インフルエンザが疑われる際に受診する目安と治療法
インフルエンザかもしれないときは必ず病院を受診すべきですか？
インフルエンザの症状が疑われる場合は、受診を検討しましょう。ただし、すべての方がただちに受診しなければならないわけではありません。症状が軽い健康な成人であれば、安静と水分補給を中心に経過をみることも可能です。
一方で、高齢の方、乳幼児、妊婦、糖尿病や心疾患などの基礎疾患を持つ方は、インフルエンザによって重症化する可能性が高く、肺炎や脳症などの合併症につながる場合もあるため、できるだけ早めに医療機関を受診することが推奨されます。
時間外でも受診した方がよい症状や状況を教えてください
夜間や休日であっても、以下のような症状があれば速やかに医療機関を受診しましょう。
呼吸が苦しい
胸の痛みがある
意識がもうろうとしている
高熱が続いて水分が取れない
けいれんを起こした
これらは合併症に関連する症状の一部です。特に、小さなお子さんでは、顔色が悪い、ぐったりして呼び方に対する反応が弱い、吐き続けているなどの症状も受診の目安になります。これらの症状がみられた場合、受診が遅れると命に関わる危険があるため、時間外でも迷わず受診しましょう。
病院でのインフルエンザの治療法を教えてください
治療の基本は安静と水分補給ですが、医師の判断により抗インフルエンザ薬が処方されることがあります。これらの薬は発症から48時間以内に使用を開始することで、ウイルスの増殖を抑え、症状の期間を短縮したり重症化を防ぐ効果が期待されたりします。
また、発症から48時間以上経過していても、高齢の方や基礎疾患を持つ方、症状が重い方には、抗インフルエンザ薬の効果が期待できる可能性があるとされています。
参照：
『令和6年度インフルエンザQ&A』（厚生労働省）
『Influenza Antiviral Medications: Summary for Clinicians』（CDC）
編集部まとめ
インフルエンザは風邪とよく似た症状を示しますが、短い潜伏期間を経て、突然38度以上の高熱や強い全身のだるさが現れる点が特徴です。
自宅でのセルフチェックでは、急な発熱や全身症状の強さ、周囲での流行状況が判断の目安ですが、確定には医療機関での検査が必要です。特に高齢の方、小さなお子さん、妊娠している方、基礎疾患を持つ方は重症化しやすいため、早めの受診が推奨されます。
また、発症から48時間以内に抗インフルエンザ薬を開始することで効果が期待できる場合もあるため、自己判断せず、必要に応じて速やかに医療機関を受診しましょう。
参考文献
『インフルエンザ施設内感染予防の手引き』（厚生労働省）
『新型インフルエンザ 診療ガイドライン（第1版）』（一般社団法人日本感染症学会）
『令和6年度インフルエンザQ&A』 （厚生労働省）
『Influenza Antiviral Medications: Summary for Clinicians』（CDC）
