「ADHDの治療法」はご存じですか?日常における対処法も解説!【医師監修】

「ADHDの治療法」はご存じですか?日常における対処法も解説!【医師監修】

ADHDには、薬物療法やカウンセリング、環境調整など、さまざまな対処法があります。正しい知識を持つことで、生活の質を大きく向上させることが可能です。この章では、治療薬の特徴や日常生活でできる工夫など、実践的な対処法を紹介します。

三浦 暁彦

監修医師:
三浦 暁彦(医師)

【経歴】
2018年富山大学医学部医学科卒業。慶應大学病院、国立病院機構久里浜医療センター、国立国際医療研究センター国府台病院等で研鑽を積む。自身が不登校、うつ病となった経験から、誰でも気軽にかかれる医療を目指して2023年6月に「おおかみこころのクリニック」を開院。医師偏在等の精神科医療の問題点を克服するため、遠隔診療の研究にも従事し、2025年9月にAIを用いたオンライン診療所「ココフィー」をリリース。著書「脱うつのトリセツ」
【資格】
日本精神神経学会 専門医

ADHDの治療法と対処法

ADHDの治療は多面的なアプローチが効果的です。薬物療法と非薬物療法を組み合わせることで、症状の改善と生活の質の向上を図ります。

薬物療法の選択肢

ADHD の薬物療法には、主に中枢神経刺激薬と非刺激薬があります。中枢神経刺激薬は、脳内の神経伝達物質であるドパミンとノルアドレナリンの働きを活性化させることで、注意力や集中力の改善を図ります。日本では、メチルフェニデート徐放錠やリスデキサンフェタミンなどが使用されています。

これらの薬は即効性があり、服用後比較的短時間で効果を実感できることが多いです。注意力の向上、衝動性の軽減、多動性の改善などが期待できます。ただし、副作用として食欲不振、睡眠障害、頭痛、動悸などが現れることがあるため、医師との密な連携が必要です。

非刺激薬として、アトモキセチンやグアンファシン徐放錠があります。これらは中枢神経刺激薬とは異なる作用機序で、より穏やかに症状の改善を図ります。副作用が比較的少なく、長期間の服用に適しているとされています。

薬物療法の効果は個人差が大きく、同じ薬でも人によって効果や副作用の現れ方が異なります。そのため、医師と相談しながら、適切な薬の種類や用量を見つけることが重要です。また、定期的な診察により、効果や副作用のモニタリングを行う必要があります。

薬物療法は症状の軽減には効果的ですが、それだけでは根本的な解決にはなりません。生活スキルの向上や環境調整などの非薬物療法と組み合わせることで、より包括的な治療効果が期待できます。

日常生活での対処法

ADHDの方が日常生活で実践できる対処法は数多くあります。
時間管理は、アラームやタイマーを活用して作業時間を区切る、スケジュール管理アプリを使用する、重要な予定は複数の方法でリマインドするといった方法が効果的です。

整理整頓は、物の定位置を決めて必ず同じ場所に戻す習慣をつける、重要な物には目立つ色のテープを貼る、定期的に整理の時間を設けるなどの工夫が有効です。デジタルツールを活用し、写真で物の場所を記録しておくのも良い方法です。

集中力の向上は、作業環境を整える、25分間集中して5分間休憩するポモドーロ・テクニックを活用する、BGMやホワイトノイズを利用するといった方法があります。また、集中しやすい時間帯を見つけて、重要な作業はその時間に行うことも効果的です。

コミュニケーション面では、相手の話をメモしながら聞く、重要な約束は文書で確認する、感情的になったときは一呼吸置いてから返答するといった対処法があります。また、自分のADHDの特性を理解してもらうため、周囲の人に適切に説明することも重要です。

まとめ

発達障害は決して珍しいものではなく、適切な理解と支援があれば、その方の持つ能力を十分に発揮することができます。大人になってから発達障害に気づいた場合でも、遅すぎることはありません。自分自身の特性を理解し、適切な環境調整や支援を受けることで、より良い生活を送ることが可能です。周囲の理解と協力も得ながら、一人ひとりが自分らしく生きられる社会の実現が重要です。

参考文献

厚生労働省 発達障害の理解のために

厚生労働省 発達障害の特性(代表例)

日本発達障害学会

配信元: Medical DOC

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