カテキンを取りすぎると現れる症状

肝機能障害
欧州食品安全機関(EFSA)は、EGCGを800mg/日以上摂取すると肝臓への影響が懸念されるとしています。これは主に、高濃度のEGCGを含むサプリの摂取に関するものです。症状としては、倦怠感、吐き気、黄疸などがあります。対処法は直ちに摂取中止すること。症状悪化時は消化器内科を受診し、サプリメント摂取者は、体質による発症や基礎疾患の有無を医師に伝えます。
不眠・動悸・吐き気など
一般的にカテキンを多く含む緑茶の過剰摂取によって起こりうる症状としては、緑茶に特に多く含まれるカフェインによる影響が考えられ、不眠・動悸・吐き気・下痢・神経過敏・イライラなどがあります。ただし、通常の飲用量(例えば、1日に数杯の緑茶)であれば、これらの症状が現れる可能性は低いと考えられます。現時点では、カフェインの過剰摂取による具体的な症状や安全な上限摂取量について、公的機関による統一的な見解や明確な研究結果は限られています。気持ち悪いなどの症状がある場合は、消化器内科、総合内科を受診し、普段の食事やサプリ・内服の状況を伝えます。
鉄欠乏性貧血
カテキンの摂り過ぎは非ヘム鉄(植物性食品由来)の吸収を阻害することで、鉄欠乏性貧血の可能性があります。疲労感、息切れ、めまい、動悸、顔色不良などの症状がある場合は、カテキン高含有食品の摂取を控え、鉄分の多い食事を摂り、食事中や食後すぐは緑茶を避けます。鉄の吸収率を高める動物性たんぱく質やビタミンCとの同時摂取が有効です。症状の悪化時には内科を受診し、女性は婦人科も検討する。医師には日常的なカテキン摂取量を伝えます。
「カテキンの取りすぎ」についてよくある質問

ここまでカテキンの取りすぎについて紹介しました。ここでは「カテキンの取りすぎ」についてよくある質問に、メディカルドック監修管理栄養士がお答えします。
緑茶を飲み過ぎるとどんな症状が現れますか?
荒井 佳奈恵
緑茶の飲み過ぎによる主な症状は、含有されるカフェインによるめまい、動悸、不眠、下痢、吐き気などです。また、緑茶抽出物のサプリなど高濃度摂取では、肝機能障害(EFSAが1日800mg以上のEGCGで懸念)や、鉄の吸収阻害による貧血リスクが指摘されています。

