレーニングしないと望む効果を手に入れることはできない。そこで、この記事では自重トレーニングそのものやトレーニングのコツ、1週間のメニューの組み方などを紹介する。

そもそも自重トレーニングとは?

自重トレーニングとは、ダンベルなどの器具を使わずに自分の体重だけを使って行うトレーニングだ。腕立て、腹筋、懸垂などがある。トレーニングマシンを使用しない分、ジムなどで行うトレーニング以上に負荷をかけるのは難しいが、工夫次第で筋肉を大きくすることは可能だ。ただし、自分の体重以上の負荷をかけることはできないので、どうしても効果は出にくい。どんな体型になりたいのかを最初に決めて、そのために必要な部分を効果的に鍛える工夫が必要である。

参照記事:

自重筋トレメニュー最強版|初心者にも効果的な種目と一週間の組み方を徹底紹介

筋肉についても基礎知識をつける

どの筋肉を鍛えれば理想の体型になれるのか考えるためには、筋肉そのものについて知らなければならない。トレーニングを始める前に、筋肉の基本的な筋肉の知識を身に着けておこう。

体の筋肉群を把握

筋肉にはそれぞれ役割がある。どの筋肉がどのような役割を果たしているのか、しっかりと把握することが大切だ。

上半身プレス系

上半身プル系

体幹周辺の筋肉

下半身の筋肉

筋繊維の特性も把握

筋肉は、筋繊維という細胞で構成されている。筋繊維は大きく3つの種類があり、どの筋繊維を鍛えるかによって筋肉の付き方が変わってくる。3つの筋繊維を把握して、トレーニングの方向性を考えておこう。
1つ目は「速筋繊維TYPE2b」。10秒程度の短い時間に瞬発的な伸縮をする筋繊維で、短距離を走るときなどに使われる。10回程度で限界が来る重さでトレーニングすることで鍛えることができ、鍛えると大きく筋肥大する。ボディービルダーなどが鍛えるのがこの「速筋繊維TYPE2b」だ。
2つ目は「速筋繊維TYPE2a」こちらも速筋線維だが、TYPE2bと比較して持続性が高く、60秒程度の持続的な伸縮をする。400mや800mを走る時に使われる筋繊維だ。15回程度で限界が来る重さでトレーニングすることで鍛えることができる。
3つ目は「遅筋繊維TYPE1」。数分以上の継続的な伸縮をする筋繊維で、長距離を走る時に使われる筋繊維だ。20回程度で限界が来る重さでトレーニングすることで鍛えられる。
それぞれの筋繊維の特徴を把握した上で、どのようなトレーニングをすれば理想の体を作ることができるのか考えることが大切だ。

参照記事:

筋肉の名前図鑑|全身の骨格筋の名称と作用およびその鍛え方・筋トレ方法

筋トレのコツを押さえて自重トレーニングをより効果的なものにする

筋トレは、継続してトレーニングすることで始めて効果を発揮する。途中で辞めてしまうと、理想の体に近づくことは難しい。特に自重トレーニングは、大きな負荷をかけられない分、可能であれば毎日取り組むのがおすすめだ。ただし、筋肉を休ませて回復させることも大切なので、筋肉を部位ごとに分けて、1つの部位をトレーニングしたらその部位は2〜3日休ませるローテーションを組むと良いだろう。以下に自重トレーニングのコツをまとめているので、併せて確認して欲しい。

回数をこなす

自重トレーニングは体重以上の負荷をかけることは出来ない。そのため、回数を増やすことで少ない負荷を補うのが鉄則だ。回数をこなせるだけのトレーニング時間を確保しておこう。

インターバルを短く

インターバルは短く設定するのがポイントだ。負荷が小さい分、インターバルを長くとると筋トレの効果が弱まってしまう。

動作を遅く

一つひとつの動作はゆっくりと行う。動作に時間をかけてゆっくりと行うことで、すばやく動かした時に比べて負荷を大きくすることができる。

習慣にする

筋トレは、習慣化することが大切だ。負荷が小さい分、トレーニングをやめるとすぐに効果がなくなってしまう。日常生活の中にトレーニングを浸透させ、筋肉に負荷をかけ続けることが大切だ。

超回復を利用する

筋肉は負荷をかけると筋繊維が破壊される。これが筋肉痛だ。破壊された筋繊維は、回復する時に負荷をかける前よりも強くなって回復する特性がある。これを超回復と言う。筋トレはこの超回復を利用するのが基本だ。トレーニングをしたらその部位を休ませて、超回復をさせよう。

自重トレーニング各種メニューの紹介

自重トレーニングの知識をつけたら、実際のトレーニングメニューを確認していこう。「上半身」「体幹」「下半身」の3つの部位に分けてまとめたので、参考にして欲しい。

上半身

まずは上半身だ。胸筋、背筋、二の腕のトレーニングメニューを確認しよう。

胸筋

胸筋は、ノーマルプッシュアップとディップスで鍛えることができる。
ノーマルプッシュアップは腕立て伏せの一種。腕を肩幅より拳2つ分ほど開いて床に手を付き、前を見ながら腕立て伏せを行う。
ディップスはジムなどになる2本の平行棒を使ったトレーニング。平行棒を体の両脇に来るようにセットして捕まり、体を腕で支えた状態で体を沈めるように腕を曲げていく。ディップスの場合は平行棒があるジムで行うか、自宅であれば椅子を2つ並べて代用するなどして行うのがおすすめだ。

背筋

背筋は、懸垂(チンニング)、ななめ懸垂、スパインヒップリフトで鍛えることができる。
懸垂はチンニングとも呼ばれるトレーニング。通常の懸垂は逆手で棒にぶら下がるが、背筋を鍛えるチンニングの場合は順手でぶら下がり、体を持ち上げる。手の位置は肩幅よりも広めに取ると効果的だ。
ななめ懸垂は、両足をついた状態で体をななめにした状態から体を持ち上げるトレーニング。横から見ると体がななめになっている。
スパインヒップリフトは、仰向けに寝て両膝を立てた状態から、頭を地面につけたまま腰を持ち上げるトレーニング。腰を持ち上げた状態で1〜2秒静止するとより負荷をかけることができる。

二の腕

二の腕は、ナロープッシュアップ、デクラインプッシュアップ、リバースプッシュアップで鍛えることができる。
ナロープッシュアップは腕立て伏せの一種。両手を近づけて親指と人差指で三角形を作るように両手をセットして状態を下げていく。胸は地面につけず、軽く浮かせた状態で止めるのがポイントだ。
デクラインプッシュアップも腕立て伏せの一種。通常の腕立て伏せの状態で、両足を高いところに乗せて状態を下げる。自宅の場合はソファーなどを使うといいだろう。
リバースプッシュアップは、ベンチなどの前に長座の姿勢で座り、足を伸ばしたまま両手で体を持ち上げるトレーニング、特別なトレーニングマシンなどを使わないので自宅でも簡単にできる。

体幹

体幹は、体の軸となる部分。腹筋周りの筋肉だ。

腹筋

腹筋は、プランク(フロントブリッジ)、クランチ、レッグレイズ、ドラゴンフラッグで鍛えることができる。
プランクは、腕立て伏せの姿勢から両肘を地面につき、両手から両肘までとつま先を地面についた状態で体をまっすぐ保つトレーニング。まずは30秒キープから挑戦して、少しずつキープする時間を長くしていくといいだろう。
クランチはいわゆる腹筋のこと。仰向けに寝た状態で両膝を立て、両手を頭の後ろにつけて上半身を起こす。反動は使わないように注意しよう。
レッグレイズは、仰向けに寝た状態から両足を持ち上げたりおろしたりするトレーニング。両足は地面につかないギリギリのところでストップするとより大きな負荷をかけられる。
ドラゴンフラッグは、ベンチなどで仰向けになった状態から、両手を頭の脇において両足を上に持ち上げるトレーニング。レッグレイズに似ているが、レッグレイズが両足だけを上に上げるのに対して、ドラゴンフラッグは腰も同時に持ち上げるのがポイントだ。

下半身

最後は下半身だ。下半身は体の中でも大きな筋肉が集まっており、鍛えることで新陳代謝を上げる効果がある。下半身は、スクワット、ブルガリアンスクワット、プランクレッグレイズ、バックキックで鍛えることが可能だ。
スクワットは、両足を肩幅に開いた状態で体を下に下げていく。体を地面と垂直に保った状態で行うことが理想だが、実際に垂直を保ち続けるのは膝の負荷が高まるので、胸を張ったまま正面を向いてしゃがむようにするとよい。
ブルガリアンスクワットは、通常のスクワットを片足で行うトレーニング。片方を地面につき、もう片方は後ろに伸ばして椅子などに乗せて行う。通常のスクワットよりも細かい筋肉まで鍛えられるが、その分負荷が大きく、最初は難しいかもしれない。片足というアンバランスな状態で行うため負荷も大きくなり、さらにバランスをとるために細かい筋肉も機能的に働いてくれる。
プランクレッグレイズは、体幹で紹介したプランクの体勢から、片足を上に持ち上げるトレーニング。下半身とともに体幹も鍛えることができる。
バックキックは、両手両膝を地面について四つん這いになった状態から、片足を地面と水平に持ち上げるトレーニング。主にお尻の筋肉を鍛えることができる。

具体的な1週間のメニューを立ててみよう

ここまでに紹介したメニューを元に、1週間のトレーニングメニューを組んでみよう。ポイントは、基本的に毎日取り組むことと、鍛える部位を変えることだ。すでに書いたように、筋肉は超回復をして初めて大きくなる。部位ごとにローテーションで休息日を作り、超回復を促すことが大切だ。どの部位をどのメニューで鍛えるかは、「筋肉についても基礎知識をつける」で紹介した筋肉を思い出しながら、部位ごとにまとめたメニューと照らし合わせて考えて欲しい。しっかりとトレーニングすれば、1ヶ月で目に見える効果があるだろう。

参照記事:

【最強自重トレーニングメニュー】筋肥大する鍛え方と一週間のプログラム例

自重トレーニングに役立つアイテムの紹介

自重トレーニングに効率的に取り組むために、アイテムを導入してもいいだろう。例えば加圧インナーシャツは、着用時に圧力が加わるインナーシャツで、姿勢矯正、保温効果などに加えて、インナーマッスルに負荷をかけることができる。特に体幹を鍛えたいと考えている人は利用を検討してもいいだろう。
また、プッシュアップバーの利用も効果的だ。プッシュアップバーは持ち運び可能な床に置くタイプのバーで、腕立て伏せなどの際に利用する。通常は両手を地面につくノーマルプッシュアップだが、プッシュアップバーを使う場合はバーを握りながら体を地面に近づけることになる。これによって筋肉の可動域が広がり、より高い負荷を掛けることができるのだ。効率よくトレーニングを進めたい場合は、これらのアイテムの利用も検討してみるといいだろう。

栄養にも気をつける

筋トレで気をつけたいのが、食事も含めた栄養バランスだ。
特にタンパク質は、筋肉を構成する栄養素であり、意識的に摂りたい栄養素である。一般的に、トレーニングしているときは体重(kg)×2gのタンパク質を摂取すると良いと言われている。体重70kgなら140gだ。ただし、これだけの量のタンパク質を摂るのはなかなか難しい。タンパク質140gは、ステーキ700g分に相当する。
そこで活用したいのがプロテインだ。プロテインはタンパク質の英語だが、日本ではサプリメントの一 種として認識されている。プロテインは大きく「ホエイ」「ソイ」「カゼイン」の3種類に分類される。それぞれ役割が異なるので、目的に合わせて使い分けるのが大切だ。
ホエイプロテインは、牛乳から精製されるプロテインで、体に吸収される速度が早い。トレーニング直後に飲むプロテインとして適している。
ソイプロテインは、大豆から精製されるプロテインで、比較的ゆっくりと体に吸収されていく。腹持ちがいいため、ダイエットに向いているプロテインだ。トレーニング中などに飲むといいだろう。
カゼインプロテインは、ホエイプロテインと同様に牛乳から精製されるプロテインだ。3つのプロテインの中で最もゆっくり吸収される。就寝前に飲むことで、時間をかけて持続的に体にタンパク質を供給することができる。目的に合わせて、これらのプロテインを有効活用するといいだろう。

参照記事:

筋トレと食事の基礎知識|筋肥大・減量別に最適な食材・レシピ・コンビニ食とタイミング

監修者HP:上岡 岳

一般社団法人JAWA日本アームレスリング連盟

今回のアドバイザー

上岡 岳
上岡 岳
一般社団法人JAWA日本アームレスリング連盟常任理事
アームレスリングの元日本代表でアジア選手権マスターズ90kg級3位などの戦績を持つ。自身のジムでアームレスリングやパワーリフティング選手の育成指導を行っている。生物学博物館学芸員。
アームレスリングの元日本代表でアジア選手権マスターズ90kg級3位などの戦績を持つ。自身のジムでアームレスリングやパワーリフティング選手の育成指導を行っている。生物学博物館学芸員。
Webメディア「éditeur」は、2019年6月13日をもってサービスを終了しました。一部コンテンツは、「ママテナ」に移管しております。引き続きお楽しみください。
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