4000万人以上の日本人が治療をしているといわれている「高血圧症」について解説します。
高血圧症は、塩分の摂りすぎ・肥満・喫煙などの生活習慣が原因となって引き起こされる「生活習慣病」のひとつです。
自覚できる症状がないため気付かないうちに動脈硬化が進み、脳血管障害などのリスクが高くなってしまうこともあります。
放置すれば命の危険にも繋がる危険な病気ですので、早期発見・早期治療を心がけることが大切です。
※この記事はメディカルドックにて『「大人の軽度知的障害の特徴」はご存知ですか?日常生活における影響も解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)
1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。
高血圧(高血圧症)の改善のための生活習慣

改善のために生活習慣で意識することはありますか?
一番重要なのは、やはり食生活の改善です。特に減塩することを心がけましょう。また、適度に身体を動かすことも血行を促し、高血圧の改善に繋がります。ポイントは毎日続けることです。運動を毎日続けることで血圧を下げるホルモンの増加・血圧を上げるホルモンの減少・肥満の改善などが期待できます。運動の強度としては、少し脈が速くなる早歩き程度のウォーキングがおすすめです。
その他にも、お酒を控える・禁煙・ストレスの発散などを心がけるようにしましょう。
食事で注意することはありますか?
やはり「減塩」が最も重要です。食事は薄味にし、漬物や加工食品など塩分の高いものは少なめにしたほうがよいでしょう。また、ラーメンやうどんなどのスープは全て飲み干さず、残すことを心がけてください。その他には、野菜や果物に含まれるカリウムや乳製品に含まれるカルシウムを摂取することも大切です。カリウムは塩分を身体の外に尿として排出してくれる働きが期待できます。ただし、腎臓に病気がある人は主治医に相談しましょう。
また、カルシウムは血圧を安定させる効果が期待できるともいわれています。そのため、積極的に食事に取り入れるようにしてみてください。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
高血圧症は、静かに発症し身体をむしばんでいく危険な病気です。自覚症状がないため、気付かないうちに脳梗塞や心筋梗塞のリスクが高まっていることもあります。血管障害は命の危険に関わることが多い病気ですので、早めに治療を開始することが重要です。また、高血圧症は生活習慣を改善することで血圧の数値の改善が期待できます。日頃から減塩や適度な運動を心がけるようにしましょう。
編集部まとめ

自覚症状がないことからサイレントキラーとも呼ばれている高血圧症についての質問にお答えしました。
高血圧症は、遺伝に加え日々の生活習慣が原因となり引き起こされる生活習慣病のひとつです。
塩分の過剰摂取・運動不足・過度な飲酒などに心当たりがある人は、早めに病院で検査を受けるのがおすすめです。
また、その他に過度なストレスが原因となることもあります。できるだけこまめにストレスを発散し、身体への負担を減らすように心がけましょう。
参考文献
高血圧
高血圧治療ガイドライン2019

