
コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョンマンガ部」。今回は、漫画『無自覚ちゃんとオトメな男』(ナンバーナイン刊)を紹介する。作者の楽日さんが、8月19日に「情けないアタシ」と添えてX(旧Twitter)に本作を投稿したところ、1.4万件を超える「いいね」やコメントが多数寄せられた。本記事では、楽日さんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。
■“普通”と違うことに苦しみ続けてきた心の声が溢れ出す

凛太郎は、取り巻きと共に海兎と対峙していた。殴り合いの喧嘩が始まったものの、自分よりも体格の小さな海兎に凛太郎は倒されてしまい、「きゃァっ」と悲鳴をあげてしまう。さらに、青ざめる凛太郎を置いて、取り巻き達は悲鳴にざわつきながら逃げてしまうのだった。
1人残された凛太郎に、“大丈夫か”と声をかける海兎。その後、海兎から「なんで悪ぶってんだよー、普通にしてりゃいーじゃん」と言われた凛太郎は、つい「俺がっ…アタシがなんて言われてきたかわかる!?」と涙ながらに言い返す。大きな体格をしているのになよなよしていることを他人に指摘されてきて、“普通”というものに苦しんでいた凛太郎は心の内を吐き出し…。
この溢れ出した心情を描いた漫画を読んだ人たちからは、「2人とも優しくていい子なのが伝わってくる」「ここから立ち上がっていくんだね」「自分のままでいていいんだよ」「胸が詰まって言葉が見つからない」など、多くのコメントが寄せられている。
■強さと弱さを持つ凛太郎の苦悩

――本作のお話の発想の源はどこだったのでしょうか?
凛ちゃんの過去について、最初は「そりゃいい子だろうな」だったのですが、昔からいい子の凛ちゃんを想像してみると「味が薄い」と感じ、もっと、よくよく彼の人生を妄想していったら…グレてました。
――本作では、凛太郎が涙ながらに心情を吐露するようすが非常に印象的でした。本作を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあればお教えください。
凛ちゃんの弱さと強さに注目してほしいです! そもそも己の強い感情を差し置き、相手の事を1番に考えるなんて、人間に可能なのか疑問で… 凛ちゃんだって傷つきたくなくて目を背けたり言い訳する時もある。でもそれは欠点というか人間らしさで、その弱さを素直に認められるか、向き合う勇気があるか…がその人の本質な気がします。
――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
凛ちゃんが「きゃあ」と言っちゃって青ざめるシーンが好きです。 これまでに何があったのかこの表情が物語ってます。たーっくさん考察してほしいです!
――ストーリーを考えるうえで気をつけていることや意識していることなどについてお教えください。
基本的にハッピーな作品にしたいです。シビアな展開が続きすぎると、読んでて疲れないかと不安になります。でもそういうのもないと深みが出ないし…難しいです!
――今後の展望や目標をお教えください。
どんなに忙しくなっても、これまで通り、みな様に楽しく読んでもらい私も楽しく描き続けたいです。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!
いつも読んでくれてありがとうございます。もどかしい2人に温かく寄り添ってもらえて嬉しいです。 今後も楽しんでもらえるよう精進します!

