「肥大型心筋症」はどんな症状が現れるかご存じですか?なりやすい人も医師が解説!

「肥大型心筋症」はどんな症状が現れるかご存じですか?なりやすい人も医師が解説!

肥大型心筋症の検査法

心電図

健康診断や内科、循環器科で検査を行います。肥大型心筋症の75~96%で心電図異常を認めるため、スクリーニング検査として有効です。動悸などの症状があれば、ホルター心電図を行い不整脈の有無を確認します。いずれも外来で行う検査です。

心エコー

心エコーとは、超音波を用い心臓の構造的な異常を調べる検査です。内科、循環器科で行います。心エコー検査で心筋の厚さ、左室流出路狭窄、弁膜症などを確認します。外来で行う検査です。

心臓MRI・核医学・心臓CT

心臓MRI検査では、心臓の形態、構造をより深く調べることができます。心エコー検査では分かりにくい前側壁、心尖部の評価が可能です。また造影剤を用いて心臓の状態をより分かりやすくすることで、肥大型心筋症とその他の心筋肥大を起こす疾患との鑑別に役立ちます。核医学検査では放射性同位元素の心筋の取り込み具合を見ることで、心筋の血流、心臓交感神経機能の評価が可能です。心臓CTでも心臓の形態評価、壁運動評価、冠動脈の血流評価を行うことが出来ます。いずれも外来にて検査を行います。

心臓カテーテル検査・心筋生検

循環器科・総合病院や心臓専門病院で行います。血管の中にカテーテルを挿入し、そのカテーテルを心臓まで到達させ、造影剤を注入することで左心室の形態評価、僧帽弁逆流を評価します。また右心室にカテーテルを挿入することで心拍出量を測定します。心筋の一部を採取(心筋生検)し、その他の心筋症の鑑別を行うこともできます。いずれも入院して行う検査であり、侵襲的な検査であるため、必要性は病態に応じて判断します。3~4日の入院を必要とします。

遺伝子検査

大学病院や高度医療機関で実施しています。一般病院では行っていないため、検査の際はまず近隣の循環器内科を受診し、ご相談ください。

肥大型心筋症の治療法

薬物療法

循環器科で内服治療を行います。β遮断薬やカルシウム拮抗薬という薬で、拡張障害による自覚症状を軽減します。入院は不要で、外来での治療となります。
海外では閉塞性肥大型心筋症に対して、心筋の過収縮を抑制する「心筋ミオシン阻害薬」が使用されていますが、2024年12月時点では国内未承認です。

中隔縮小治療

息切れなどの症状があり、薬剤を使用しても改善しない閉塞性肥大型心筋症の方に行われる治療です。中隔縮小治療は外科的中隔心筋切除術と経皮的中隔心筋焼灼術の2つがあります。中隔心筋切除術は外科的に、厚くなっている心筋を手術にて切除します。経皮的中隔心筋焼灼術は肥大心筋を栄養している血管にエタノールを注入し、局所的な心筋梗塞を起こすことで心筋の壁を薄く(菲薄化)します。循環器専門病院で、手術者の経験数が10例以上、病院として手術実績が20例以上ある施設での治療が望ましいとされています。

ペーシング治療

循環器専門病院、総合病院で行います。心室頻拍、心室細動など命にかかわる危険な不整脈を起こした人、または起こす可能性の高い人に植え込み型除細動器を移植します。入院は1週間程度を必要とします。

「肥大型心筋症」についてよくある質問

ここまで肥大型心筋症について紹介しました。ここでは「肥大型心筋症」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

肥大型心筋症は完治するのでしょうか?

肥大型心筋症そのものは、遺伝子異常による疾患であるため、完治することは難しいと思われます。しかし肥大型心筋症に伴う不整脈や心不全は、適切な治療介入により改善することが可能です。そのため、肥大型心筋症と診断された場合は症状がなくても定期的な受診を行い、必要に応じて治療を受けることが重要です。

肥大型心筋症は難病指定されているのでしょうか?

無症状や、日常生活に支障がない場合は、肥大型心筋症と診断されても難病指定にはなりません。医療機関で各種検査行い、①指定難病の診断基準に合致している、②重症度分類などで一定以上の障害がある、という2つを満たせば難病指定されます。

肥大型心筋症を発症しても、仕事はできますか?

心臓に負担のかかる仕事、運動は控え、競技スポーツは避けることが望ましいとされています。また植え込み型除細動器が移植されている人は、長距離運転などの職業運転は出来ません。それ以外の仕事に関しては無理のない範囲でならば可能です。


まとめ

肥大型心筋症は無症状で経過することの多い病気です。診断された場合でも治療が不要なことも多くあります。またご家族や血縁者で肥大型心筋症と診断された場合は、現在症状がなくても、健康診断で心電図を行うなど、定期的な検査を推奨します。症状がある場合には、循環器科にて精査を行い、必要に応じて適切な治療を行うようにしましょう。

「肥大型心筋症」と関連する病気

「肥大型心筋症」と関連する病気は5個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

循環器系の病気

心不全

拡張型心筋症

心室頻拍

心房細動

弁膜症

肥大型心筋症に伴う不整脈や心不全は、適切な治療介入によって改善すると言われます。健診異常や気になる症状がある場合には、循環器内科で相談することをお勧めします。

「肥大型心筋症」と関連する症状

「肥大型心筋症」と関連している、似ている症状は4個ほどあります。各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する病気

胸痛

息切れ

動悸

立ちくらみ

肥大型心筋症は無症状で経過することの多い病気ですが、これらのような症状がある場合には、循環器科で早めに検査を受けて必要に応じた治療を行うことが推奨されます。

参考文献

日本循環器学会|心筋症診療ガイドライン(2018年改訂版)

難病情報センター|肥大型心筋症(指定難病58)

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配信元: Medical DOC

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