日常生活の中で、集中力がない・失敗が多い・人間関係でトラブルを起こしやすいなどの困りごとを抱えていませんか。
このような悩みを調べた際に、注意欠陥・多動性障害(ADHD)に行きついた人も少なからずいらっしゃるでしょう。
最近よく耳にする注意欠陥・多動性障害(ADHD)という障害は一体どのようなものなのでしょうか。
今回は注意欠陥・多動性障害(ADHD)の子どもへの接し方・診断について詳しく解説いたします。
※この記事はメディカルドックにて『「注意欠陥・多動性障害(ADHD)」の症状・原因・受診の目安はご存知ですか?』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
伊藤 有毅(柏メンタルクリニック)
精神科(心療内科),精神神経科,心療内科。
保有免許・資格
医師免許、日本医師会認定産業医、日本医師会認定健康スポーツ医
注意欠陥・多動性障害(AHDH)の接し方や注意点

注意欠陥・多動性障害(ADHD)の子供への接し方で注意することは?
注意欠陥・多動性障害(ADHD)の子供への接し方で大切なことは、理解・評価・支援・指導の4つを意識することです。注意欠陥・多動性障害(ADHD)の子供をもつ養育者は、子供の育てにくさから疲弊していることも少なくありません。しかし、一番苦しんでいるのは本人であり、困りごとを改善しようと悩んでいるのです。そのため、まずは子供の障害や日々悩んでいることを理解してあげましょう。
また、失敗の多さから自己評価が低くなっている場合があるため、努力していることや得意なことなどを積極的に評価することで自分に自信を持つ手助けになります。そのうえで、家庭・学校・病院などとも連携して注意力や運動のコントロールができるように指導し、治療を支援することが大切です。
大人の注意欠陥・多動性障害(ADHD)はどこで診断してもらえますか?
大人の注意欠陥・多動性障害(ADHD)は主に精神科専門の病院やクリニックで診断してもらえます。通常の精神科で診断や治療を行う場合もありますが、注意欠陥・多動性障害(ADHD)は発達障害に関する専門的な知識が必要なため注意が必要です。また、大人の注意欠陥・多動性障害(ADHD)は子供に比べて診断が難しいこともあり、専門医に診察してもらうことが望ましいでしょう。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
周りに理解され辛く、本人でも気づかない場合がある注意欠陥・多動性障害(ADHD)では、困りごとの悩みから不安やうつなどの心理的問題を抱える人も少なくありません。そのため、早期発見・早期治療によって生活の質の向上を目指すことが大切です。治療を行うことで学校や職場での成績向上・人間関係におけるトラブルの減少・自己評価の向上が期待できるでしょう。治療は長期にわたりますが、継続することで日常の困りごとを軽減する手助けになります。注意欠陥・多動性障害(ADHD)が疑われる場合には、放置せずに医療機関などで相談するようにしましょう。
編集部まとめ

子供から大人まで幅広い年代にみられる注意欠陥・多動性障害(ADHD)は、注意力や運動のコントロールの難しさから、学校・職場・人間関係など日常生活に支障をきたします。
時にはそれらの困りごとが原因で、自己評価が低くなり不安やうつなど心理的な問題を引き起こすケースもあるのです。
療育・心理療法・薬物療法などを継続的に取り入れながら、注意欠陥・多動性障害(ADHD)の特性をコントロールし、生活の質の向上を目指すことが大切です。
日常での困りごとから生き辛さを感じる場合には、我慢せずに専門のクリニックや病院などで相談しましょう。
参考文献
今村明先生に「ADHD」を訊く(日本精神神経学会)

