指先が痺れる症状を治すには？メディカルドック監修医が対処法や考えられる原因・病気・何科へ受診すべきかなどを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。
監修医師：
柏木 悠吾（医師）
宮崎大学医学部卒業。宮崎県立宮崎病院、宮崎大学附属病院で研修。地元地域に貢献すべく、2022年より橘病院（宮崎県）に勤務。日本医師会認定スポーツドクター。日本整形外科学会、日本骨折治療学会、日本人工関節学会会員。他に日本医師会認定産業医などの資格を有する。
「指先が痺れる」症状で考えられる病気と対処法
指先が痺れて痛い症状は、さまざまな原因で発生する、誰しもが経験する可能性のある症状です。指先のしびれについて、考えられる原因とその対処法について解説します。
中指の指先が痺れる症状で考えられる原因と対処法
中指の指先に痺れがある場合、手や腕の神経が圧迫されているか、血流が一時的に悪くなっていることが原因かもしれません。例えば、長時間同じ姿勢で作業を続けた結果、手や指に負担がかかり、この痺れが発生することがあります。対処法としては、指を動かして血行を促進することや、手や腕をリラックスさせるために軽いマッサージを行うことが効果的です。また、温かいタオルを使って手を温めることも、症状を和らげる助けになります。中指の痺れは、手根管症候群や肘部管症候群などの神経圧迫症候群が原因となっている可能性があります。また、首や肩の筋肉が緊張している場合にも、このような痺れが発生することがあります。痺れが長期間続いたり、強くなるようであれば、整形外科や脳神経内科での診察を受けるのがよいでしょう。
糖尿病で指先が痺れる症状で考えられる原因と対処法
糖尿病を診断されている方で、指先が痺れることは、糖尿病性神経障害が原因かもしれません。これは、血糖値が長期間高い状態が続くことで神経が損傷し、指先や足先に痺れや感覚の鈍さを引き起こします。この場合、痺れは両手両足に現れることが多く、指先がチクチクと痛むように感じることもあります。対処法としては、まず血糖値を適切に管理することが最優先されます。インスリン治療や食事療法を続けることで、症状の進行を防ぐことができます。また、痺れを感じた際には、手を温めて血行を促進することが一時的な緩和に繋がります。まずはかかりつけの内科で相談しましょう。
寒くて指先が痺れる症状で考えられる原因と対処法
寒いと指先が痺れ、さらに指先が白くなる場合、これは血管が収縮し、血流が悪くなることで発生します。寒さによる痺れは、しばしば「レイノー現象」と関連しています。寒さやストレスが原因で血管が一時的に狭くなり、指先に十分な血液が届かなくなる状態です。対処法としては、手袋などを装着して手を温めることが最も効果的です。また、温かい水に手を浸すことで血流を促進し、症状を和らげることも可能です。しかし、頻繁にこうした症状が現れる場合や症状が強い場合は、血管外科や内科で診察を受け、診断を受けることが重要です。病気が進行すると、指先の血流が慢性的に悪くなるリスクがあるため、早期の治療が必要です。
親指の指先が痺れる症状で考えられる原因と対処法
親指の指先が痺れる場合、これは手根管症候群が関与している可能性があります。手根管症候群は、手首の部分で神経が圧迫され、親指や人差し指、中指に痺れや痛みを引き起こします。特に、親指の使いすぎや、長時間にわたって同じ動作を繰り返すことが原因となることが多いです。まずは、手を休めることが大切です。軽いストレッチやマッサージを行うことで症状を軽減できる場合もありますが、症状が続く場合は、整形外科を受診しましょう。場合によっては、手術が必要なこともあります。
左手の指先が痺れる症状で考えられる原因と対処法
左手の指先が痺れる症状は、首の神経に問題があるかもしれません。特に頚椎ヘルニアや神経根症という病気の可能性があります。この場合、首や肩に負担がかかり、神経が圧迫されることで左手全体や指先に痺れが広がります。また、狭心症や心臓に関連する病気でも左手の指先に痺れが生じることがあります。
左手に痺れを感じた場合は、まず安静にして首や肩をリラックスさせるようにしましょう。軽いストレッチを行い、肩や首の筋肉をほぐすことで症状が緩和されることもありますが、痺れが続く場合や心臓関連の問題が疑われる場合は、早急に循環器内科または整形外科を受診することが必要です。
朝起きると指先が痺れる症状で考えられる原因と対処法
朝起きたときに指先が痺れている場合、寝ている間の姿勢が原因で神経が圧迫されている可能性があります。例えば、腕を枕の下に置いたまま眠っていたり、手首が曲がった状態で長時間眠ることで、手の血流が妨げられ、痺れが発生することがあります。
このような場合、起床後に手や指を軽く動かしたり、ストレッチを行うことで血行が促進され、痺れが解消することが多いです。しかし、痺れが頻繁に発生する場合や、時間が経っても改善しない場合には、早めに整形外科を受診しましょう。
指先が痺れて痛い症状で考えられる原因と対処法
指先が痺れとともに鋭い痛みを伴う場合、これは神経が炎症を起こしているか、強く圧迫されていることが原因と考えられます。先程の手根管症候群や頚椎症などが原因かもしれません。症状がひどいとき、まずは手を安静にしましょう。それでも改善がみられないとき、根本的な原因の治療が必要なため、整形外科や脳神経内科での診察が必要です。
すぐに病院へ行くべき「指先が痺れる」に関する症状
ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。
突然の片側の指にしびれが現れた場合は、脳神経外科へ
突然片側の指先に強い痺れが現れた場合は、脳血管に異常が発生している可能性があります。このような症状は脳卒中や脳梗塞などの重大な疾患の兆候であることが多く、放置すると命に関わる危険性があります。
症状としては、片方の手や指が急激に痺れ、同時に顔や足の片側にも麻痺が生じることが一般的です。ろれつが回らなくなる、視界がぼやける、または歩行が困難になるといった症状も見られることがあります。これらの症状が現れた場合、早期に治療を行うことが重要となります。すぐに脳神経外科を受診し、早急な検査と治療を受けることが求められます。緊急性が高いため、すぐに救急車を呼ぶようにしましょう。
受診・予防の目安となる「指先が痺れる」ときのセルフチェック法
・腕のしびれがある場合
・指先の痛みがある場合
・指の動かしにくさがある場合
・喋りにくさがある場合
