夫と結婚して以来、夫の実家から多額の援助を受けている主人公・よりこ。妊娠と新居のお祝いも義実家全員からたくさんいただいてしまい、自分の実家との違いを感じて恐縮していました。
妊娠、新居探し…華やかな未来
これは私がまさあきさんと結婚してからの、わずか2年の間に起こった、人生における最も大きな転機についての物語です。その2年間は、まるで夢のように幸せな日々でした。
年上のまさあきさんは、私を常に大切にしてくれ、仕事のストレスを感じさせない明るい家庭を築いてくれました。当時私は20代、まさあきさんは30代。穏やかで、本当に充実した毎日でした。
そんな中、2人の間に子どもを授かり、マイホームを建てることを決めました。まさあきさんと二人で、毎週末、ハウスメーカーを巡り、土地探しに奔走しました。
幸いなことに、私たちは比較的スムーズに、理想に近い土地を見つけることができました。交通の便も良く、日当たりも申し分ない、静かな住宅地の一角です。
出産まであと1ヶ月というギリギリのタイミングでしたが、無事に土地の契約を済ませ、胸をなでおろしました。
「あとはゆっくり休んで、元気な赤ちゃんを産むことだけ考えよう」
まさあきさんは優しくこう言ってくれて、私はこの地での新しい暮らしがとても楽しみでした。
素敵な義両親
土地が決まったことを、私たちは義両親にご報告しました。まさあきさんのご実家は、いわゆる裕福な家庭。義父は自身で会社を経営されており、義母もまた別の企業の取締役を務めているそうです。
「なんとか家の土地が決まったよ」
まさあきさんがそう伝えると、義両親は満面の笑みを浮かべ、本当に心から喜んでくださいました。その直後、義母は少し真面目な顔になり、私たちに向かって言いました。
「よりこさん、まさあき。これは私たちからの新築祝いと出産祝いを兼ねたお祝いとして受け取ってね」
そう言って義母が差し出されたのは、なんと現金で500万円が入った熨斗袋。私は思わず息を呑みました。500万円の現金だなんて、私の人生で一度に見たことのない金額です。
「お義母様、さすがにこれは受け取れません!」
私はすぐに辞退しました。それも、私たちが結婚した時、すでに義実家からは300万円もの結婚祝いをいただいていましたからです。引っ越しの際にも色々な家電を義実家が負担して購入してくれました。それなのに、また大金を受け取るなんて、恐れ多くてできません。
「お義母様、前回の引っ越しでも、全部家電を揃えていただいて……本当に十分すぎます。今回ばかりは、私たちで頑張りたいです」
私が必死にそうお伝えすると、義母は微笑みながら、優しく、しかし有無を言わせない口調で返されました。
「よりこさん、気持ちは嬉しいけれどね。このお金は、いずれ、いつか、あなたたちに渡すつもりだったお金なの。私たちのためと思って受け取ってくれたらいいのよ」

