火種となった女性版パンフとは…
特に批判を集めたのは、女性向けのファッション編です。そこでは、服装としてパンプス+スカートorワンピースが推奨されており、「首、手首、足首が出ることで可憐な雰囲気になる」と具体的に指定されています。色についても「白を基調とした明るい色」、アクセサリーは「シンプルで透明感を出すもの」を推奨し、髪型は「サラサラで清潔感を」と、全体として「控えめで優しげなイメージ」を強調していました。
また、マインド編でも、女性には「自己管理はできているか?」「おしゃれをサボっていないか?」「浪費癖はないか?」と内省を執拗に促す内容が記されています。さらに、立ち居振る舞いも「穏やかで優しい笑顔」を求め、体型カバー術まで指南していました。
これに対し、SNSでは「女性を『御しやすそう(※)』な存在に仕立て上げるためのマニュアル」「男性の好みに合わせたラッピング指南で、女性の個性を殺す」との批判が殺到。最初の指摘者とは別の、ある翻訳者・科学技術論研究者は、「男性には4タイプの服装を認め、女性は1タイプのみ。体型や振る舞いまで指導とは想定外」と指摘し、投稿は1日で3万5千ビュー超えを記録しました。
※御しやすそう(ぎょしやすそう): 自分の思うように扱いやすい、従順そうに見える、という意味。「御する」は、思い通りに操る、統制するという意味を持つ。
SNSは怒り、失望!「婚活離れ」の懸念も
X(旧Twitter)では、「公金を使ったジェンダーバイアス」として、さまざまな立場からの声が爆発的に増加しています。
ジェンダー不均衡への怒り
あるユーザーは、「女性に『可憐/控えめ/優しげ』(別名:御しやすさ)と注文が多いのに、男は清潔感のみ。マインド編も女性に内省を執拗に強いる。昭和かよ」と投稿。1,300以上の「いいね」を集めました。
また、別のユーザーも追撃投稿で、福井県の類似パンフを挙げ「自治体によるジェンダー役割押し付けは全国的」と指摘。婚活指導が、一部の男性に都合の良い「理想の女性像」を公的機関が認証・推奨している構図への怒りが高まっています。

