血が止まらない症状を治すには?メディカルドック監修医が対処法や考えられる原因・病気・何科へ受診すべきかなどを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

監修医師:
鎌田 百合(医師)
千葉大学医学部卒業。血液内科を専門とし、貧血から血液悪性腫瘍まで幅広く診療。大学病院をはじめとした県内数多くの病院で多数の研修を積んだ経験を活かし、現在は医療法人鎗田病院に勤務。プライマリケアに注力し、内科・血液内科医として地域に根ざした医療を行っている。血液内科専門医、内科認定医。
「血が止まらない」症状で考えられる病気と対処法
怪我や傷で血が止まらなくなった場合、どのように対処すれば良いかわからないととても困りますね。出血した原因を知り、適切な対処法を覚えておくことは重要です。
この記事では、血が止まらない症状で考えられる病気や対処法を詳しく説明します。
指の血が止まらない症状で考えられる原因と対処法
指の怪我や魚の目を削ったあとなど、血が止まらなくなることがあります。まずはしっかりと圧迫止血を行いましょう。止まらない場合は、長めに、20~30分程度圧迫しましょう。
抗凝固薬、抗血小板薬などの血液をさらさらにする薬を内服している場合は、血が止まりにくいため長時間圧迫することが必要です。
圧迫しても血が止まらない場合は、外科を受診してください。
病気で血が止まらない症状で考えられる原因と対処法
血液にある血小板という細胞は、止血に重要なかさぶたの働きをします。血小板が減少する急性白血病、特発性血小板減少性紫斑病などの病気があると血が止まらない場合があります。
また、血を止める作用のある凝固因子に異常が起こる血友病は、出血が止まらなくなります。
血液の病気が疑われる場合は、血液内科を受診してください。
切り傷で血が止まらない症状で考えられる原因と対処法
包丁で指を切ったり、怪我で唇を切ったりする場合も血が止まらなくなる場合があります。切り傷の血が止まらない場合は、切り傷が深い場合があります。しっかりと、長時間圧迫することが必要です。
血がどくどく出て止まらない場合は、動脈が損傷している可能性があります。圧迫だけで止まらない場合は縫合が必要な場合もありますので、外科を受診しましょう。
抜歯で血が止まらない症状で考えられる原因と対処法
親知らずなどの抜歯後は、血が止まるようにしっかりと圧迫することが必要です。圧迫の時間が不充分の場合は血が止まりにくくなります。また、傷口を歯ブラシや舌などで触ってしまうと出血してしまう場合があるので、なるべく傷口を触らないようにしましょう。
まずはガーゼでしっかりと圧迫しましょう。それでも血が止まらない場合は歯科を受診してください。
生理で血が止まらない症状で考えられる原因と対処法
生理がだらだらと続いて止まらない場合、機能性出血かもしれません。ストレスや排卵期、更年期などでホルモンバランスが崩れることでも出血します。自然と治ることも多いですが、症状が強い場合は婦人科での治療が必要になる場合もあります。
子宮筋腫や子宮頚がんなどの病気による器質性出血の可能性もあります。子宮筋腫は子宮にできる良性の腫瘍で、筋腫が内膜側にできると、子宮内膜が引き伸ばされるため月経量が増えます。子宮頚癌は初期症状で不正性器出血を起こし、だらだらと生理が止まらないことがあります。生理で血が止まらない場合は婦人科で相談をしましょう。
すぐに病院へ行くべき「血が止まらない」に関する症状
ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。
出血が止まらない場合は、外科へ
出血をしている場合は圧迫が基本ですが、傷が深い場合や動脈を傷つけている場合は縫合などの外科的処置をしないと止まらない場合もあります。血がどくどくと流れているときは外科を受診しましょう。受診するときは、圧迫しながら病院へ行くことで出血を最小限にすることができます。
受診・予防の目安となる「血が止まらない」ときのセルフチェック法
・出血が止まらない以外にめまい、ふらつきがある場合
・どくどくと大量の出血がある場合
・圧迫できない部位からの出血がある場合

