フェラーリ、憧憬していたスーパーカーの世界観に触れる
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フェラーリ、憧憬していたスーパーカーの世界観に触れる

第21回 フェラーリの最新車デザイン・性能情報をお届け
高級スポーツカーといえば、フェラーリと答えることができるほど老若男女にも浸透している高級自動車メーカーである。デザインはもちろん、スポーツカーとしての性能も高く、見る人を楽しませてくれるクルマと言っても過言ではない。多くの人が憧憬するフェラーリの世界観を歴史から最新モデルまで紐解いていく。

フェラーリ(Ferrari)とは

フェラーリとは、イタリアのエミリア=ロマーニャ州モデナ県マラネッロに本社を構える高級自動車メーカーだ。高級スポーツカーやレーシングカーのみを製造している。世界的に高い人気と洗練されたブランドイメージを誇り、主に王侯貴族や富裕層に愛用されている。高価格、高利益率、少量生産のメーカーとしても有名で、年間の売上台数は8000台ほどだ。世界60ヶ国以上を拠点として生産台数の95%を輸出している。

またフェラーリはF1世界選手権等のモータースポーツコンストラクターとしても活躍し、
・FIA世界耐久選手権
・ル・マン24時間レース
・ミッレミリア
・タルガ・フローリオ
などのレースで数々の伝説を残している実績がある。

関連リンク:フェラーリの公式HP

フェラーリのエンブレム(ロゴ)に込められた思い

Photo by Fredrik Nordström

フェラーリのエンブレムはイタリア語で「カヴァッリーノ・ランパンテ」と呼ばれ、後ろ足で立ち上がった「跳ね馬」がモチーフとなっている。エンブレムには長方形と盾形の2種類があり、イタリア国旗と同じ緑白赤の3色ラインが入っている。このマックはフェラーリ正規ディーラー及びでライセンス契約を結んだ車のみが使用可能である。フェラーリのコーポレートカラーは赤(ロッソ)というイメージが浸透しているが、本来は会社があるモデナ県のカラーの黄色(ジャッロ)であり、エンブレムの背景にも黄色があしらわれている。

フェラーリの2ドアへの飽くなきこだわり

フェラーリには社訓とも言うべきこだわりがある。それは、「4ドア車を作らない」ということだ。フェラーリは比較するもののない唯一無二の存在であるべきとされ、「ほかとは違う希少なクルマであること」をブランドイメージとしているためである。

2ドアにこだわるフェラーリだが、1980年に4ドアを制作したこともある。商品企画をしていたピニンファリーナが「ピニン」というフェラーリ初の4ドアモデルを発表したのだ。しかし、「フェラーリは2ドアだ」という創始者エンツォ・フェラーリの一声でプロジェクトは中止となり、コンセプトカーとしての1台のみが生産された形で幕を閉じた。

フェラーリ、イタリアの稀代のスポーツカーが歩んできた歴史

フェラーリは独自のスタイルを貫いている。長年に渡り受け入れられるスポーツカーはどのような歴史を歩んできたのか、創業より遡っていく。

1947年、エンツォ・フェラーリ(1898〜1988)により創業

フェラーリの創業者はエンツォ・フェラーリという人物。エンツォ・フェラーリはイタリアの自動車製造会社であるアルファロメオのレーシングドライバーであった。1929年12月1日にレーシングドライバー仲間との共同出資で「ソシエタ・アノニーマ・スクーデリア・フェラーリ」を創設。アルファロメオのセミワークスチームとして活動していたが、レーシングドライバーを引退し、地元モデナでアルファロメオの販売代理店を営んでいた。最新のレーシングカーの開発費用を稼ぐために、旧型レーシングカーを改装して販売していたのがフェラーリ(Ferrari)の原点とされている。創業当時、車体(シャーシとエンジン)のみを製作し、ボディはキャロッツェリア社に委託をしていた。

1973年には12気筒モデル「365GT4BB」が登場

365GT4BBはフェラーリ市販車として初めて最高時速300km/hを超えた。自動車排出ガス規制対策として排気量を600cc拡大した512BBへとマイナーチェンジされる形で1976年7月に生産を終了した。総生産台数は387台である。

1984年には「テスタロッサ」、創業40周年記念モデル「F40」が限定生産され人気

1984年10月のモンディアル・ド・ロトモビルで「テスタロッサ」が発表された。かつての名車250TRや500TRと同様に、エンジンのカムカバーが真っ赤に塗られている。このことからイタリア語で「赤い頭」を意味するテスタロッサと名付けられた。また250TR、500TRと区別するため「新テスタロッサ」とも呼ばれる。

1987年に発表された創業40周年記念モデル「F40」は、歴代フェラーリ生産車の中でも根強い人気を誇る車種である。「レースに出られる市販車」という理念を突き詰めて完成したフェラーリである。エンツォ・フェラーリ生涯最後の作品でもあり、最高速度は324km/h。発売当時は世界最速の市販車であった。

1995年、創業50周年には「F50」を発表

1995年、創業50周年には「F50」を発表。エンツォ・フェラーリの息子、ピエロの「F1のエンジンを積んだロードカーを創る」という理念の下、ストレスマウント化(剛結/直にボディへボルト止めすること)したF1用エンジンを、カーボンコンポジット製のセンターモノコックに配置し、公道を走る車として初めてF1マシン並の堅牢な車体構成を採用した。

創業から55年となる2002年についに「エンツォ・フェラーリ」を発表した。デザインを手がけたのはピニンファリーナに在籍していた日本人デザイナーの奥山清行である。名前は創業者である「エンツォ・アンゼルモ・フェラーリ」より名付けられた。大出力のエンジンをミッドシップマウントする伝統を受け継いでおり、F40・F50に続く21世紀最初の限定生産車である。日本国内の正規輸入台数はたった33台。その希少性の高さから中古車市場では1億円を超える価格で取引されることも少なくない。

2007年には設立60周年

2007年に創立60周年を記念して「フェラーリ60リレー」を世界約50ヶ国で行った。各国のオーナー参加により60年の歴史が刻まれたバトンを世界5大陸で横断する企画であり、日本では「フェラーリ60リレー・イン・ジャパン」として東京、名古屋、京都、大阪、広島、大分、福岡の各都市で6日間リレーが行われた。彦根城、平安神宮、平和記念公園など各地で記念撮影やレセプションパーティーが行われ、60周年を祝った。

2008年には初のクーペカブリオレである「カリフォルニア」を発表

フェラーリ初のクーペカブリオレの2+2モデルとして「カリフォルニア」を発表した。「カリフォルニア」という車名は、1950年代に販売されていた同社の「250GT カリフォルニア・スパイダー」に由来している。アジア圏内で法人が設立されたのは日本が初で売上実績もよい。

続いて2011年、メーカー初の4WDである「FF」、2012年、12気筒モデルがフラッグシップモデルの「F12ベルリネッタ」、2015年、8気筒モデル「488GTB」を発表。2011年1月、メーカー初の4WDである「フェラーリ・FF」を発表。4つのシートと約450リットルもの容量の荷室を持つなど利便性が高いとともに、フェラーリ市販車史上最大と言われる直噴エンジンを兼ね備えている。これまでになかった斬新なコンセプトを持つ高性能車である。

2012年2月、12気筒モデルがフラッグシップモデルの「F12ベルリネッタ」が、599GTBフィオラノの後継車として発表された。日本国内へは2012年7月に正式に導入され、同年12月より納入が開始。車名は12気筒数からきている。

2015年2月、8気筒モデル「488GTB」を発表。車名の「488」は一気筒あたりの排気量をそのまま使用し、GTBはGranTurismo Berlinetta(グランツーリスモ・ベルリネッタ)の略である。

2015年、ニューヨーク証券取引所に上場

フェラーリは、フィアット・クライスラー・オートモービルズの傘下としてニューヨーク証券取引所に株式を上場した。上場を記念し、ニューヨーク証券取引所の正面にフェラーリのエンブレムである跳ね馬が描かれた赤い垂れ幕が飾られ、フェラーリのF1マシンやハイブリッド車など計8台が展示された。

かつてイタリア最大の自動車メーカーであるFIAT傘下から離脱

1969年にフィアット・グループの傘下となり、世界60ヶ国以上に拠点を構え、生産台数の95%を輸出してきた。2015年の上場後、2016年にはフィアット・グループからの離脱独立の手続きが完了したとの発表があったが、その後もフィアットが大株主で独立前と変わらず経営に影響力を持っている。2014年からフェラーリの会長を兼任しているフィアットの会長であるセルジオ・マルキオンネが引き続き会長となったことやエンジンの委託生産が独立後も変わらず行われることなど、フィアット・グループとの関係は現在も継続している。

フェラーリ F1での輝かしい戦績

フェラーリが運営するワークスレーシングチーム「スクーデリア・フェラーリ」は、F1世界選手権創設時から参戦し続けている唯一のチームである。2009年までに16回ものコンストラクターズタイトルを獲得し、アルベルト・アスカリやミハエル・シューマッハなど9人のドライバーズチャンピオンを輩出している。1990年代からは他のチームへのエンジン供給も行っており、現在は本社で開発から製造、参戦までの全てを手掛けている。

フェラーリ、世間の流行に迎合しないスポーツカーとしての自負

Photo by David Merrett

スーパーカー業界がSUVをラインナップする中、フェラーリだけは、否定的なコメントを発信している。会長のセルジオ・マルキオンネは、「フェラーリにSUVを作る用意はあるが、それはフェラーリならではのFUV(フェラーリ・ユーティリティ・ヴィークル)というべきものになるだろう。」とコメントしている。フェラーリは、実用性や流行よりもブランドにこだわっているのである。

世間ではSUVが自動車市場を席巻

高級スポーツカーブランドがSUV市場に相次いで参入してきた。近年では、世界の新車市場の4分の1をSUVが占めるとされ、実用性があるとされてきたためだ。

一方、スポーツカーの人気に陰りが見え始めてきた

純粋なスポーツカーは、昔のように売れなくなっている現状がある。スポーツカーユーザーの高齢化に伴い、スポーツカーよりもSUVの方人気になりつつある。車高があり乗り降りが楽であること、同乗者と交代で運転できることがSUV人気の理由である。

ポルシェ・ランボルギーニ・ロールスロイスまでもがSUVの生産に乗り出す

高級スポーツカーのSUV市場参入における先駆者となったのが、2002年に登場したポルシェ・カイエンだ。当時経営が苦しくなったことがポルシェのSUVに参入した理由である。その後、マカンも展開しスポーツカー業界を震撼させた。その後もカイエンとマカンの販売比率は拡大し、現在ではポルシェ市場の70%を超える販売実績がある。

ランボルギーニもウルスを販売し、フェラーリが究極のライバルと考えているロールス・ロイスまでもがSUVの発売を発表した。

SUVでもフェラーリのブランドイメージを損なわない形を試みる

フェラーリもSUVに参入できるよう、下地をつくってきた。2011年に発表した「フェラーリ・FF(フェラーリ・フォー)」はAWD(全輪駆動)システムを導入し、SUVほどの高さはないが、大人4人が問題なく乗ることのできるほどの広さがあるキャビンとリアハッチがあり、荷物もそれなりに積むことができるよう作られたモデルである。他社ブランドと異なる点は、「4ドア車を作らない」というフェラーリ独自ともいえる考えだ。当然フェラーリ・FFは2ドアである。純国産スポーツカーであるホンダNSXがフェラーリのSUV市場に影響を与えたとされている。

代表的なスポーツカーブランドであるポルシェ・ランボルギーニ・フェラーリの違いとは

フェラーリとポルシェやランボルギーニの大きな違いにはSUV車の参入があげられる。ポルシェやランボルギーニは、多様なニーズに合わせて女性やファミリー向けとしてSUVの参入とスポーツカー生産を行っている。フェラーリは社訓を大切にし、SUVに参入せず、スポーツカーの生産に全力を注いでいる。

関連リンク:歴史を引き継ぐランボルギーニカウンタック

フェラーリ 「いま」を彩る現行の最新モデルのラインナップ

現在、販売されている全車種が日本に正規輸入されており、FERRARI Portofinoや488シリーズ、Lussoシリーズや812 superfastは、日本の正規販売代理店で販売されている。メーカー保証やフェラーリ純正メンテナンスプログラムが無償で受けられ、新車を注文したオーナーにはフェラーリ・マガジンや生産中の車両画像がセットになったコンタクトプランも無料で提供される。

Ferrari 812 superfast

812 superfastは、史上最速かつ最もパワフルなフェラーリといわれている。6496ccV型12気筒自然吸気エンジンを搭載し、7速デュアルクラッチにより最高出力800ps、最大トルク718Nmとなっている。フェラーリ初の電動パワーステアリングが採用された。

FERRARI GTC4LUSSO

GTC4LUSSOは、パワフルでありながら洗練さを備え、軽快でありながらラグジュアリーなモデルとされている。フェラーリ・FFの後継車としてV型12気筒自然吸気エンジンを搭載し、最高出力は690ps、最大トルクは697Nmとなっている。フェラーリ・FFの最大の特徴である四輪駆動と4座席を継承している。

Ferrari 488 GTB

488 GTBは、サーキット・ドライビングさながらの高いレベルのパフォーマンスを発揮するモデルだ。3902ccV型8気筒エンジンに488GTB専用に開発されたIHIツインスクロールターボチャージャーを搭載し、最高出力は720ps、最大トルクは760Nmである。ターボ搭載車は現行モデルでは「カリフォルニアT」に続いて2台目である。

FERRARI 488 SPIDER(スパイダー)

488 SPIDERは「リトラクタブル・ハードトップ」で特許を取得しているモデルである。V8モデル史上最高峰にパワフルなモデルである。世界最高水準の技術と抜群のデザインセンスで作り上げたミッド・リアエンジンを搭載している。V型8気筒 DOHC(4バルブ) ツインターボを搭載し最高出力は670ps、最大トルクは760Nm。

GTC4Lusso T

GTC4Lusso Tは、スポーツ性能と多用途性を求める人に向けた新しいコンセプトモデルである。V型8気筒 DOHC(4バルブ) ツインターボを搭載し、最高出力は610ps、最大トルクは760 Nmである。

FERRARI Portofino

Ferrari Portofinoは、カリフォルニアTの後継車としてスポーツ性とエレガンス、快適な乗り心地のユニークな融合によって誕生した新型GTである。V型8気筒 DOHC(4バルブ) ツインターボを搭載し、最高出力は600ps、最大トルクは760Nmとなっている。2017年9月に開催されたフランクフルトモーターショーにて公開され、日本国内では2018年2月に正式発表された。

LaFerrari Aperta(アペルタ)

LaFerrari Apertaは、「LaFerrari」のスパイダー版スーパーカーである。限定エディション・スペシャルシリーズの最新作モデルである。自然吸気のV型12気筒エンジン搭載、最高出力は800ps、最大トルクは700Nmとなっている。最大の特徴はドアの回転機構の変更であり、フルオープン状態でのクーペとは僅かに異なる角度となった。

フェラーリ488ピスタ

フェラーリ488ピスタは、フォーミュラ1などのレーシングプログラムで培った最高レベルの技術を反映し、「一般ドライバーがステアリングを握るときも、ロードの上でも外でもサーキットのような完璧な性能を提供する」という強い理念のもと製造された。ピスタとは、イタリア語でサーキットを意味している。3.9LのV8ツインターボエンジンを搭載し、最高出力は720ps、最大トルクは770Nmとなっている。チタン製のコンロッドとインコネル製のエギゾースト・システムを採用したことによって、488GTBよりも90kg重量が軽くなった。2018年末までにアメリカとヨーロッパに次いで中国と日本に投入が決まっている。

フェラーリ 車好きの郷愁を誘う輝かしい歴代モデル達

Photo by Rex Gray

現在、新車販売のない歴代モデルはコアなファンに人気がある。現行モデルよりも性能は劣ってもそれぞれに良さがあるのだ。

フェラーリ 125S

フェラーリ 125Sは、フェラーリがアルファロメオのレースチームから独立してから初めてエンブレムを戴いたモデルである。ピアツェンツァ・サーキットでデビューしたが、燃料ポンプの故障でリタイアとなり、将来有望な失敗作とされた。その後、4ヶ月に渡り、6レースで勝利を収める結果となった。ティーポ125 V12エンジンを搭載し、最高出力は100psとされていた。

フェラーリ デイトナ

フェラーリデイトナの正式名称は365GTB/4である。1967年のデイトナ24時間レースでフェラーリのスポーツプロトタイプ・330P4と412Pが圧倒的な強さにより1~3位を独占したことがデイトナと呼ばれるきっかけとなった。V型12気筒 DOHCエンジンを搭載し、最高出力352psとされている。公道走行用としては世界に1台しかないアルミ製ボディであり、日本の車庫で発見された。

フェラーリ テスタロッサ

テスタロッサとは、イタリア語で赤い頭を意味し、エンジンのカムカバーが赤く塗られていることから名づけられた。エンジンはV型12気筒で、最高出力390ps、最高速度290km/hであった。他のフェラーリに比べ、車高が低めに設定されている。

フェラーリ ディーノ

ディーノとは、フェラーリ創業者エンツォ・フェラーリの長男であるアルフレードの愛称、アルフレディーノから名付けられたモデルである。V6エンジンを搭載し、現在のフェラーリV8エンジン搭載モデルの源流となっている。アルフレードは病で24歳という若さでこの世を去ってしまった。

フェラーリ エンツォ

エンツォは、フェラーリ創業から55年目となる2002年に「エンツォ・フェラーリ」の名を冠して発売された。最新のF1テクノロジーとノウハウをロードカーで表現したモデルである。V型12気筒DOHCエンジンを搭載し、最高出力660ps、最大トルク657Nmである。F1からインスピレーションを得た最先端技術によるエアロダイナミクスが自慢の400台限定で発売された。

フェラーリ 360モデナ

360モデナは、搭載する「3.6Lエンジン」から名称がつけられた。1999年に日本導入が始まったエントリーモデルである。F355までのモデルとは全く異なる、オールニューモデルの本格スポーツカーである。2001年から、全日本GT選手権(JGTC)に出場、2005年にSUPER GTに変更されてからも参戦した。

フェラーリ F12ベルリネッタ

F12ベルリネッタは、フェラーリ史上もっともパワフルで高性能を誇るモデルといわれる車種だ。最高出力は740ps、最大トルクは690Nm。日本国内へは2012年7月5日に正式に導入され、同年12月より納入が開始された。

フェラーリ FF

FF(フォー)は、四輪駆動の「4」とドライバーとパッセンジャーを快適に包み込む室内空間を備えた4シーターの「4」から名付けられた。V型の12気筒エンジンを搭載しており、最高出力660ps、最大トルク683Nmとなっている。FFのために新たな四輪駆動システム「4RM」を開発し、特許を取得している。

フェラーリ カリフォルニアT

カリフォルニアTは、カリフォルニアのビックマイナーチェンジモデルである。スポーティーな外見とカスタムの多様性、醸し出す特別なオーラは、今やすべてのカリフォルニア・モデルの特徴である。カリフォルニアTの「T」はターボを意味し、V8直噴ツインターボを搭載。最高出力560ps、最大トルク755Nmとなっている。

フェラーリ スペチアーレ

スペチアーレは、フェラーリV8 スポーツカー史上最高とされている。各種の最先端技術が搭載され、究極のドライビング・エモーションを追い求めるオーナーに向けた設計となっている。V8エンジンを搭載し、最高出力605ps、最大トルク540Nmとなっている。

フェラーリ スクーデリア

スクーデリアは、ミハエル・シューマッハが開発に深く関わり、多くの時間をテストに費やしたモデルである。スクーデリアには、シューマッハをうなずかせるあらゆる要素が備わっている。V型8気筒自然吸気エンジンを搭載し、最高出力は510ps、0km/h→100km/hへの加速は3.6秒以下となっている。

フェラーリ 308GTB

308GTBは、たおやかなシェイプの随所に張り巡らされた鋭利で張りのあるエッジが特徴の特別デザインのモデルである。「308」は排気量約3000cc、V8DOHCエンジンを搭載していることに由来して名付けられた。最高出力は255psである。

希少な特別仕様のフェラーリ

フェラーリには、特別仕様の限定生産車があり、プレミアがついている車種がある。台数が限定されているため、すぐに予定台数に達し、購入できないことも多いようだ。

フェラーリ ラ フェラーリ

ラ フェラーリは、フェラーリ エンツォの実質的後継車であり、F150 Projectとして開発された。関係者の間ではニュー・エンツォとして親しまれている。フェラーリ初のハイブリッド市販車であり、V12気筒エンジンを搭載した。最高出力800ps、最大トルク700Nm、0km/h→100km/hの加速は3秒以下となっている。世界限定499台のみの特別限定車で注文は既に終了している。2016年8月にイタリアで発生した地震のチャリティのために500台目として1台追加生産された。

フェラーリ J50

J50は、日本進出50周年記念特別限定モデルとして10台限定で日本のみで販売された。1台1台オーナーのリクエストに合わせてテーラーメイドで仕上げられている。フェラーリ伝統の「フォーリ・セリエ」の精神で製作された。搭載された3.9LのV8エンジンはインターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤーで総合優勝に輝き、最高出力690psとなっている。デザインの革新性と品質に対する最高の評価、世界的デザイン賞レッドドット・アワードのレッドドット最高賞に輝いた。

フェラーリ F12tdf

F12tdfは、F12ベルリネッタの高性能版として799台限定で生産された。F12tdfの発表を行った「フィナーリ・モンディアーリ」の最終日にセバスチャン・ベッテルがサーキットで走りを披露した。「バーチャルショートホイールベース」という後輪操舵のシステムを採用し、V型12気筒エンジンが搭載され、最高出力780ps、最大トルク705Nm、0-100km/hまでの加速が2.9秒に短縮された。

フェラーリを欲する純粋な気持ちに耳を傾ける

時代と共にラインナップが多くなり、フェラーリを欲する富裕層が増えたが、多く売るためのマーケティングはブランドを下げかねないという理由で行わなかった。愛好家のフェラーリを欲する気持ちを奮い立たせる水準を守り、1台1台丁寧に全精力を傾けている。

フェラーリを自分仕様にカスタマイズするテーラーメイド・プログラム

フェラーリには、オーナー(購入者)の個性や要望を車両に反映することを目的としたテーラーメイド・プログラムがある。1950年代から始まったシステムであり、デザインチームの研究開発によって、素材、クラフトマンシップあふれる仕上げやカラーリングの選択が無限に広がった。

新車のフェラーリを正規ディーラーで購入するなら

フェラーリの正規ディーラーは、有名な「コーンズ青山」を始め日本全国に6ヶ所存在する。他にサービスセンターやショールームでも購入できる。購入の際は、車種を決め、オプション等のデザイン変更後、生産枠を確保するために本国への問い合わせで1ヶ月程度費やす。その後、3ヶ月くらいでプロダクションが完成し、船便で日本に到着後、簡単なチェックや整備が全て完了し納車となる。オーダーから6~7ヶ月程度は時間がかかり、納車までの時間にはフェラーリの世界観がわかるキット「ウェルカムフェラーリ」をはじめいくつかの贈り物が購入者の元へ届く。納車までの期間もフェラーリの世界を楽しめるはからいである。

現実的に考えるフェラーリの維持費

フェラーリの購入前に維持費を頭に入れて置く必要がある。488GTBを例に挙げると1年間にかかる費用は自動車税6万6500円、重量税7500円、年間1万km走行を想定してガソリン代24万円、駐車料金24万円、自動車保険30~40万円と最低でも100万円は維持費にかかる計算となる。燃費が悪いため、ガソリン代も高くつき、別途メンテナンス代もかかってくる。ただメンテナンス代はフェラーリの正規ディーラーで新車を購入すれば、7年間無料で受けられる。これは自動車メーカーとしては初めての試みであり、フェラーリ独自のプログラムである。他にも購入4年目以降延長保証があり、なるべく低負担にて維持管理できる仕組みが用意されている。

中古のフェラーリでもあなたは満足できる

フェラーリの中古車は800万円~4500万円と人気車種、走行距離によって幅がある。フェラーリは一般車種と比べて中古価格が下がりにくく、希少性から新車価格を上回ることすらある。また、新型車の登場により旧型車の人気が再燃し価格が高騰することも大いにある。特別限定車は新車以上の値段がつけられることもあるため、今後の維持費やメンテナンス代を考えると新車の方がお得になる場合もあり得るのだ。

フェラーリのレプリカでも構わないあなたらなら

フェラーリを購入したくても中古も高値が付くため、手が出ない方にはレプリカもおすすめである。オリジナルを忠実に再現したモデルからレプリカだとすぐにわかるものまであり、レプリカはベースとなる車からエンジンやトランスミッション等の重要な部品を流用して作られる。比較的安価で生産台数の多い車種がベースとして使われていることが多い。

フェラーリを手にすることはできないけど、見て楽しむだけなら

比較的安価なレプリカでも一般車に比べて高額であり、購入を諦める人の方が多いのではないだろうか。手に入れることができなくても、見て楽しむことができる。フェラーリのミニカーや所有者のブログの閲覧でフェラーリの世界を味わうことができよう。

フェラーリのミニカー

高級車はミニカーが作られていることが多く、好きな車種を手軽にコレクションできる。ミニカーと言ってもおもちゃではなく、本物のように精密に作られており、値段は2000円程度から5万円以上するものまでさまざまである。

フェラーリ所有者のブログ

フェラーリなど高級スポーツカー所持者のブログを閲覧して楽しむこともおすすめである。クルマのSNSサイトがあり、車種別に選ぶことや更新情報を知ることができる。自分のお気に入りのブロガーさんを見つけて気持ちを共有してみてはいかがだろうか。

フェラーリを愛してやまない人たちに向けて

Photo by Alexandre Prévot

フェラーリ好きな人に向けてさまざまな商品の販売もされている。

フェラーリスニーカー

スポーツブランドのPUMAからフェラーリのスニーカーやアパレル商品などが販売されている。フェラーリの商品だからと高額というわけでなく、比較的安価で購入できる。フェラーリレーシングチーム「スクーデリア フェラーリ」がコラボした、スウェード50周年記念スニーカー「SF Suede 50」の発売も2018年6月7日から開始されている。プーマストアやプーマ取り扱い限定店舗、公式オンラインストアにて購入が可能だ。

フェラーリ腕時計

フェラーリの腕時計、スクーデリア・フェラーリ・ウォッチは、フェラーリブランドの前身となっている。2017年スクーデリア・フェラーリから創業70周年を記念した限定モデル「PRIMATO」が全国の正規取扱店にて販売された。フェラーリ・デザインチームが限定モデルのデザインを担当し、カーボンファイバーを使用したケースやダイヤル、独特のケース構造、ブラックナイロン製のストラップなど、フェラーリ・デザインチームのこだわりが随所に現れている。

フェラーリ遊園地

アラブ首長国連邦の首都アブダビにはフェラーリの遊園地「フェラーリ・ワールド」が存在する。フェラーリをテーマにした園内には、高級スーパーカーの展示やショー、乗り物が充実している。一番の人気はジェットコースター「フォーミュラ・ロッサ」であり、急発進・急加速してわずか4.9秒で時速240kmの最高速度に達する。世界最速のジェットコースターだ。本物のF1のような速さは、ファンには堪らない体験となるであろう。

(main)Photo by Alexandre Prévot

Webメディア「éditeur」は、2019年6月13日をもってサービスを終了しました。一部コンテンツは、「ママテナ」に移管しております。引き続きお楽しみください。
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