「性行為をしなければ性病にはならない」と思っていませんか? じつは日常生活にも、性病の感染リスクが潜んでいるのです。今回は、日常に潜む様々な感染リスクについて「性感染症内科ペアライフクリニック横浜院」の百束先生に解説していただきました。

監修医師:
百束 全人(性感染症内科ペアライフクリニック横浜院)
日本医科大学医学部卒業。日本医科大学武蔵小杉病院泌尿器科、スクエアクリニック副院長、会津中央病院泌尿器科を経て現職。日本性感染症学会、日本感染症学会、日本エイズ学会。
編集部
オーラルセックスやキス以外で性病の感染ルートにはどのようなものがありますか?
百束先生
女性が気をつけたいものに、細菌やウイルスなどが母体から胎児へ感染する「母子感染」があります。母子感染によってうつる性病にはHIV、梅毒、B型肝炎、C型肝炎、クラミジア、淋病(淋菌)などがあります。
編集部
母子感染の場合、女性は妊娠する前から感染しているのですか?それとも妊娠後でしょうか?
百束先生
妊娠前からもともと細菌やウイルスを持っている場合もありますし、妊娠中に感染する場合もあります。それらの細菌やウイルスがお腹の中で感染したり(胎内感染)、赤ちゃんが産道を通るときに感染したり(産道感染)、母乳から感染したり(母乳感染)します。
編集部
母子感染を防ぐには、どうしたらいいのでしょうか?
百束先生
妊娠中は母体の免疫機能が低下しています。そのため、もともと細菌やウイルスに感染しやすいという特徴があります。治療しないまま放置すると、症状が進行したり、早産や流産のリスクが高まったりします。妊娠中に性病検査を受け、万が一陽性と診断された場合には母体への治療をおこなうとともに、胎児への感染予防に努める必要があります。
編集部
性病検査を受けることが必要なのですね。
百束先生
もちろん女性だけでなく、パートナーも受けるべきです。無自覚で相手にうつしたり、うつされたりしていることもあるため、必ずパートナーと一緒に性病検査を受けましょう。
※この記事はMedical DOCにて<「性病」はサウナ・公衆トイレでもうつる? 性病リスクが高まる“意外な行動”を医師が解説>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
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