花粉症薬で眠くなる?第一世代と第二世代の「抗ヒスタミン薬」の違いを医師解説

花粉症薬で眠くなる?第一世代と第二世代の「抗ヒスタミン薬」の違いを医師解説

日本では花粉症に悩まされる人の数が年々、増加しています。鼻づまりや鼻水などの症状を和らげるため、市販薬に頼っている人もいるのでは? しかし、ドラッグストアにはさまざまな薬剤が売られており、どれを選べば良いかわからないという人も多いと思います。そこで今回は、目黒本町耳鼻咽喉科の小松﨑先生に、第一世代の抗ヒスタミン薬のメリット・デメリットについて詳しく教えてもらいました。

小松﨑 敏光

監修医師:
小松﨑 敏光(目黒本町耳鼻咽喉科)

昭和医科大学医学部卒業、昭和医科大学大学院医学研究科修了。その後、昭和医科大学病院、東京都立荏原病院、昭和医科大学横浜市北部病院で経験を積む。2024年、東京都目黒区に「目黒本町耳鼻咽喉科」を開院。医学博士。日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会専門医・指導医・認定補聴器相談医、日本めまい平衡医学会めまい相談医。

編集部

第一世代の抗ヒスタミン薬にはどのような特徴があるのですか?

小松﨑先生

第二世代に比べて効果を実感しやすい、というのが特徴です。ドラッグストアでもd-クロルフェニラミンマレイン酸塩、ジフェンヒドラミン塩酸塩、ヒドロキシジンなどを含む市販薬が売られていますが、これらはすべて第一世代の抗ヒスタミン薬です。

編集部

第一世代にはどのような副作用があるのですか?

小松﨑先生

第一世代の抗ヒスタミン薬は効果を実感しやすいものの、脳への影響が大きいので眠気が強かったり、認知機能を低下させたりするといったデメリットが挙げられます。そのためドライバーなど、職業によっては服用に注意が必要なケースもあります。また薬の持続期間が短いので、1日に何回も服用しなければならないというのもデメリットです。

編集部

いろいろなデメリットがあるのですね。

小松﨑先生

そのほか、第一世代の薬は抗コリン作用といって、眠気や便秘、口渇などを引き起こす作用も強く出てしまいます。しかし、第二世代に比べて抗ヒスタミン作用は強いため、「第二世代の市販薬を使ったけれど、あまり効果が得られなかった」「眠気が出てもいいので、すぐに症状を止めたい」という場合には、第一世代が有効だと思います。

編集部

まずは第二世代を使ってみて、あまり効かないようなら第二世代のほかの薬に変える、あるいは第一世代に変える、というのが良いのですね。

小松﨑先生

はい。第一世代は眠気が強く出るといっても個人差が大きく、人によってはまったく眠くならないこともあります。薬との相性を考え、自分に一番合うものを選ぶことが大切です。

編集部

内服薬以外にも選択肢はありますか?

小松﨑先生

はい、点鼻薬も市販されています。病院で処方される点鼻薬はステロイドを含むものが多く、くしゃみや鼻水だけでなく鼻づまりにも有効です。一方、市販の点鼻薬は第2世代抗ヒスタミン薬がメインです。一部は血管収縮剤といって、血管を収縮させることで鼻づまりの症状を軽減させるタイプのものもあります。これを長期で使うとかえって症状が悪化することもあるので、市販の点鼻薬を使用するときには血管収縮剤が含まれていないものを選ぶことをお勧めします。

編集部

点鼻薬と内服薬はどのように使い分ければ良いでしょうか?

小松﨑先生

気になる症状が鼻だけであれば、点鼻薬だけでも良いと思います。しかし、目のかゆみや喉の違和感など、ほかの部位にも症状が及ぶようであれば、内服薬を服用すると良いでしょう。もちろん、内服薬や点鼻薬だけで効果が不十分であれば併用しても構いません。

※この記事はMedical DOCにて<医師が明かす「花粉症」の市販薬の選び方 「第一世代」と「第二世代」はどっちがいい?>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

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配信元: Medical DOC

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