ミユの夫、ユウイチによる心ない言葉に衝撃を受けたミユの友人、ハルナ。ミユを案じたハルナにより提案されたのは、モラハラで麻痺しているミユにとってまさかの内容でした。
自分では気づけなくなっていた、大事なこと
「じゃあ、そろそろ帰るね。また連絡する」
夕飯のあとすぐに私の家をあとにしたハルナでしたが、その夜、メッセージが届きます。
「ねえ、今旦那が見ていない場所に行ける?電話したいの」
夫はもう寝ていると返信すると、すぐに電話が入りました。私はベランダに出て通話ボタンを押しました。
「ねえ、ミユの旦那、やばいよ」
開口一番、ハルナはこう言いました。ハルナは、私の自己卑下や、ユウイチの冷たい態度、そして家の中の異様な空気を感じ取っていたようでした。
「さっきの言葉もだし…異常に傲慢で、ミユを下に見てる。あれ、モラハラってやつだと思った。ミユ、気づいてる?」
私は、ハルナの言葉に一瞬、息を呑みました。「モラハラ」。その言葉を、私は心のどこかで避けていたのかもしれません。
「今はターゲットがミユだけど、ユカちゃんには何もしていない?あの態度、ちょっと心配になって連絡しちゃったよ…」
ハルナのその言葉は、私の胸に重くのしかかりました。これまでは、私が耐えれば良いと思ってきましたが、ユカにまで危害が及ぶ可能性もあるということ?私はいてもたってもいられなくなりました。
ミユがモラハラ夫から逃げ出さない理由
ハルナに心配してくれていることのお礼を伝えつつ、改めて夫やユカがいない場で話したいと伝えました。数日後、私はハルナと近所のカフェで会いました。ユカは私の母に預けて。
「ハルナ、心配してくれてありがとう。私…本当は、ずっとつらかったの。ユウイチから逃げたくて」
私は涙ながらにそう打ち明けました。ハルナは黙って私の話を聞きながらうなずいてくれました。でも、私には逃げ出すのをためらう理由がありました。
「でも、ユカから父親を奪うのは不安なんだ。今はユカにとって嫌な父親じゃないし、仕事もしてくれる。そんな父親と離別させていいのかな…。それに、親をがっかりさせるのも気がかりでね…」
私の言葉を聞いたハルナは、静かにコーヒーを一口飲み、私の目を見つめました。
「ミユはさ、ユウイチさんのことをユカちゃんを育てるパートナーとして尊敬できてる?あの家は家族が安心できる場所なの?」
私は首を横に振るしかありませんでした。ユウイチのいる家は、常に緊張と冷たい空気で満ちていて、とても安心できる場所ではありません。

