地域や季節によっても違う。奥が深いお漬物の世界
重信:白央さんは、自分でもお漬物を作るんですか?
白央:はい。はじめて浅漬けを作ったとき、なんだか自分がすごく料理上手になったようでテンションが上がりました。重信さんは中学生のときに漬物の道を志したそうですが、おいしい漬物がおうちにある環境だったのでしょうか?
重信:いや、そんなこともないんですよ。でも、とにかく漬物を食べるのが大好きでよく作っていました。
白央:よく漬ける食材はなんですか?
重信:キャベツが多いです。撮影でキャベツを使うときって、緑のきれいな部分だけ使うから芯の部分が余るんですけど、芯こそ甘くておいしいんですよ。白菜もそうなんですけど。にんじんとかきゅうりとかセロリの葉っぱとか、余った野菜はぜんぶまとめて浅漬けにします。
白央:ミックス漬けみたいな。漬けるのが難しい野菜ってありますか?
重信:たとえば里芋など、生で食べない野菜は難しいと思われがちですが、茹でてから漬けるとおいしくできます。逆に、アクのない野菜や生で食べられる野菜はなんでも簡単に漬けられますね。

白央:日本でも地域によっていろんな漬物がありますよね。たとえば奈良漬けとか。
重信:奈良漬けにクリームチーズを合わせるとおいしいんですよ。
白央:わかります。僕は、奈良漬けをフリットにするのが好きです。
重信:味の想像がつかない!私も旅先で変わった漬物があると買っちゃいます。青森に「すしこ」というもち米の漬物があるんですけど、これがおいしいんですよ。
白央:漬物って地域によっても違うし、季節によっても違うからおもしろいですよね。
重信:そうですね。たとえば、春なら行者にんにくの漬物がおいしいです。醤油、唐辛子、酢、砂糖で漬けるの。
白央:夏は生姜とか?
重信:そう。生姜の漬物はピクルスみたいに、甘さ控えめの漬け汁を煮立ててかけるのが好き。かたまりでゴロゴロ漬けてます。
白央:梅干しも漬けますか?以前は3回干しが一般的でしたが、最近は気温が上がりすぎているため、「2回干しでいいんじゃないか」なんて声もあるみたいですね。
重信:梅干しも漬けます。たしかに、気候の変化によって漬物も変わってきていますよね。野菜の旬も、物によっては前倒しになっているし。柔軟に対応したいものです。
参加者の皆さんによる試食&交流会

今日紹介したお漬物とアレンジ料理を参加者の皆さんにも食べていただきました。
試食した皆さんからは
「全体的に塩分控えめで、お漬物なのにサラダみたいにパクパク食べられます。」
「きゅうりの浅漬けは昆布茶の旨味が効いていて、昆布茶を入れるだけでずいぶん違うんだなと感じました。」
「なすの浅漬けの炒め物がすごくおいしい!油っぽくなくてさっぱりしています。」
などの声が上がりました。

会場では重信さんと白央さんの書籍を販売

試食のあとは交流会。参加者の皆さんが重信さん・白央さんとお話をしたり、書籍にサインをもらったりしました。
今回重信さんが教えてくれたレシピは誰でも失敗なく作ることができます。「お漬物を作ってみたいけど、何から始めたらいいのかわからない」という方は、まずは基本のきゅうりとなすの浅漬けをマスターしましょう。アレンジの幅も広いですし、慣れてきたら他の野菜を漬けるのも楽しくなりますよ!お漬物ライフの一歩を踏み出し、食卓に旬を取り入れましょう。
