蕁麻疹(じんましん)とダニ刺されは、いずれも皮膚に赤みとかゆみを引き起こすため、見た目だけでは区別がつきにくいことがあります。しかし、原因や症状の出方には違いがあり、対応の仕方も異なります。さらに、ダニに刺されたことがきっかけで蕁麻疹が生じる場合もあるため、注意が必要です。
この記事では、蕁麻疹とダニ刺されの違いや、ダニによる蕁麻疹の可能性、検査や治療について解説します。

監修医師:
林 良典(医師)
消化器内科
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眼科(角膜外来)
蕁麻疹とダニ刺されの見分け方

蕁麻疹とはどのような病気ですか?
蕁麻疹は、皮膚に赤みとかゆみを伴って盛り上がる膨疹(ぼうしん)が突然現れる病気です。多くの場合、強いかゆみを伴いますが、チクチクするような刺激感や焼けるような感覚を覚えることもあります。
蕁麻疹の原因は、アレルギー性のものと非アレルギー性のものに分けられます。
膨疹は数十分から数時間以内に消えますが、症状が強い場合は次々に新しい膨疹が出現し、常に発疹が続いているようにみえることもあり、数日続くこともあります。
蕁麻疹はよくみられる疾患で、一生のうちに15〜20%の方が一度は経験するといわれています。
参照:『皮膚科Q&A 蕁麻疹』(公益社団法人日本皮膚科学会)
蕁麻疹の外見を教えてください
蕁麻疹は、皮膚の表面に赤く盛り上がった膨疹が現れるのが特徴です。膨疹は大きさも形もさまざまで、小さな1〜2mm程度のものから手足全体を覆うほどの大きなものまであります。
膨疹が重なって広がると、体表の大部分が赤く盛り上がることもあります。周囲には赤みが広がることが多く、形は丸いものや不規則なものなどさまざまで、同じ方の身体でも異なることがあります。
ダニに刺されるとどのような見た目になりますか?
ダニに刺されると、皮膚に赤みや、小さなかゆみの強い赤い発疹がみられます。数個がまとまって出ることも多く、人によっては赤みが広がる場合もあります。刺された部分はぷっくりと盛り上がり、蚊に刺された跡に似ていますが、かゆみが数日続くことがあります。
蕁麻疹とダニ刺されの見分け方を教えてください
蕁麻疹の皮疹は、蚊に刺されたときのように赤く境界がはっきりした膨疹で、かゆみを伴います。形は平たく広がったり、赤い輪のようになったりすることもあります。数時間から数日以内に跡形もなく消えるのが特徴です。
一方、ダニに刺された場合は、皮膚が盛り上がり、しこりの状態になることがあります。刺されやすい部位は、首や肩、太ももやお腹、上腕の内側など、衣服で覆われていてもやわらかい部分です。強いかゆみを伴い、症状が数日続くことがあります。
【蕁麻疹とダニ刺され】症状の違い

蕁麻疹の痒みとダニ刺されの痒みはどう違いますか?
蕁麻疹の痒みは、皮膚が赤く盛り上がる膨疹の出現と同時に起こります。膨疹と痒みは短時間で消えることが多いですが、症状が強い場合には次々と新しい皮疹と痒みが現れ、常に膨疹が出ているように見えることもあります。痒みを伴う膨疹が24時間以内に出現する場合は、ほぼ蕁麻疹と判断できます。
一方、ダニは、わき腹や下腹部、ふとももの内側などを刺し、刺された部位には赤い発疹が出現し、強い痒みが数日続きます。
蕁麻疹やダニ刺されにはかゆみ以外の症状はありますか?
蕁麻疹は強いかゆみだけでなく、赤みを伴う膨疹や紅斑が特徴です。まぶたや唇などに深いむくみ(血管性浮腫)が出ることもあります。多くは皮膚症状にとどまりますが、腹痛・発熱・吐き気・呼吸困難など全身症状を伴うこともあり、その際はアナフィラキシーなど重い病気との鑑別が必要です。
ダニ刺されの場合、家の中にいるダニでは、かゆみとともに赤み・腫れ・小さな発疹が出るのが典型的です。刺し口が赤い点やかさぶた状に見えることもありますが、症状は皮膚に限られ、全身症状はほとんどみられません。
一方で、屋外のマダニは病原体を媒介することがあり、発熱や頭痛、筋肉痛、消化器症状(食欲不振・嘔吐・腹痛・下痢)、リンパ節の腫れ、呼吸器症状、出血症状など、感染症に関連する全身症状が現れることがあります。

