割り切ることも大事
私は、タケルの言葉を胸に、光代さんのことは「ご近所さん」としてとらえるようにした。光代さんから育児論をつづったLINEがきても、自分の考えをむやみに語ったり、言い返したりしない。
「そうなんですね。そんな考え方もあるかもね」
とあいまいに返して、以降は無理に返信しない。最初は、光代さんが戸惑っているようにも思えたけれど、だんだん自分語りのようなLINEはこなくなった。隣人である限り、顔を合わせることは避けられないけれど、だからといって無理に気遣って仲良くしようとしなくていい。
それ以来、美里と桃子ちゃんが家を行き来するときには連絡を取り合うくらいの距離感で付き合いを続けている。先週授業参観があって学校で光代さんを見かけたら、光代さんは光代さんで仲良く話せる相手を見つけたようだった。
私も、今美里と仲良くしてくれている子のママがおおらかで、いいお付き合いができそうに感じている。
今回のできごとを通じて、近所のママ友とのお付き合いについて考えるきっかけになった。今後も自分にとって無理がない、楽しくできる人間関係を大切に育児を続けていきたいと思っている。
あとがき:夫の助言:「ママ友」から「ご近所さん」へ
長く苦しんだ直美さんを救ったのは、夫タケルのシンプルな一言「ご近所さん」と割り切るという境界線の提案でした。この言葉は、直美さんの心を「理解し合えるママ友でなければならない」という呪縛から解放しました。
子どもたちの成長が物理的な距離を生んだことも後押しとなり、直美はLINEでの対応を事務的に変えるという具体的な行動に出ます。これは、相手を変えるのではなく、自分と相手の関係性の定義を変えるという、自立的な心の成長の物語です。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
記事作成: ゆずプー
(配信元: ママリ)

